【異世界漫画】ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される。 1~48,2 【マンガ動画】

シルファは牧刀を握り、まっすぐに 切りかかっていく。振り下ろす剣を軽く いなしながらシルファへと牧刀の喫先を 返した。シルファはそれを受け距離を取っ た。うん。いいですよ。ロイド様。口元に 笑ミを浮かべながら俺と剣を交える シルファ。よし。いい感じにごまかせて いるな。初めてシルファから堅術ごっこを 持ちかけられた時、俺は泣かれた。あまり に弱すぎてである。当時7歳くらいだった 俺を捕まえてそれはないと思うのだが、 シルファ曰くふざけているとしか思えない 弱さだったらしい。俺は本気でやっていた つもりだったが、その恥ずかしながら前世 の頃から運動は苦手なのだ。それから シルファのスパルタが始まった。毎日刀を 握らされ、非妊形相手に何度も何度も 打ち込みをさせられた。運動議嫌の俺に とってはまさに地獄。完全に堅術ごっこの 息を超えており、その後の読書に支障が 出るレベルだった。なので俺は少しずルを させてもらうことにした。魔術の中には 物体を操作制御する類いのものがある。 それが制御系統魔術。これを使えば自身の 身体をプログラムした通りに自動操作する ことが可能。現在はシルファの動きを トレースし、俺の身体で再現しているのだ 。カキ 牧刀がぶつかり合う音が辺りに響く。あは 、素晴らしいです。ロイド様。シルファの 動きをトレースしているので当然互角で 打ち合えている。棒よりの様子みにして おけば比較的肉体への負担も少ない。ふう 。では今日はこの辺にしておきましょうか 。しばらくすると満足したのか。シルファ は額体の汗を拭った。ふう。やっと終わっ たか。自動で動かしていただけとはいえ、 それでも結構耐えるな。みたいが少し重い 。座り込んで休んでいるとシルファが キラキラした目を向けてきた。ロイド様の 権技メキメキ上がっていますね。これなら 私と互格にやり合う日もそう遠くないかも しれません。あはそそうそうかな。 シルファの権技をトレースしているからな とは口が避けても言えない。向こうも当然 手加減をしているのだろうが最初に比べて も少しずつ早く強くなっているにも関わら ず俺が対応しているからメキメキ強くなっ ているように感じているのだろう。俺が 制御系統魔術でやっているのはあくまでも 相手の動きに合わせているだけだからな。 まあ本気で切りかかってくることはない だろうし、しばらく魔術でずるしているの はバレないだろう。バレたらその時考える 。とりあえず本が読みかけだし早く図書館 に戻りたい。じゃあ俺は図書室に帰るから 。はい。お疲れ様でした。うんうん。 素晴らしい神立てぶりですね。ゆくゆくは 騎士団長か牽制か。ふ、将来が楽しみです 。シルファは何やら恐ろしげなことを ブツブツ言っているが多分気のせいだろう 。図書室へと帰る俺をシルファは笑顔で 送り出すのだった。うん。さすがに そろそろこの本も読み飽きてきたかな。俺 は開いていた魔術書を読みながら呟いた。 この本を読み直すのももう何十回目だろう か。魔術書は魔力の込められた文字で書か れており、それを理解することによって 魔術の発言が可能となる。それだけなら 1度か2度読めば十分だが、何度も 読み込み理解を深めることで魔術の習得度 は飛躍的に上昇していくのだ。ゆえに魔術 師は魔術書を完全に理解できるまで何度で も読む。だが俺はもう図書館の魔術書は 完全に理解したので現状はずっと復讐をし ているような状態だ。もちろん復讐も大事 である。せっかく覚えた魔術も使わなけれ ば忘れるし、そうなると習得度はガクンと 落ちる。まあ、そんな日々を送っている わけだが、さすがにその繰り返しは退屈だ 。そろそろ新しい刺激が欲しいところで ある。母はロイドは魔術書ばかり読んで いるからな。 たまには別の本を読んだらどうだい?目の 前で本を読んでいたアルベルトが言った。 俺は首を振って答える。図書館にある魔術 書は全て読みましたから。え、ではテスト してもいいかい?アルベルトはいたずら っぽい微笑みを浮かべると俺に問いかけて きた。土水花風。これは魔術の基礎4系統 魔術と言われているわけだが、この図書館 にはれに関する魔術書は何冊ある?メイン として取り扱っているのは145冊ですね 。サブテーマとして取り扱っているのも 含めると232冊。あ、でもゴーレムとか に関する本はどっちに含めればいいのか 迷うな。俺の中では制御系統なんですが、 ボディの整形には基礎4系等魔術が大きく 関わってくるわけですし、どう思います? アルベルト兄さん、俺が視線を上げると、 アルベルトは目を丸くしていた。まさか 本当に全部読んだというのかい?あ、いや 、と言ってもまだあまりよく理解してない というか、あわ、やはり魔術は奥が深い ですね。あ、危なかった。図書館の本を 全部読んでいるくらい普通だと思ったけど 、この驚きからするとそうでもないようだ 。アルベルトのいぶかしむような視線が 痛い。かけているのは支有系透魔術回復 呼吸呼吸の深さに応じて少しずつ傷を癒す というというものである。長い間じわじわ と回復するため魔力刻印と相性が良い。が やったと映えにくいし、支雨系統の魔術は 全てかなり上位の魔術なのでバレると面倒 だ。傷つき倒れていた者たちもしばらく すると傷が治り立ち上がる。うん。これ ならそう簡単には倒されないだろう。てな わけで話の続きだ。わあ、分かりやすたお 本。魔力の性質変化とは術式ではなく魔力 を生み出す際に行うんですよ。ただ魔力を 出すだけでなく手を加えれば性質も変化さ せられるんです。ええ、それは考えたこと もなかったな。魔力を生み出すのなんて ただ万全とやっていた。思えばグリ物使っ てた古代魔術が色を変えたり魔力並の形状 を変えたりしていたのは術式ではなく性質 を変化させていたのか。無意味だと思って たがやっぱり魔術は奥が深い。まずは色の 変化から始めるのが基本です。やってみ ますかい?もちろん魔力の性質変化は イメージが大事でさ、色のついた魔力を 強く想像するんですとはいえ、一丁一隻で できるもんではイメージね。姿を変える 魔術模者姿みたいなものかだったら得意だ ぞ。イメージと俺は青色を強くイメージし 、手のひから魔力を生み出していく。する と淡い青色の魔力が溢れ出してきた。おお 、これが魔力の性質変化ってやつか。赤、 白、緑、思うように色を変えていく魔力。 こりゃ面白い。俺がはしいゃいいでいると グリモは驚愕の表情を浮かべている。な日 聞いただけであっさりと動かしたりとかも できるな。あまり意味はなさそうだけど。 踏み出した魔力に動けとイメージを送ると グねぐねと色を変えながら動いていく。 グリモは俺が時在に動かしているのを見て あんぐりと口を開けていた。なるほど。 パズはこれに匂いや味を加え魔獣好みにし ているんだな。炎をいて全てを噛み砕く牙 となれ。情熱エキ場なんてことをしている とアルベルトの影承が終わったようだ。 すぐ気づいたシルファとタオがパズから 距離を取る。直後燃える無数の炎が パズづらえと振り注いだ。かー 高範囲に渡る炎が周囲を焼き尽くし、ベア ウルフラは悲鳴を上げながら次々と倒れて いく。手間のかかり具合も全く違うので かなり高価らしく俺も見るのは初めてだ。 こんなもんをポンと不用に差し出せるとは この国は豊かなんですな。全くもってその 通りである。俺がこうして気まに魔術で 遊べるのも国が豊かなおかげだな。父 チャールズには感謝しかない。それじゃあ 魔剣への不与試してみるか。魔剣は すでに式が編み込まれているため、それに 付与を加えるのはかなり何度が高いとされ ている。相性の悪い付与だと術式が総裁し 、剣事態が破壊されてしまうのだ。慎重に 行かないとな。俺は魔剣に手を触れ意識を 集中。術式を読み取っていく。ふむ。剣に 編み込まれているのは魔術増幅の術式だな 。魔剣には2つのタイプがあり、1つは それ自体に魔術が込められたもの。もう1 つは魔術を増幅するもので、これは校舎だ 。アルベルトも魔術師だし、間違いある前 。増幅なら術式を書き換えて売化にして みるか。見たところ増幅倍率は2割増しと いったところか。これを2倍増しにすれば 格段に効果は向上する。ただ一部とはいえ 術式を書き換えるのもまた結構なリスクを 伴うんだよな。下手したら粉なごなになっ てしまう。だったら付与するのは補強の 術式だな。つまり強度を上げるものである 。これを付すれば多分耐えられるだろう。 多分。まあアずるよりうむが優しいという しやってみるか。まずは術式の書き換え。 2割増しの術式を2倍増しへと書き換えて いく。 書き換えが終わると剣から白い煙が登り 始める。ロイド様やべえですよ。何度か剣 を破壊したから分かる。これは壊れる兆候 だ。早く補強の付与を終わらせる。俺は 呼吸を落ち着かせながらまずい液を塗布し ていく。すると煙が収まる。術式が馴染ん だのか安定してきたようだ。ふう。 危なかったな。 危うく高な魔剣がへしれるところだった。 ちょっぴり日々が入ってるがギリギリ政府 だとあれ多少の犠牲は出したものの無事 不与は終わったのである。高速で迫りくる パズ。俺のそばにいたベアウルフたちが 立ちふがる。ガうぐるお。もしかして俺を 守ろうとしてくれてるのか。でも危ないぞ 。散りかせようとしたが間に合わない。 邪魔をするな。パズが両腕を振うとベア ウルフたちは引き飛ばされた。キャイン。 地面に叩きつけられたベアウルフたち悲鳴 をあげた。こいつ自分の眷属をなんてやつ だ。パズはタオレフスベアウルフたちには 目もくれず俺目がけて体当たりを ぶちかましてきた。すと自動発動した魔力 消壁ごと俺の身体は湖海へと吹き飛ばさ れる。だが風景魔術非秘傷発動。風を まとった俺はコ面の上を滑り中央あたりで 止まった。しゃあ。翼を広げ地面を蹴り 即座に追撃してくるパズ。振り下ろされた 右手から放たれる魔力派を魔力消壁で 受け止めた。おい、自分で育てた大事な 眷属だろ。殴るなんてひどいじゃないか。 何を言っている?我に逆らう愚かな犬など も早や眷属でも何でもないわ。貴様を殺し た後に全て首り殺してくれる。ひどいな。 モフモフ。帝国を作るんじゃなかったのか よ。魔獣帝国だ。顔を真っ赤にして俺を 殴りつけてくるパズ。ダメージは全くない が、それでも魔力消壁をきしませるほどの 威力。ただ殴っただけ邪高はならない。 これも魔力の性質変化か。両手に魔力を 集めて皇室化力を上げるようイメージして いるんだな。面白そうだ。俺もやってみる か。とはいえ素ではあれだし。そうだ。鞄 の中に武器があったっけ。以前不術で使っ た鉄の探検。あれを使えば剣で同じことが できるよな。なんだか生かい視線を向けた 気がする。く、使い間に手を噛まれるとは このことだ。私は冒険者のタオというね。 怪しいものじゃないよ。そんなことをやっ ている間にもタオはアルベルトに声をかけ ている。ふむ。僕はアルベルト ディサルーム。この国の第2王子だよ。お 王子様。これは飛んだゴブレイを許して ください。あるよ。いいさ。知らなかった のだろう。僕は気にしていないよ。 ありがとうございますね。たどた正しい 口調で頭を下げるタオ。他の国なら ともかく比較的平和なサルームでは王族に 少々ブレな口を聞いたからと言って即刑罰 なんてことはありえない。俺たち自身国の 方針で王規族だからとあまり存在な態度は 取らぬように言われているのだ。おかげで うちの王族はフレンドリーというか民衆 たちからも慕われており魔獣狩りなどで外 へ赴いた時などは平民たちの家で食事を 振る舞われるなんてこともそう珍しくは ないのである。それより冒険者がこんな ところで何をしていたんだい?この先の湖 で祠の修繕以来を受けてそれに向かう途中 よ。その道中白と見えたあなたの顔が少し 知り合いに似ていてね、つい追ってしまっ たよ。ペコリと頭を下げるタオだが上で アルベルトを見る目はどこかじゃに見える 。怪しい。シルファが無表情のまま馬から 降りタオの前に立ちふがる。怪しいですね 、この女。気になったなら堂々と声を かければいいのになぜ気配を消して近づく のです。そもそも喋り方からして怪しいで はありませんかな。こ、この喋り方は 単なる鉛りある。気配だって別に消した わけじゃなく、そういう呼吸が癖になっ てるだけよ。ああ、なるほど。みんなが タオの気配を感じなかったのは木の呼吸の おかげか。俺だけが感じ取れたのは同じく 木が使えるからだろう。近づいた。今なら わかる。木の呼吸を行うタオは体内の気を 散らさず循環させているため、あまり外へ 漏れ出ていないのだ。ほう。では宣から アルベルト様に邪なし線を向けているのは た、ただイケメンだなと思っているだけよ 。なし線なんてとんでもない。ある。 分かりやすく同揺するタオにシルファは随 詰めよる。ないのかあるのかはっきりし なさい。シルファにしてあげなさい。えと 君も楽にするといい。アルベルトが声を かけるとシルファは一瞬タオを睨んだ後 すぐに後ろへ下がった。それでもいつでも 動けるよう絵に指先を当てている。タオは 緊張が切れたのか、大きく息を吐いて腰を 下ろした。 ありがとね、アルベルト様っ たよ。この人美人だけどとんでもなく怖い ね。ところでタオ、僕が知り合いに似て いるらしいが僕は君を見たことがないんだ 。人違いではないのかい?ふむ。確かに私 が探しているのはロベルト。名前違うよ。 それにアルベルト様とは少し雰囲気も 異なるね。げタオのや俺のことを探してた のかよ。いきなり飛んで逃げたからな。 探していてもおかしくはないか。ま、まあ 姿を変えてたし気づくことはないだろう。 ちらしらりと視線を向けるとタオが俺を 元けしていた。むむ。あの子どこか ロベルトと木の雰囲気が似てるよ。でも 明らかに姿が違うね。思い過ごし いやでもタオは俺を見ながらうんうん唸っ ている。さすがに分かりはしないだろうが 心臓に悪いな。ともかくなんとなくだが ダンジョンというものが分かってきたな。 だがまだまだ仮説の息を出てないし、もう 少しサンプルが欲しいところだ。そのうち またダンジョンに潜りたいな。ロイド様は 魔術師でしょう。ダンジョンについても 調べるんですかい?何が魔術に使えるか 分からないからね。わあ、そういうもん ですかね。魔術というのは様々な要素が 組み合わさった学問だ。である以上、 この世の新羅番賞とのつがりがある。 そもそも火や水がなければ魔術でそれを 生み出すこともできなかったわけだ。まあ 、知識はあればあるだけ自分のためになる 。この知識がいつか何かに使える時が来る かもしれないしな。ダンジョンについては こんなもんだろう。さて、次は不与魔術だ な。不系等魔術に関する魔術書はそれなり にあったが、それを試すには特殊な職媒が 必要なのである。それがこの探検に塗付さ れたまずい液。魔力に対するとても強い 保持力があり、浸透性も高いのでよく職倍 に用いられるのだ。それなりに貴重なもの で基本的には有望な家事職人たちにしか 出回らないらしく、なかなか手に入れる 機会がなかったのである。やることは他に もたくさんあったので後回しになっていて 実際に試したことはない。まずはまずい液 を剥がすとえっとやり方は確か熱湯に塗付 された箇所をつけこすって落とすんだっけ か。魔術で湯を沸かし、その中に探検の刃 をつけてブラシで擦すると油のようなもの が浮き出てくる。これがまずい液だ。熱で 剥がれるが水には溶けないので湯の表面 部分に浮き上がるのである。それを 救い取って小瓶に入れていく。ムー不純物 が浮いているな。多分何度もこうやって再 利用したんだろうな。まずい液は不要に なるとこうして剥がし、また新たな不魔術 のために使える。だがその度に汚れが増え ていき、順度が下がる。そうすると当然不 魔術の効果も薄れてしまうのだ。なら綺麗 にしてやればいい。小瓶に手をかざし魔力 で包み込む。すると液体の中から小さな ゴミが浮き出てきた。ロイド様、こいつは 何をしてるんですかい?不純物を取って いるんだよ。おおん。遠覚えを上げながら 襲いかかってくるコボルトたち。この絵 たちは剣を抜き放ち迎え。コボルトの 振り下ろすの剣が受けようとしたこの絵の 鋼の剣と接触した。え、驚きの声をあげた のはこの絵とこぼると両方だった。 コボルトの持っていた鋼の剣が抵抗なく へし折れ、この絵の剣は勢いのままに コボルトの銅を捉える。そのままザりと コボルトの身体を切り裂いた。ぐわー。 先血が吹き出てコボルトは倒れる。他の 場所でも俺の付与した鋼の剣がコボルト たちの武器をへし寄っていくな。なんだ この切れ味は。これが付与の力というもの か。のように頑丈なコボルトの大毛を一で 切り裂いてしまうとは。その切れ味にこの 絵たちはとても驚いているようだ。どう やら不与はうまく働いているようだな。 武器で勝さるこの絵たちはあっという間に こぼるとを追い払ってしまった。はは。 どうだお前たち。これが我が弟の実力だ。 恐れったろう。後でしっかり霊を言って おくことだな。アルベルトが誇らしげに 笑っている。おいおい、勘弁してくれよ。 俺は目立ちたくないんだが。俺が自目を 向けているとアルベルトが満面の笑を 浮かべ、俺の両肩を叩いた。素晴らしい じゃないか、ロイド。成功率も去ること ながらとんでもない切れ味だったぞ。あれ ほどの不魔術を使えるなんて本当に驚いた よ。え、えと、母はまずいやりすぎたか? 俺の想定以上に評価が高い。使い手が 少ないから少々やりすぎても大丈夫かと 思ったが、それが裏めに出たかもしれない 。俺がどう答えたものかと試案していると 、アルベルトは言葉を続ける。いつも本の 虫だったロイドが実質にこもりっぱなし だったからきっと何かやっているのだろう とは思っていたがまさか不術をここまで 極めているとはね。道具はシルファに集め させたんだね。とんでもない才能だ。 さすがは僕の弟だよ。どうやら俺の 思い過ごしだったらしい。俺はアンドの息 を吐いた。はい。アルベルト兄さんの言う 通りです。どうやら不魔術に向いてた みたいで。あはは。うん。そうだろう。 そうだろう。どうこれからも不要をお願い してもいいだろうか。道具は僕が融通する からさ。頼むよ。道具を。本当ですか? ああ、もちろんだとも。今回使った道具は 基本のものばかり。不魔術には他にも色々 な材料が必要だ。それをアルベルトの力で 集めてもらえるなら、これからはもっと 色々なことができそうである。ふふふ。 ロイドは良き才能を開化させたな。こんな 年齢から純宅な資金を使って思う存分不術 の修行ができるものなどそうはあるまい。 このまま行けば国一番いや世界一の不術師 になることも不可能ではないな。 アルベルトが何かブツブツ言っているが、 俺は様々な付与の組み合わせを考えるので 頭がいっぱいだった。俺に背を向け何か ブツブツ言っている。なんだろう? やっぱり剣を折りすぎて怒っているのかな ?ロイドはい。思わずピンと背筋を伸ばし てしまう。俺の想像に反して振り返った アルベルトは微笑みを浮かべていた。 ありがとう。これだけ武器があればこの絵 も喜ぶだろう。ところで実は父上から魔獣 の討伐を申し付けられているんだがよかっ たらロイドも来ないか。魔獣狩りですか? 魔獣とは魔力を持つ巨大な獣のことだ。 とても知能が高く人の言葉を理解するもの もいる。基本的には人になつくことはなく 、群れも作らず単独で生活しており、水路 や畑を荒らしたり、時には小さな村を 滅ぼすこともある厄介な獣だ。前世で1度 見たことがあるが、その時は身のた5m ほどはある巨大なイノシシで町の壁を破壊 して建物をいくつも東壊させていた。その 時は警備の兵士10人係かりでなんとか 追い払えたんだっけ?ちなみに王子になっ て知ったことだが、庶民にとっては危険な 魔獣も一部の貴族たちにとっては狩の対象 である。シャールズやアルベルトラ兄王子 たちから魔獣狩りの話は何度か聞いていた 。一度言ってみたいと思ってたんだよな。 ああ、父上から大使っていてね。明後日 この絵たちを連れて大児に行くんだよ。 どうだい?行く。行きます。2つ返事で 承諾する。大っぴらに城の外へ出られるし 、この絵たちが戦うなら不魔術の効果も 実際に見る機会だ。それに魔獣と戦うので あれば試したい魔術もある。断る理由は1 つもない。お話中失礼します。アルベルト 様、私も同行してよろしいでしょうか? シルファが半保前に出てうやうやしく頭を 下げる。ああ、君はロイドの護衛権 世話係かりだからね。当然ついてくると いい。ありがとうございます。そしてまた 霊をして下がる。よし、決まりだ。それで は明後日の朝2人で僕の部屋に来るように 。分かったね。はい。俺は元気よく答え、 アルベルトの部屋を後にした。上期限で 廊下を歩く俺の後ろをシルファは音を立て ずついてくる。そういえばシルファは魔獣 って見たことある?ええ、何度か父の 魔獣狩りについていきました。騎士団の者 たちで追い立てるのですか?すごく楽しい ですよ。きっとロイド様も気にいると思い ますよ。うん。楽しみ。満面の笑ミを返す 俺を見てシルファはやや顔を背ける。 初めての魔獣狩り。日々の剣術ごっこで ロイド様の腕はかなりのものになりました し、ここらで一度実践というのも悪くは ないかもしれませんね。やはり実際に剣を 使って戦ってみなければ現術というものは 分からないですから。ロイド様も剣士とし ての自覚を持たれるちょうどいい機会です ね。それにもしかしたらロイド様の全力を 見る機会もあるかもしれません。ふっ 楽しみになってきましたね。何をブツブツ 言ってるのだろうか。えへ、皆様方ロイド 様に興味心身なんですよ。そうか。地味な 七尾にそこまで注目もするはずがない だろう。まあいいや。とにかく明後日が 楽しみだ。っていうか強くなりたかったの なら身体を鍛えるならなんなりやり用は あったんじゃないか。面倒な思いをして まで部下を集めるよりよほど効率的だろう 。楽しいから雲なく続けられるのである。 パズは戦闘スタイルからして肉段が得意な タイプ。部下を集めて命令を出すより身体 を鍛える方が賞にあってそうだしな。俺が 寝ても冷めても魔術をやってられるのも 純粋に楽しいからだ。魔術の修行は俺様も やってきたがそう楽なもんじゃねえ。シド を吐き、地味な反復をし、努力を重ねて 少しずつものにしていくもんだ。それを ロイドはそりゃもう楽しそうにやりやがる 。毎日常ジ今までもこれからもだろう。 そんなやに努力だなんだと言ってるやが 勝てるわけがねえ。グリモがブツブツ言っ ているが、吹きさぶ風の音でよく聞こえ ない。俺の言葉にパズは苦笑いを浮かべる 。くふ、我の配は楽しめなかったことか 全く無茶を言ってくれる。そう言い残し、 パズの身体は砂のようにサラサラと消滅し ていく。夫とsirリとなって冷えゆく パズへグリモが大きく口を開け吸い込み 始める。どうやらその魔力を食べている ようだ。え、魔人の魔力ってのはやっぱ うまいぜ。力がかなり戻ってきやがった。 こいつのそばにいれば上質な魔力の補充に はこかねえ。この調子で魔力を増やし、 そのうちこいつの身体を乗ってやるぜ。 ブツブツ言いながら北むグリも。その力は ほんの少し増しているように見える。どう やら魔力を食べて強くなるようだな。 どうでもいいけど腹壊すなよ。そ、そりゃ もうええへ。俺の言葉にグリモは慌てて 返事をするのだった。今したロイド様が 使われたのは魔獣使いの技。アリーゼの力 は天生の際によるもの。自覚がないがゆえ にアンコントローラブルですがロイド様は 確実に自覚して使われていた。しかも他の 魔獣使いはアリーゼ様の前ではまともに コントロールできなくなっていたのにあれ ほど見事にこのままアリーゼを超える 魔獣使いの技を習得していただければ 集まってくる動物たちを追い払って いただけるかもしれません。ここが動物 だらけなせいで他のメイドたちは怖がって 近寄りもしないし餌やり汗も大変。おかげ で私の休みはなくショッピングやカフェに 行く暇もなし。ええ、そうですとも。ここ は是非ともロイド様に頑張っていただかね ば。何か強烈な念を感じ振り向くとエリス が期待を込めたような目で俺をじっと 見つめている。ロイド様、またいらして ください。アリーゼ様はもっと色々なこと を教えられるようですよ。まあ、ナイスだ わ、エリス。え、そうよロイド私はもっと たくさんのことを教えてあげられますから 。だから是非また来てね。各かに魔獣使い の技がこれだけなはずがないよな。また 何か疑問が生まれたら聞きに来るとしよう 。あまりまともな返事は期待できないけど な。容姿しろ。いい子だぞ。オン宣告投げ たボールを取ってきた白の頭を撫でてやる 。魔力の性質変化を利用したイメージの 共有はかなり便利でこれを使えば大抵の 行動はさせられるようになっていた。 ちなみにさっきもただ普通に投げたわけで はなくめちゃくちゃ高く投げた。風景 トマ術を使って城の上壁くらいの高さにだ 。それを壁と壁の間を登らせて鳥に行かせ たのである。魔獣ならではの動きだ。やる な。白。ただ動き回る白を常時魔力でつい でおくのはそれなりに負担なため魔力刻印 を用いて命令したい時だけ魔力を飛ばして 白と繋がることで解決した。とりあえず これで日常生活に慣れさせていくか。 ヤーロイド。そんなことを考えていると 芝フの向こうからアルベルトが歩いてくる 。第2王子アルベルト俺のここの頭上の兄 で金髪聴のイケメンだ。魔術に関しては かなりの腕前で俺をよく魔術の訓練に連れ て行ってくれる。ちなみに大い継承候補と 噂されているようだ。負けたもの使いとは その名の通り魔獣と契約使い間として操る 者たちの総称でその期限は使い間を愛する 魔術師たちがより刺益する能力に特化させ ていく過程で生まれたらしい。彼らは 使い間を操るのにも術式は使わずに魔力を 利用して念じるだけで支配するらしく、俺 はそれを試しているのだが。白と呼んでみ たが、白は俺の次の命令をキラキラした目 で待つのみだ。恋と念じてみたのだが、 どうやら伝わらないようだ。白はとても頭 が良く俺の言葉をほとんど理解しているの で声に出せば大抵のことは伝わる。ただし 、お手、伏、ま、お変わり、ちんちん、 取ってこいなどの簡単な命令はともかく、 例えば3週回ってワンとけのような複雑な ものでは話が変わってくる。どれくらいの 速さでどこを回ってどう泣くのか。そこ までの意味を込めるのはその一言では無理 だ。念じるだけで言うことを聞かせられる ならその辺りもなんとかなりそうなんだが な。ロイド様、術式を使って命令はでき ないんですかい?術式は世界に効率よく 干渉すべく特殊な魔術言語で書かれたもの だからな。それを理解できない城には通じ ないよ。ていうか術式を理解してモテれる 魔術師はかなり少ないしな。俺でも現状は 単語を組み換えるのが限界だ。そういう 観点から見ても日々の読書で理解力を 鍛えるのは大事なのである。結局は言葉を 魔力に乗せて伝えるのが1番早いのだ。お 座りオンというわけで俺は魔力と言葉を 同時に出し反復訓練にて地道に覚えさせて いた。うん。だがこれは時間がかかる上に 柔軟性がないしな。細かいニュアンスは 伝わらないし、何かもっといい方法はない だろうか。考えていた俺は太ある人物を 思い出す。そうだ。アリーゼさんなら サルーム王国第6王女アリーゼルーム。俺 の3つ上の姉で俺と同じように大い継承権 もなく好きなことをして暮らしている。 その対象はもっぱら動物。犬猫は もちろん中類に鳥類。果ては魔獣まで飼育 している奇粋の動物好きである。俺が白を 買っても何も言われなかったのはアリーゼ という前例があるからというのも大きい だろう。あまり気は進まないけど会いに 行ってみるか。お俺の言葉に白は元気よく 答えるのだった。向かった先は城の離れに ある大きな塔。その周りにある広い庭には リスやウサギなどの小動物が俺たちを 興味深げに見ており、ヒ々の上では 色取り取りの鳥たちがサえずっていた。 わあ、こいつら全部ロイド様の姉が買っ てるんですかい?こんな風に話しにされて て逃げないもんすかね。うん。アリーゼ姉 さんは昔から動物に好かれやすくてね。今 思えば魔力によるものなのかもと考えたん だ。全く呆えたものか関心したものか一応 聞くが魔術書以外には興味はないのかな? 申し訳ありませんが。ふむ。そうだろうな 。やはり城でやることもそろそろ限界が あるよな。アルベルトについていれば たまに射場に連れて行ってもらったり できるが、それでも大っぴらには動けない 。せめてもう少し上のレベルの魔術書が あればいいんだが。そういえば城の地下に ショ庫があったっけ。アルベルトがぽつり と漏らした言葉に俺の耳が反応する。書庫 にはあまりの危険さゆ故えに取り扱いを 禁じられた魔所の類いがたくさん封印され ていると聞く。その中には金種も多数含ま れており、昔この国を滅亡寸前まで 追い込んだ魔人が封印されたものもある らしい。魔女とは本物に魔力を込めた魔 道具のようなもので誰が使っても効果を 発揮するのが特徴だ。ただその作成には かなり高度な魔術知識と時間が必要とさ れるためその貴調さは魔術書とは比べ物に ならない。初級魔術を封じたものでさえ なかなか市場には出回らず城にも数冊しか ないので俺もじっくり見たことはない。 特に強大な魔術が込められたものはあまり の危険さゆ故えに禁止扱いされ国で厳重に 保管されておりの際にしか使われないと 聞く。以前どこかの対戦で近所が使われた らしいが、それを唱えると敵軍に雷が 振り注ぎ、一瞬にして壊滅させたという。 ただし術者はその反動で50年以上年を 取ってしまったとか魔人を封じるなんて 魔術が込められた金書がどんなものかなど 全く想像もつかない。どんな術式を 編み込んであるのだろう。すごく気になる 。 小さい場に随分脅されたものだ。悪いことをする子は所に封じられた魔人に食べられちゃいますよ。なんてな。は。 言われてみれば確かに城の地下には不自然に強力な結界が展開されているのを感じていた。きっと国の重要書物などが入っているのだろうとあまり興味を持たなかったがそういうことなら話は別だ。画然クワクしてきたぞ。 アルベルト兄さん、その話もっと詳しく 聞かせてくれませんか?おいおいロイド妙 に目を輝かせているじゃないか。まさか 入ろうとしてるんじゃないだろうな。 いきなり釘を刺され同揺しつつも何も なかった風を予想笑顔を返した。やだな。 そんなことするはずがないでしょう。 アルベルト兄さん。 その割には笑顔が引きつっているようだがも元も元踊り地んなものですよ。 あはあははははは。 なんとか受け答えするが同様の成果こちなくなってしまう。どうにも演技をするのは苦手だ。しばらくじっと俺を見ていたアルベルトだがすぐに口元を緩めた。まあな。 そもそも城の地下には城の魔術師が 住人係かりで編み込んだ結界が貼られて いる。人目を盗んではいるなど不可能だ。 僕でも入るには許可が必要だしね。 アルベルト兄さんは入ったことがあるん ですか?ああと言っても入り口だけだがね 。というかそれ以上は入れなかったんだ。 奥から発せられるわ踊りじしい魔力の渦。 思い出しただけでもおじけが出る。魔人が 封じられた金があるという話も信じて しまうよ。ブルルと身体を振わせる アルベルト 演技ではない。少しだけ顔が青ざめていた 。どうやら本当のようであると。まあ、 そんなわけだ。ロイド、お前は少し変わっ ているが無茶をする子ではない。まさか 行くわけがないと思うが。はい。行くわけ がありませんとも。俺はアルベルトの問い に頷いて返すのだった。俺の言葉にエリス とグリモが驚いている。アリーゼは顔を パーっと明るくして俺の手を取りブンブン と振った。え、そうよロイド愛なのよ。愛 かどうかはともかくとしてアリーゼから 漏れる魔力を見ていて分かったことがある 。アリーゼはリルに命令を与える時身と リルの頭を魔力でつげているのだ。 そうやって自分の思考を読み取らせている のだろう。無意識に魔力の性質変化をして いるのだろうが、なるほど盲点だった。 あの方法ならリアルタイムで自分の思考を イメージで伝えられる。命じるのでなく 共有するのだ。そしてイメージなら得意で ある。白俺は同じように魔力を伸ばして白 の頭につげる。そして俺は白にそうして 欲しいよう念ねじる。白ははっと目を丸く すると駆け出した。そして俺たちの周りを 大きく回り始める。1週、2週、そして3 週回り。オンと元気よく吠えた。俺の思っ た通りにである。よし、俺の目ろみ通りだ 。う、嘘でしょう。のアリーゼ用の説明で 理解したのですか?エリスが目を丸くして いる。うん。すごいわ、ロイド。さすが私 の可愛い弟。あいね。いえ、絶対違うと 思いますよ。違いません。よう。2人は またいい争いを始めてた。仲がいいことで ある。まあ、もうようは住んだし長いは 無要だ。行くとするか。それじゃあ、 アリーゼあさん、ありがとうございました 。え、もう行っちゃうの?せっかく出しお 茶を飲んでいきなさいな。いえ、今は喉が 乾いていないので。あん、ロイド。俺は手 を振り、アリーゼに別れを告げる。 涙アリーゼの横でエリスが何やらブツブツ 言っている。タオに連れられ、俺は半ば 無理やり町に向かっていた。 ふんふふふんふんふんふんさん随分 ご機嫌だね。タオでいいね。あしも ロベルトと呼ぶよ。それに冒険者同士敬語 なんかいらないね。花歌を歌いながらタオ は答える。なんだろう?初めて会った俺に 対してここまで親切にここまで上期限に なれるものなのだろうか。見知らぬ他人 同士普通は警戒しそうなもんだが。あ、 この格好か。いつもの姿で模者姿したから 王族の服のままなのだ。多分タオは俺の ことを貴族のボンボンだと思っており、 助けて報酬金をたんまり取ろうという3段 なのだろう。後で逆恨みされても面白く ないし釘をさしておくか。えっとタオ言っ ておくけど俺は金とかは持ってないよ。 そんなの関係ないよ。あしロベルトからお 筋取る気ないね。タオは俺の言葉にも首を かしげて返すのみだ。ウーム本当に 金目当てじゃないのだろうか。それにタオ はさっきから顔が緩みっぱなしだし。ふひ 金も強さも必要ないよ。私が欲しいのは イケメンな彼氏ある。道場の娘に生まれた 私は物心ついた時から彼氏の1人も作らず 武道に明けくれたね。そして18歳になっ た私は出会いを求めて道場を飛び出し冒険 者になった。でもイケメンたちは僧侶や 魔術師みたいなか弱い女ばかりを狙って私 みたいなのには目もくれない。ならば考え 方を逆転するよ。向こうが来ないなら私 から行けばいい。すなわちピンチの イケメンを助けて惚れられれば良いという 寸法ね。襲いくる魔物からロベルトを守り 、いいところを見せれば私も念願の イケメン彼氏ゲットある。このチャンス 絶対に逃さないよ。ふひふひ。すごくじゃ な顔だ。じゃだけどアホなことを考えて いる顔だ。っていうかブツブツ言って ちょっと怖い。完全に自分の世界に入って いるな。これがドん引きしていると いきなりタオの目がくわっと見開いた。 ロベルト魔物ね。タオは跳ね上がるように 両手足を伸ばし姿勢を低くする。あれが 武道家の構えというやつだろうか。まるで 獣が今にも飛びかかりそうな体制だ。タオ はその姿勢のままじろりと周囲を 睨みつける。ほ、短く声を上げたかと思う と、タオの足元の石が1つ空中に 跳ね上がった。瞬間、タオの身体がつむ風 のように高速回転する。ビシと鋭い音と共 に石がはるか彼たへと飛んでいき、岩影に 吸い込まれ。や、悲鳴。そして倒れる音。 よし、当たりね。小作がポーズをするタオ 。 すぐに岩影からゾろぞろと小さな人影が出 てきた。土色の身体にのような体育。 小さな角に大きく不気味な赤い目。手には 昆棒やら錆びたナイフやらを持っている。 あれは確かゴブリンだっけか 最弱クラスの魔物だ。しかしそれは単体で の評価を組むとかなりやばいとも書いて あった。姿を表したね。高どもども。 かかってくるある。一速にてゴブリンたち の懐は勢いのまま飛び蹴りを放つ。 ゴブリンは吹き飛び眼璧に叩きつけられ メリコンだ。タオの攻撃はそれだけで 終わらない。一瞬だけ着地すると老倍 ゴブリンたちに回し蹴りを食らわせた。 勝査なキビスがゴブリンたちの脳点を こごとく捉え、一体また一体と倒れして いく。や、着地したタオにゴブリンが反撃 しようとコ棒を振り下ろすが、タオは すでにそこにはない。残像を残して消えた タオはゴブリンの背後に回り込んでいた。 遅いよ。ズんと拳がめり込み、ゴブリンは ぐらりと崩れ落ちた。呼吸を整えるタオを 見ながらも帯エスんだゴブリンたちは動く ことができない。強い。素であんな威力が 出るはずがない。そういえばタオの髪や瞳 の色、顔立ちは遠くにある異国のものだな 。異国には気を使い、それをまとわせた素 で戦うという話を何かの書物で見たことが ある。呼吸で体内に気を巡らせ練り込む ことで凄まじい力を発揮することができる とか眉つだったがこうして実際に見ると 信じざるをない。そういえばいつも独特の 呼吸をしていたな。あれがそうなのだろう か。ギャーギャギャー。後ろから聞こえる 規制に振り返ると目の前には2匹の ゴブリンがいた。うお、びっくりした。 タオの戦闘に夢中になりすぎたようだ。 もちろん魔力消壁を張ってあるので問題は ないが。ほわっち まるで滑るように移動してきたタオが ゴブリンに引きのどてっぱにそれぞれ小速 を叩き込んだ。衝撃で天高く飛んでいく ゴブリンたちはちょい対空時間を経て地面 に激突した。やあ。それを見て悲鳴を あげるゴブリンたち。タオの強さに恐れを なしたのか気づけばゴブリンたちはいなく なっていた。ありがとう。助かったよ。ふ 、霊は無要ある。タオは背を向けたまま 匂立ちをしている。どうしたのかな? さっきからずっとその体勢のままだ。 しかも物欲しそうにこっちをちら見ている 。一体何だろう?さっき言ったお礼以外の 言葉を待っているような無逃げるゴブリン たちを目で追っていると大きな穴の中に 逃げ込むのが見えた。あれはもしや ダンジョンか。ダンジョンとはたくさんの 魔物が存在する不思議な場所だ。奥にはお 宝もあり、貴重な魔道具や魔所なんかも あるらしい。こうしちゃいられない。俺は 矢も盾もたまらず走り出す。風景魔術失走 風をまとった身体は羽のように軽くなり 高速での移動が可能となる。地面を蹴ると 文字通り飛ぶようにかける。 ちょっとロベルトどこ行く?あへの愛の 告白を忘れてるよ。後ろからタオが何か 叫びながらついてくるが風の音でよく 聞こえない。そんなことよりダンジョンだ 。俺は全力失踪でダンジョンへ向かうの だった。ロベルト 何をニヤニヤしてるね。ああ、なんでも ないよ。それよりこの探検大して価値が ないならもらっても構わないか。元より そのつもりね。お好きにどうぞ。 ありがとう。魔術付与された探検は ちょっと欲しかったんだよな。もちろん上 にもそういった武器などはあるが、高価な ものばかりだし気軽に分解したりはでき ないのだ。だから不与系統魔術については まだ試していなかったのだが、これで不与 魔術の実験ができるぞ。宝箱の破片と共に カへと放り込んだ。すると午後ごと辞りが し始める。おっと、そういや、ダンジョン は宝箱を取ると消滅するんだっけか。うん 。早く外に出るよ。俺はタオと共に ダンジョンの外へとかけるのだった。外へ 出ると空は薄暗くなっていた。げしまった 。グリモのことを完全に忘れていた。 こんな遅くまで放置して大丈夫だろうか。 どうしたね、ロベルトそワそわして。悪い がちょっと用事を思い出してね。すまん。 俺はタオに謝罪すると即座に秘傷を念じ、 空中へと飛び上がった。あ、どこへ行くね ?悪い。急いでるんだ。待つよ。せめて 連絡先を交換するあるう。タオのよく響く 声を聞きながら俺は城へと飛んでいく。 少し残念だがもう2度と会うこともない だろう。それにしても気についても知れた し、魔物もいっぱい見れたしダンジョンで も色々拾えたな。大満足の1日だった。 入ってきた時と同じように姿を隠して場内 へと戻る。ホクホク顔で実質に戻ると ベッドでは俺の姿をしたグリモが倒れふし ていた。ただいまあ。そのぶりも大丈夫か ?声をかけるとギと首を動かし俺の方を 向く。その表情は完全に死んでいた。 ロイド様メイドが来たと何度もお知らせし たんですがね。母は悪いな。忘れてた。 やはり何度か連絡してきたようである。 多分魔物に夢中になってた辺りだろうか。 どうも集中すると周りの声が聞こえなく なるんだよな。反省、反省。ええ、きっと お忙しいんでしょうとなんとか会話は ごまかしやしたです。剣術ごっこは結局 やることになりましてね。まあ、ズタズタ のボコボコにされやすたよ。あのメイド 半端な強さじゃねえですな。だろうな。 グリモが乗り移っている人形は俺の身体を コピーして作っているからな。自慢じゃ ないが運動神経のなさには自信がある。 それだけならいいんでさ。問題はあの メイド自分をぶちのめした後になぜか泣き ながらロイド様のふ抜けた根性を鍛え直し ますとか言い出したんすよ。ああ、サボっ てると思われたんだろうな。普段は魔術で シルファの権技をコピーしてるからな。 残念ながらそれが俺の実力だ。そんなわけ でついさっきまで打ち合いしてました。昼 からずっとね。すまん。俺は素直に謝罪し た。しばらく外出はできそうにないな。夫 が開けるな。その前に片付けてから帰ると するか。しかしこは俺がグリモワールと 遊んでいたことで少々散らかっていた。 あらかじめ結界を張ってあったので損傷 などの被害はほとんどないが本棚や長度品 に少々の乱えがある。手伝いましょうかい ?ロイド様それには及ばないさよ。俺が 術式を展開すると散らばっていた本や 魔道具がふわりと浮き上がり元あった場所 へと帰っていく。これは俺の編み上げた オリジナル術式。物体そのものの記憶を たどり力を与えて自ら元あった場所へと 戻すというものである。その効果は物体で あればチ理でも誇りでも全てに有効で俺が 消滅させたグリモワールの本も元通りだ。 ただし外観だけであるがおこりゃすごい 魔術ですな。魔術というほどのものでは ないけどね。でも探し物や片付けなどには 便利だよ。ちなみに魔力を編み込んだもの を術式、それを束ねて特定以上の効果を 発揮させるものを魔術という。このくらい では魔術とは呼ばないのである。ところで グリモはある。お前その姿じゃ目立つよな 。小さくなったり姿を消したりはできない のか?できなくはないっすが。言葉を濁す グリモワール。姿を変える魔術はかなり高 レベルだからな。それに使い勝手の悪さ から使い手を選ぶ魔術だ。使えなくても 仕方ないか。じゃあ俺の身体に住むといい 。右手をかそう。俺が右手を差し出すと グリモワールは信じられないと言った顔に なる。はい、いいんですかい?その方が 目立たないだろ。グリモール戸惑った様子 だったが、俺から顔を背け口元をけさせる 。不ひ、こいつありえねえぜ。使い間を その身に宿すなんてのはよほどの信頼関係 がなければ常に命を狙われる覚悟をせねば ならない。そんなことも知らねえのかよ。 あまちゃん目。腕1本も使わせてくれるん なら本体を殺すのは良い。眠っている時に でもぶち殺して身体を乗ってやるぜ。おい 、何物言ってるんだよ。早く来い。えい。 ただ今拾った三石は鞄に詰め込んでおく。 この鞄には空間系統魔術領域拡大の魔術を かけている。袋や鞄など密閉されたものに しかかけることができないが中の空間を 自由に広げられるというものだ。おかげで この鞄には本来の何十倍もの容量があると 言っても空間系統魔術はこれの他には1つ 2つしか使えないんだけどな。空間系統 魔術は非常に難易度が高く使いてもいない ので分献も少ないのだ。待たせてすま なかったね。早く先に進もうか。鉱石は 興味深いがそれだけに時間を取られている 暇もない。俺はダンジョンを進んでいく。 止まるね、ロベルト魔物よ。いきなりタオ が立ち止まる。猫のような柔らかい動きで 壁の方を向くと一気に距離を詰める。 そして壁に手のひ底を叩き込んだ。一体何 を俺がそう思った瞬間である?ピ埋めき声 をあげ壁が崩れ落ちてきた。見れば壁は泥 のような姿になって溶けていく。なんだ こりゃ。ストーンスライムね。岩に隠れて 冬打ちを仕掛けてくるよ。あのまま進んで いたら危なかったね。ええ、面白いな。 擬退する魔物か。しかもかなり出来が 良かった。タオの攻撃が当たった瞬間でも 全然分からなかったしな。こいつの身体も ちょっと持って帰ろう。何かに使えるかも しれないし。俺は砕けちったストーン スライムの破片をこっそりカに入れた。 それにしてもタオはすごいな。俺には岩に しか見えなかったよ。の使い手は不思議な 力を持つというが、今のがそうなのかい。 ほう。ロベルトは気を知ってるのか。大陸 でそれ知ってる人あまりいないね。勉強家 ね。本を読むのが好きなんだ。実際見るの は初めてだけどね。それとてもいいことよ 。知識は部と同じくらい力になるね。タオ はにっこり笑うとまたダンジョンの奥へと 歩き始める。その後もゴブリンに多く様々 な魔物が出てきたがタオの敵ではなかった 。あんな細い腕なのにとんでもない威力が 出るんだもんな。聞か魔術に行かせるかも しれないな。タオの呼吸法はこんな感じ だっけか。アルベルト兄さん大丈夫ですか ?パズを倒した俺は陸地に戻り倒れていた アルベルトをゆり起こす。すでにパズの 魔力の影響は抜けていたようで、すぐに目 を覚ました。うろ、ロイド、一体何がは、 みんなは無事か?魔人はどうなった? 起き上がり、キョロキョロと辺りを見渡す アルベルト。あ、しまったな。どう説明し たもんか。まさか俺が倒したとは言えない し。落ち着いてください。アルベルト 兄さんへ。エトですね。そう。それも気絶 してて、起きたらみんなが倒れてたんです 。魔人もどこにもいませんでした。慌てて 言いつ作ろうとアルベルトはどこか納得し ていなさそうな顔をした。そうか。すま ない。取り乱したようだ。とりあえず みんなを起こそう。はい。それでもなんと かごまかせたようである。アンドの息を 吐いていると他の者たちも起き上がり始め た。アルベルトは全員の無事を確認し、 頷く。皆、まずは無事で何よりだ。魔人に 襲われたにも関わらず命があったのは奇跡 としか言いようがある前だが魔人との戦闘 中僕は奴の出す黒いモヤを浴びて気を失い 、なぜ奴がいなくなったのか覚えていない のだ。誰か見たものはいるか?アルベルト は全員を見渡すが、誰も声をあげるものは いない。シルファも首を振って返した。 ふう。助かった。どうやら俺の正体はバレ てないようだな。あし見たよ。ぶタオの 言葉に思わず吹き出してしまう。どうかし ましたか?ロイド様。いや、別にシルファ に背中をさせられながら何度も咳込む。 まさか見られた。俺はドキドキしながら タオの言葉に耳を傾ける。倒れた私たちを 助けて魔人を倒したのはロベルトよ。ぶ 思わずもう1度吹き出したロイド様。 ゲホゲほ咳む俺の背中をシルファが心配 そうに何度も撫でた。ロベルトと言うと 以前タオを助けた冒険者だったか。うん。 私が意識を失いかけ、もうだめかと思った その時に殺そうと登場したよ。そして魔人 と退治し、湖の上ですっごい戦いを 繰り広げたね。魔人の攻撃を物ともせず とんでもない魔術を打ち込んであっさりと 勝利したよ。さすがは私と将来を誓い合っ た中ね。どうした?何を戸惑って嫌がるよ 。どうせあと数年で破れる封印だ。てめも 魔術師なら見れば分かるだろう。どうせ 全員ぶっ殺すところを今壊してくれれば命 だけは助けてやろうって言うんだ。悪い話 じゃねえはずだが。グリモールは俺を見て ニヤニヤ笑っている。まさか俺が首を盾に 振ると思っているのだろうか。俺の答えは もちろん決まっている。断るな。驚く グリモワールに言葉を続ける。国を 滅ぼそうとするような悪いやをの話にする わけがないだろう。封印は俺がし直して おくよ。もう1000年くらいは壊れない ようにね。ま、ままままま待ってくれ。俺 が本に触れようとするのをグリモワールは 慌てて止める。悪かったよ。久しぶりに人 と話したからおかしなテンションになっ ちまったんだ。すまねえ。謝る。この鳥だ 。よく考えたら俺様を封じたのは何百年も 前の人間だもんな。この国の人間たちに 恨みはねえ。もちろん殺すわけがねえ。 心妙な顔で言うグリモワールを俺はと 見つめる 本当に?ああ、だからよ。封印は解いて くれればお前さんの願いは何でも叶えて やるぜ。そうだ。ロイド、お前さんを 大金持ちにしてやるよ。俺は黄金を 生み出せるんだ。そう言ってグリモワール が手を開くとそこから金の粒が溢れ出す。 ええ、生成系統の魔術か。どうだい? ロイドが欲しいだけでもくれてやるぜ。俺 は金の粒を積み上げるとふむと頷き指で 潰した。これが不魔術か。なかなか面白い 。もっと試したいところだがまずい液が ないんだよな。ないなら作ってみるか。 そんなことができるんですかい。原料の 段階まで分解すれば配合材料と比率が 分かる。それを組み合わせれば再現できる はずだというわけで余ったまずい液を小便 に入れ度上昇を発動させる。ただし今度は 強化の術式を編み込んでだ。こうすること で原料にまで戻すことが可能。をかけて しばらくまずい液の色が黄色く変わり 始める。さらに液体の中から様々な決晶が 集まりそこに溜まっていく。よし、分解 完了。ええ、こいつがまずい液の原料って わけですか?そういうこと。液体部分は ただの油だな。油は魔術とも金属ともに 相性が良い。だからある程度想定していた 中の決勝は主に銀貨下兵で代用できそうだ 。こっちの赤い粒は赤まコナだな。赤まは 強力な魔物の心臓部にある核をすりつぶし てできた粉。魔力を非常によく通し、液体 とも混ざりやすいので様々な素材に用い られるのだ。そしてこの赤ダンジョンの角 と並べてみると非常によく似ている。 やはりダンジョンというのは俺の予想通り 魔物の一種なのだろう。つまり手に入れた ダンジョンの角をすりつせば使えるな。 こっちの材料もクリアだ。ってことはここ にあるものでまずい液はできそうだな。 おお、すげえぜロイド様。構想が分かれば やってやれないことはないはずだ。よし、 明日材料集めて調合してみるか。ん、 しばらくじっと見てみると、剣の真ん中に 細い日が入った。ピシピシとひび割れる ような音が鳴り、剣は真2つに折れて しまった。ありゃ、なんでだ?鉄よりは鋼 の方が硬いはずなのに、なぜ同じ不術を かけて壊したのだろう。首をかしげている とグリモが口を開く。まずいが新品だった から不与魔術の効果を従に伝えちまったの かもしれませんね。ロイド様の魔力は半端 じゃねえですから、ただの鋼じゃ耐えられ ねえですよ。あのまずい駅は劣化して たってことか。しかしそんなことよく知っ てたね。エーマー家事については足しも それなりの知識がありぜ。カジグリモール といや甘貝じゃちょっとは長売れてまして ね。えへ。得意に笑うグリもどうやら かなり家事としての知識があるらしい。 これなら不魔術の助けになるか。 ありがとう。グリモを使い間にしてよかっ たよ。古代魔術は古臭いだけでいまい使え なかったが家事師としての知恵は助かる。 俺自身魔術以外にはそこまで詳しくないし な。うんうんと頷いているとグリモは ポカンと口を開けていた。ん?どうかした のかい?いえ、何でもありませんぜ。 あっけに取られたようなグリモだったが、 小声で何かブツブツとつぶやき始める。 こいつ魔人である俺様を使い間にできて よかっただとけ。いい気になっているのも 今のうちだぜ。だがなぜだ。不思議と気分 は悪い気分じゃねえだと。あ、くそ。調子 が狂うぜ。なんだかわからんが上緒不安定 はいつものことか。それより不術の続きに 取りかかるとするか。結局色踊りじめした が鋼の剣は強度増加を二重が限度だった。 他の武器も似たようなもので普通の武器に はあまり何枚もの強化術式をかけるのは 難しいらしい。ちなみに3割くらいは失敗 してへしおった。てへ残るはこれだな。 最後に残ったのは赤い等身の探検である。 さやには綺麗な装飾がされており股また 同様の紋用が刻まれている。術式が元から 組み込まれているのか。こいつは魔剣です な。ああ、おそらくアルベルト兄さんの だろう。鋼の剣ばかりじゃ飽きると思って 俺の練習ようにおまけで入れてくれたのか な。ちなみに魔剣というのは付与した武器 と違い剣を鍛える段階から術式を組み込ん だものである。鉄を叩きながら術式を編み 折り曲げてまた術式を編む。それを何度も 繰り返すことにより通常の付与とは比べ物 にならないほどの術式を編み込んでいる。 じゃあ行くとするか。アルベルトについて 城の裏側にある広場に向かう。入り口を 管理している兵に挨拶をして中に入ると 一面の芝フが広がっていた。ここが射撃場 。簡単に言えば魔術のまと当てができる 場所だ。大掛かりな魔術の実験をする場と しても使われるため危ないので子供の俺は 1人では入れないのだ。はあ。いつ来ても 広いですね。城の魔術師たちも的を狙って 炎や水の魔力級を飛ばしている。魔術を 使用する感覚は人によって異なる。例えば 同じ火球を放つ場合でも全身から集めた 魔力をいつに集めて放つ流れのスムーズさ 、速さなど連度は1人1人異なる。それを 見ているだけでも結構楽しいのだ。魔術師 たちに興味心々な俺を見てアルベルトは 微笑む。母はロイドは本当に魔術が好きだ な。ええ、大好きです。そう、素直に喜ん でくれると連れてきた会があるというもの だよ。さて、それじゃあ僕たちもやるかい 。はい。アルベルトは頷くと兵士たちに 命じて敵を用意させる。100mほど離れ た場所に1から9までの数字が刻まれた 代償様々な敵が並んだ。人のを見るのも 楽しいがもちろん自分でやるのが1番だ。 中踊り地で大っぴらに魔術を使う機会は ないからな。そうこうしているうちに敵の 配置は終わったようだ。ではロイドから やるといい。分かりました。敵当ては説明 するまでもないような簡単な競技だ。先手 とご手に分れて10回ずつ魔術級を放ち、 大きな数字の書かれた的を多く倒した方が 勝ち。それだけである。もちろん数字の 大きな的ほどサイズが小さく当てにくく なっている。的を前にして俺は魔力を指先 に集めて火球を作り出した。もちろんただ のではない。現在研究中である回転運動を 取り入れた改造魔術だ。魔術を構成する 術式を持てり、魔力級の核に回転力を持た せることでただまっすぐ飛ばすだけでなく 様々な方向への変化が可能となる。 もちろんそんなことをしなくても普通に 動きを制御して中央無人に動かすことも 可能だが、そんなことをして当てても 面白くない。せっかく実験できる機会なの だから色踊りじてみたいもんな。さらに タオは流れるように肘打ちを放つ。そこ から左鍵つき利剣手刀な回し蹴り。それら は全て最初の一撃と寸分違わぬ場所へ 打ち込まれていく。覇は止まらない。 そして日々はさらに大きく深くなっていく 。こんなところではない。あの頃から 毎日毎日短を続けてきたね。雨の日も雪の 日も休まず毎日彼氏も作らずよ。そんな 努力を積み重ねてきた私がこんなところで 彼氏も作らず死ねるか。1泊置いての 飛び膝ゲり、魔力消壁が砕け散ちり、ぽっ と穴が開いた。あ、でもまずいな。好き だらけだぞ。しかもリッチもぼっとしてい たわけではない。カタカタとリッチの ラングが揺れる。魔術の影少だ。黒い先行 が他を包む。島どんと爆発が巻き起こる。 吹き飛ばされたタオが地面に落ち、何度か 転がった。ぐったりしている。やばそうだ 。タオ。凍手てより抱き起こす。タオは 苦しげな表情で顔をあげ、目を開く。う、 なぜ戻ってきたね。実は逃げてなどおらず 近くで感染していたとはとても言えず口を つむ。もしかして私のためにもうバカある な。でもいいよ。ロベルトみたいな イケメンと一緒に死ねるなら本もある。 そう言って俺から顔を背ける。ておいおい 、もう諦めるのか。もうダメある。身体 動かないよ。それに動いたとしてもピッチ 相手に勝てるわけがないね。何言ってるん だよ。俺の言葉に被せるように黒い先行が 辺りを包む。背を向けていた俺たちに が魔術を放ってきたのだ。ぎゅっと 目をつるタオ。直後衝撃派が俺たちを襲う ことはなかった。俺の張っていた魔力消壁 がリッチの魔術を防いだのだ。壊る壊る目 を開けたタオは不思議そうに目をパチクり している。俺は立ち上がるとを まっすぐに見据えにやりと笑った。ここ からが楽しいんじゃないか。あれから1 週間が経った。基本的には俺の日々は ほとんど変わらず好きなことをやっていた 。少し変わった点といえばアルベルトが 頻繁に魔術の練習上へ誘ってくれるように なり、シルファの堅術ごっこの頻度とその レベルが上がったくらいだろうか。 アルベルト様、今からロイド様は堅実の 稽古をなさるのです。それは先日もやった だろう。今日は魔術の練習をするのだよ。 何をおっしゃいます?現術です。いいや 魔術だね。2人は火バを散らし睨み合って いる。ただ時踊りじれを取り合っているの を見るので気が重い。しかもチャールズも 最近何かと俺を呼び出して近況を聞こうと するし、風の噂ではタオもロベルトについ て聞き回っているそうだ。モテモテっすな 。ロイド様グエー。この調子で周りの評価 が上がれば俺が身体を乗った時にうまい 思いができるぜ。おんグリモがニヤニヤ 笑い白が元気よく吠える。全く騒がしい ことだ。俺はただ魔術を極めたいだけなん だけどな。この世界には未だ俺の見たこと のない魔術が存在する。それを全部見たい 。覚えたい。モて遊りたい。俺はまだ身ぬ 魔術の新を望み真っさな空を見上げた。 魔術師として大切なものはまずは家柄、次 に才能、そして最後に努力である。最後と いうのは言葉通り努力を努力として 受け止めるものにとってであり、楽しんで それを積み重ねられるものにとっては最後 ではなく最大の力となりる。え、それら 全て持つものがいたらって、あは、それは ぞっとしない話だね。少なくとも私は戦い たくはないな。なんてあの野郎は言って たっけか。グリモがボソりとつく。どうか したかグリモ。いいえ。何でも。あ、 じゃんけんはシルファの姉子が勝ったよう ですぜ。見ればいつの間にか2人は じゃんけをしていたようで勝利した シルファがかけてくるのが見える。ロイド 様嬉しそうに僕を手に手を振ってくる シルファ。俺はため息を吐きながら中庭へ と向かうのだった。だろだよな。そりゃ あそうさ、魔術師にとって未知の魔術は喉 から手が出るほどのもんだからな。ああ、 本当に教えてくれるのか。当然だ。だから よ、ロイド、この意味踊りしい封印を解い てくれ。そうだな。俺は本に手を触れを 開いた。すでに封印が呼びかけていたこと もあり、あっさりと開いた本はパラパラと すごい勢いでまくれ始める。その橋から ページは炭のように黒くボロボロになって いく。本の破片が中を待っていた。そこへ 風が吹き全てを消滅させてしまう。封印は 完全に溶けた。くぐっ たような声が部屋に響く。くわは。ありえ ねえぜ、こいつはよ。マジで封印を解き やがった。黒いモヤは一家に集まっていき 、より人らしい形を作り出していく。青い 肌に額体に生えた2本の角。大盛のような 翼に竜のような屈境な上半身ヤギのような 下半身人ならざる姿は魔人と呼ぶに ふさわしい。こいつはいい気分だ。歌でも 歌っちまいそうだぜ。自由だ。俺は自由に なったんだ。ひは。嬉ししそうに大笑い するグリモワールに俺は声をかける。 そいつは良かったな。で、そろそろいいか ?うん。ああ、古代魔術のことを教えて 欲しいんだったか。グリモワールはにやり と笑うと右手に魔力を集め始めた。おお、 すごい魔力だ。魔力量だけなら人間と 比べ物にならないぞ。さすがは魔人といっ たところか。関心しているとグリモワール は右手を俺の方へ向けてきた。途端視界が 黒く染まる。ドーン と大爆発が巻き起こり、もうもう土煙が 上がった。これが黒線方だ。どうだい? なかなかの威力だろう。まあ、聞こえて いるかは分からねえがよ。くっくっという 笑い声。もちろんちゃんと聞こえている。 風を生み出し、舞い上がった土煙を 吹き飛ばす。俺の姿を見たグリモワールは 驚愕の表情を浮かべていたな。うん。 なかなか面白い魔術だ。それが古代魔術な んだね。変わった術式だ。現代では使わ ないような魔力の流れ、構成、整形の仕方 、発動方法も独特だ。とても興味深い。 もう少し見せてもらえるかい?俺が声を かけるとグリモワールはなぜか息を飲んだ 。王族たるもの女性からそういう視線を 向けられることは少なくない。周り体に 言えばモるということだがあまり彼女たち を甘く見るなよ。女性が僕たちを見る目は とてもシビアだ。あまりだらしなくして いると霊水をぶっかけられちまうぞ。は わあ。すごく真面目な顔で何を言っている んだろう、この人は。もしかして アルベルトは女性関係でひどい目にでも 会っているのだろうか。アルベルト様。 うわ。いきなり後ろから声をかけられ、 アルベルトはビクっと肩を振わせる。 振り向くと満面の笑を浮かべるシルファが いた。シルファは笑顔のまま手にしたTを 差し出した。驚かせて失礼いたしました。 お茶が入りましたよ。あ、ありがとう。 シルファから茶をついでもらった アルベルトはTカップをズずズっとすする 。そしてぶっ吹き出しそうになり、なんと か耐えた。暑かったのか渋かったのか、 はたまた両方か。アルベルトはゲホゲほと 咳込んでいる。アルベルト様と言えど、 あまりロイド様に余計な知識を与えませぬ ようお願いします。 ああ、もちろんだともそれを聞いて安心 いたしました。ではごゆっくり。シルファ はにっこり笑うと俺たちに背を向け去って いったな。怖いだろ。そう言って アルベルトは苦傷する。いや、どう考えて も自業自得だろう。扉を開けると部屋の中 から異様な空気が漂ってくる。様々な色、 恩、匂いの魔力の本流。これはすごいな。 広域殲滅や生命生成、空間転移の魔所 なんてのもある。こりゃすごいな。まさに お宝の山だ。だが特に気になるのは奥から 発せられる気配。一言で言えば甘くかしい 花のような香りに紛れ、わざわい 踊りじしい何かが手招きをしているような 感覚だろうか。おそらくこれがアルベルト の言っていた金書だ。さてどうしたものか なんて考えているうちに俺の足は禁種の 気配いつの間にか部屋の奥へと進んでいく 。おお、これは制御系統の魔術か。かなり 強制力が強いな。匂いを嗅がせることで 相手の行動力を制限するタイプの術式を 編み込んでいるのか。おそらく霊の魔人が 使っているのだろう。何も知らないものが この部屋に入ったらフラフラと吸い寄せ られるように金所の封印を解いてしまう だろうな。厳重な結界がされているのも 頷ける。もちろん俺はそうはならない。 制御系透魔術への対策は簡単だ。身体の コントロールを取られても落ち着いて こちらから上書きすれば解除できるという わけで自身に制御系統魔術をかけると身体 が自由になった。自由になった身体で 改めてショ庫の奥へ足を踏み入れる。おい おいおいおいてるのか?てめえはよ。重く 響くような声が聞こえた。見れば部屋の 採用真っ黒な本の上にモヤのようなものが ある。それは人のような形をしており、 赤い瞳がランと輝き俺を見つめていた。俺 の支配を逃えてなお逃げずに向かってくる とはな。よほどの夕敢かただのバカか。夫 名乗り忘れたな。俺様は魔人グリモール。 よろしくな。黒いもや魔ジングリモワール は俺を見て容気に笑う。ええ、驚いた。君 は本に封じられているんじゃないのかい。 くくく長い年月が経ち、封印が誇び始めて いるんだよ。だから身体の1部分だけは外 に出れるのさ。見れば確かにグリモワール が尻に敷いている本はボロボロだ。本に 編み込まれた封印はボロボロでいつ効果を 失ってもおかしくない。なあ坊ーズの名は 何という?ロイドふむナーロイド俺様は あと数年もすれば封印を破り完全な形で 復活し外に出る。そうしたらこの国を 滅ぼし尽くすつもりだ。この国の魔術師 どもに封じられたわけだからな。 俺にはそれをやる資格がある。だがロイド 、今から俺様の言うことを聞いてくれる なら、てめえの命だけは助けてやっても いい。そう言ってグリモワールは口元を 歪めると指で本を差し示した。こいつの 封印を破壊してくれねえかい?うん。遠く からではよくわからないな。だが単独行動 はできないし機会があれば行ってみるか。 アルベルト様湖が見えてきました。先行し ていたこの絵が声をあげる。目を凝らせば 木々の隙間から面が太陽の光に反射して キラキラ光るのが見えた。よし、ここらで 休憩するとしよう。アルベルトの号例で俺 たちは湖近に陣を取りしばし身体を休める ことにした。ふう。馬ってちょっと疲れる んだよな。走ったり飛んだりした方が圧倒 的に早いし楽だ。俺が石に座って身体を 休めているとシルファがお湯の立つT カップを差し出してきた。どうぞロイド様 ありがとう。ふーふーと息を吹きかけて 覚ましちびっと飲む。若もし爽やかな香り が疲れた身体に染み渡るようだ。ふう。 シルファの入れるお茶は相変わらず 美味しいね。お褒めに預かり光栄です。 うやうやしく霊をして下がるシルファ。 この絵たちは半分はテントを設営し、もう 半分は弓矢を手に夕食用の獣を仮に赴いて いた。隣言いかい?もちろんです。指示を 出し終えたアルベルトが俺の横に腰を 下ろした。シルファ僕にも紅茶をくれ。は 、ただいま用意いたします。アルベルトは シルファにそう命じるとこっそりと俺に顔 を近づける。ロイド、なかなかやるじゃ ないか。え、な、何のことですか? とぼけるなよ。あのタオって子さ、お前の ことが気になっていたようだったぞ。はあ 。い、一体何を言い出すんですか? アルベルトの言葉にお茶を吹き出して しまう。は照れなくていいとも。愛する弟 が女性に行為を寄せられているのを見るの は僕は嬉しいよ。いやいや、ありえない でしょう。俺はまだ子供ですよ。いいや、 あり得るさ。少なくともただの子供を見る 目ではなかったな。もちろん今すぐ どうこうというつもりはないだろうが、 将来的にはて感じの目だったぞ。気づいて ないかもしれないが、最近シルファが ロイドを見る目も少し変わってきているん だぜ。シルファやタオが俺に行為を持って いるだとありえなさすぎるだろう。 いきなり何を言い出すんだ全く。俺の 冷たい視線を意にも返さず、アルベルトは うんうんと頷いている。方向を上げながら 突っ込んでくるベアウルフ。この絵たちは 剣を構え迎え打つかだめ。レアウルフは 斬撃を物ともせずこの絵たちを吹き飛ばし た。その勢いのままこちらへと向かって くる。お2人ともお下がりください。 シルファがスカートをひ返し、俺たちの前 に立つ。しらりと見えたスカートの裏側 からは無数の投げナイフが見えた。それを 目にも止まらぬ速さで抜き放ちベアウルフ に到的する。1本は額、2本は固め、もう 1本は大きく開けた口の中へと命中した。 うご 演球 苦しみ破れるベアウルフにアルベルトが 巨大な炎の塊を放つ。鈴と炎がベアウルフ に命中し、体毛を焼き尽くしていく。 しばらく暴れ回っていたが、魔術の炎は 消えず、そのうち力つきてしまった。があ 。 ベアウルフは埋めき声をあげ倒れふした。動かなくなったベアウルフを見てこの絵が完成をあげる。うお。 さすがはルベルト様だ。素晴らしい魔術でございました。あっという間にアルベルトはこの絵に取り囲まれてしまう。胴上げでもしそうな勢いだけ。あれはイド様の魔剣のおかげですぜ。 奴自身の力じゃねえ。ドイツもこいつも 見る目がねえっすな。グリモがそれを見て 毒づいている。なんだか苛立っている様子 だ。何を起こってるんだ?そりゃ怒り やすいぜ。評価されるべきはロイド用なの になんであいつが言いかけてグリモは口を つむな。何を言ってんだ俺様は。こいつが みんなに評価されたら後で利用しにくく なるじゃねえか。むしろ高都合のはずなの に。クそわけが分からねえだが。なんだ この苛立ちは。そしてまたいつものように ブツブツ言い始めた。相変わらずよく わからんやだ。ロイド、この絵たちの中 からアルベルトが声を張り上げた。お前が 付与してくれた魔剣のおかげだぞ。そう 言ってブンブンと手を振ってくる。俺は 愛そ笑いをしながら同じようにして返した 。とりあえず付与した魔剣はうまく作用し ているようだな。うんうん。燃える炎、前 を取る炎、振り注ぐ炎。等しく全てを 滅ぼす炎よ。来たれ、来たれ、来たれ。 アルベルトが影承を開始する。あれは非と も神魔術小熱炎の影だな。 各かアルベルトは上位魔術まで使えなかっ たはずだが、いつの間に身につけたの だろうか。ただ呪文束場を使っての高速 影象まではできないのか。通常の影である 。呪文が紡がれる度アルベルトの周囲に 魔法陣が生まれていく。美しい葉が鮮やか に浮かんでは消えていく。呪文族だとそう いうのも全て省略されるからちょっと味け ないんだよな。とはいえ振るだとかなり 長かった記憶がある。影完了までのその間 タオとシルファがパズを抑え込むという手 はずなのだろう。はあ。いやあ、2人の 攻撃はまともに通ってない。いや、多少の 傷は与えているのだがすぐに言えてしまっ ている。どうやら半分精神体である魔人に は物理的なダメージは通りにくいようだ。 ロイド様、いくら最上今魔術だろうが、 魔人であるやには聞きませんぜ。そういや 、以前にそんなこと言ってたな。その割に すぐ参ってたけど、そりゃあんなもん 食らったらね、結局どっちなんだよと内心 突っ込む。まあいいや。それよりグリモは 魔力の性質変化って得意な方か。ってまだ その話続いてタスカイ。まだとはなんだ? まだとは。最優先事項だろうが。わあ、 そりゃ魔人は魔力の性質変化は得意すから ね。やり方くらいは分かりやすがさすがに あの人たちを放置して教えるのはまずいん じゃないっすかね。グリモが戦闘中の アルベルトラに視線を送る。大丈夫だよ。 少し前から血魔術をかけているからな。 向こうが回復するならこっちもだ。みんな には全国魔力国印を飛ばしてつけておいた のだ。これは魔術を自動で当てる マーキングのようなもので1度つけておけ ばわざわざ狙い直す必要もなく魔術の対象 とできる時なんで分かるんだ されたような口ごもる俺を見てアルベルト はおかしそうに笑う。はっは。ロイドは 可愛いな。いいよ。話してご覧。 お兄ちゃんが聞いてあげよう。ありがとう ございます。えっと、そのですね、実は 最近不魔術を勉強中でして、試してみたい から大量の武器が欲しいのです。よかっ たらアルベルト兄さんのこの絵たちの武器 を貸してもらえませんか?アルベルトの ような上位王子にはこの踊り10数人の この絵がいる。当然テレン彼らであれば 数本の権所持しているだろう。踊り訓練を 行っているだろうから使用感も聞きやすい しアルベルトのこの絵だから話も漏れ にくい。不魔術か。かなり使い手が少ない 魔術らしいがそんなものを使えるように なるとはさすが勉強家だな。まだ始めた ばかりです。失敗するかもしれませんし、 あまり効果ではない武器で構わないのです が。ふむ。なるほど。実験材料が欲しいと いうわけだね。 ウインクをするアルベルトに頷いて返す。 察しが早くて助かります。母はロイドの 考えてることは全て分かるよ。魔術不要し た件はこの絵たちも欲しがっていたからね 。ある程度なら武器を無駄にしても文句は 言うまい。分かった。話をつけてこよう。 ありがとうございます。アルベルトに霊を 言い、俺はその場を鳩にするのだった。 行け。 放たれた火球が高速回転しながら1番 高得点の9番の的を狙って飛んでいく。 ちなみにこいつは強烈な横回転をかけて いる。やや左に曲がって当たるはずだ。 火球は俺の予定通り飛んでいきの縁りを かめた。倒れなかったためこれは得典には ならない。だがこれでいい。敵の真ん中に 当ててあまり注目されても困るから、 あえてギリギリ当たっても倒れない ポイントを狙ったのだ。この回転数、角度 、射室速度で打てば命中するのは計算通り だが、実際やってみると案外思った通りに は飛ばないものだからな。実験は大事だ。 惜しかったね、ロイド。では僕の番だ。 今度は俺に変わってアルベルトが的の前に 立つ。そして集中し、手元に生み出した 火球を放った。俺のより回りは大きな火球 か真っすぐに飛んでいき、俺が倒し損ねた 的の中央に命中した。お見事です。 アルベルト兄さん、ありがとう。さあ、次 はロイドだよ。今度は俺が的の前に立つ。 次は下から上に競り上がっていくように 回転を加えて火球を放つ。球は俺の思った 通りの曲線を描き、的の上部をかめた。次 もその次も火球は俺の思い通りの奇跡を 描き狙い通りの箇所にあたる。ふむふむ。 魔力級に回転力を加えて変化させるのは 悪くないな。普通にコントロールして 曲げるよりも圧倒的に魔力を使わずに住む し、速度も比較にならない。実験成功と いったところか。そんなことを考えている と、遠くからひそひそ声が聞こえてきた。 アルベルト様はさすがだな。見事に全て 命中させておられる。それに比べてロイド 様はやはり子供だ。高徳点の的ばかり狙っ て外しておられる。自分にあったのを狙え ば良いのに。俺たちを見ていた魔術師の 言葉だ。よしよし。うまくごまかせている ようである。やれやれ。お前たち見てて わからないのか?するといきなり アルベルトが魔術師たちに声をかけた。う 、まさか俺のやっていることに気づいたの か?ドキドキしながら聞き耳を立てる。 かすっているだけとはいえ、ロイドが放っ た魔術は全て的に命中している。しかも 1番小さな区間にな。それにわずかだが 火球が敵に向かって動いていた。おそらく 制御系統魔術の才能があるのだろう。おお 。そ、そうだったのですか?それは気づき ません。全く不穴だな。お前たちはふう。 どうやら完全にバレているわけではない ようである。ちなみに制御系統魔術は7歳 の頃に極めた。俺がよくその手の本を読ん でいたからそう勘違いしてくれたのだろう 。ロイドは魔術の才能がある。小さな頃 から才能を伸ばしていけばゆくゆくは大魔 術師や賢者も夢ではあるまい。今のうちに こうして仲良くしておけば僕が大いに着く 頃にはきっと大きな力になってくれる だろう。アルベルトは微笑みを浮かべ ながら小声で何か言っている。よく聞こえ ないが。ま、いいか。俺には関係なさそう だしね。 俺様の黒戦法を受けて向きずだと。ああ、 魔力消壁くらいから気にしなくていいよ。 じゃんじゃん見せてくれ。驚く グリモワールに言葉を返す。やはり攻撃 魔術は実際に受けてみないと分からない ことも多いからな。うんうん。クリモール もそれを理解しているからいきなり俺 目がけて放ってきたのだろう。少し びっくりしたが、よく考えたら俺は常に 魔力消壁を複数待機発動させており、ある 程度以上の衝撃には自動で展開する要制御 してある。そこまで察していたのだろう。 さすがは魔人。よく分かっているな。 グッジョブだぞ、グリモワール。ぐふざけ やがって。こいつは俺が5年も修行して身 につけた魔術だぞ。たがグリモワールは なぜか拳を振わせをしている。一体どうし たのだろうか。なあ、グリモワール何をし てるんだい?早く次を頼むよ。俺が忙すと グリモワールは髪をぐしゃぐしャと かきむった。そして肉踊りじしげに俺を 睨みつけてくる。俺何かした?しくそ。 いいぜ。そこまで言うなら見せてやる。俺 様の最強の魔術をなあ。グリモワールは声 を荒らげると広げた右手を俺の前にかざし てきた。見れば手のひには1本の線が入っ ておりグねぐねとうめいている。そして線 が開いた。中から出てきたのは赤い下と 鋭い歯つまり口である。20A賞。そう つくとグリモワールは2つの口で同時に 違う魔術の影を始めた。お、魔人というの はあんなこともできるのか。塗りつぶせ、 黒く黒く黒く貫きえぐれ我が。ワクワクし ながら影承完了を待っているとグリモール の身体が暗く光り始める。くばりやがれ。 螺旋クロ戦法5と吹き荒れる魔力の本流。 その圧に押され俺の身体がほんの少し後ろ へ流された。放たれた二重の黒い魔力並が 螺線を描きお礼と迫る。町からは俺の自動 展開した魔力衝壁と激突し凄まじい衝撃を 発した。ぐグ 貫きやがれ。グリモワールは何かすごく 利きんでいる。それにより少しずつ出力が 上がっているように思える。もちろん俺の 魔力消壁には傷1つ入らないが気合いで 威力が上がるってのは面白い。それにして も螺線なんとかだっけか。わざわざ螺線を 描く要制御しているのか。何か意味がある のかな?ただの魔力並みにしか見えないが うん。魔力消壁越しじゃ分かりにくい。 直接触れてみよう。俺は魔力消壁から指を 出し魔力並にそっと触れてみた。 と爆ゼる音がして衝撃波が吹き荒れる。 イント車を使って白を抜け出た俺は同じく 風景術である秘匠にて町から遠く離れた 荒野へとたどり着いた。見渡す限りの荒野 周りには町も人もいない。うん。ここなら 思う存分魔術の実験ができそうだ。おっと 、その前にグリモに連絡を入れておくか。 米かに指を当て、目を閉じて念じる。 グリモ、聞こえるか?え、ロイド様聞こえ ますぜ。今は図書館で本を読んでいやす。 何人かとすれ違いやしたが、特に気にした ものはいなさそうっす。そうか。シルファ が来たらその時は教えてくれ。勝手でさ、 とりあえずたらグリモの方は問題はなさ そうである。これならしばらくは実験に 専念できそうだ。そういえば思いっきり 魔術を使うなんて初めてかもしれないな。 生まれた時に火球で部屋を破壊して以来 危険すぎるので攻撃魔術の仕様は控えてた のである。魔術書で理論だけ習得し結界を 張って加減して打ってみるのが精一杯。 思いきり魔術を打ったらどうなるか怖い ような楽しみなような戦踊り地強とし ながら俺は手のひから口を生み出すと 20重を開始する。呪文にて影するのは 家計トマ術モ神 小炎牙と土計トマ術モ神魔術新内岩牙栄症 と共に魔力が集まっていきそうになった それを解き放つん 閉じきがなり地面が大きく流気したそれと 共に炎が吹き上がるただの岩ではなく 真っ赤に焼けただれた溶岩の塊だ。あち、 ちょっと話すか。座標を前方に向けさせる と、溶岩は倒れながら荒野を焼いていく。 そこに触れた岩山が銃と白い煙を上げて 解け、溶岩団が地面に落ちて火柱を上げた 。これは思ったよりやばい威力だな。前方 200m司方が原になっちまった。上位 魔術でも効果範囲は10m四方もない くらいなのだが、これが20章の威力か。 しかし1土の20重賞で溶岩かイメージ 通りだな。この調子なら他の組み合わせも 多分ともかくもっといろんな組み合わせを 試してみよう。俺は二重魔術を気が済むと まで試し打ちした。それでよというのは 何かしら。はい。つい最近魔獣を買い始め たので飼育法け方など色々聞きたいなと 思いまして紹介しますね。白です。オン 背中を撫でると白が吠える。それを見て アリーゼは目をキラキラさせた。あらあら まあまあ可愛い子ね。しろちゃん焼けに 丸くて小さいけれどベアウルフかしら? 当たりです。北の森にアルベルト兄さんと 魔術狩りに行った時に懐かれました。それ にしてもよくわかりましたね。本来の姿と は大きく違うはずですが。うふふ。なんと なくそんな感じがしたのよ。なんとなくね 。やはりなと思いながら俺は目を細める。 以前俺が魔力の波長を感知して生物の 同一個体を識別したようにアリーゼもまた 無意識に似たようなことをしたのだろう。 魔力ってのが関係してるのよね。よく わからないけれど。はい。それで聞きたい のですな。ネロイドこんなところで立ち話 もなんだし中で話さない。美味しいお茶を 出すわよ。あ、そうですね。つい話し込ん でしまった。中に入ればアリーゼの魔獣も いるだろうし、それを見ながらの方が話し やすいか。というわけで、俺はアリーゼに 案内され、塔の中へと足を踏み入れる。中 は大広間となっており、塔の外壁に螺線 階段と小部屋がいくつかある以外は完全に 吹き抜けとなっていた。地面には柴け、池 、草む、さらに木々まで生えており、 まさに自然のままといった感じだ。それを 見たグリモが簡単をあげる。わあわあさ。 さすがに疲れてきたな。もう何十回気候団 を打っただろうか。魔術ならともかく木に 関しては初心者だ。呼吸にも気を使うし、 精神的疲労が溜まっていた。でも大分慣れ てきたぞ。最初の時と比べると明らかに気 を寝る速度が上がっている。速度だけでは ない。飛距離も威力もやればやるほど上達 を感じられてすごく楽しい。魔獣たちとの 戦いもいい感じでき行してるし、この戦い もっと長引かないかな。そんなことを考え ていると、隣にいたアルベルトが息を 荒らげているのに気づく。魔獣どもの数が 一向に減らない。この絵たちもシルファも 顔には出さないが動きがかなり鈍くなって いる。それにロイドもかなり息が上がって いるな。あの年齢であれだけの魔術を使っ ているのだ。無理もないかなんて人のこと を気にしている余裕はないな。僕の方も そろそろきつくなってきた。だが兄として 情けない姿を見せるわけにはいかない。 笑え笑うんだアルベルト。こういう時こそ 不に何かブツブツ言いながらアルベルトは 口元に笑を浮かべている。おっさすが アルベルト。まだまだ余裕ありそうだな。 どいぞ 。はい。まだまだいくらでも行けますよ。 いい子だ。さて、ここからが踏ん張り どころだぞ。魔剣を振い演球を放つ アルベルト。本来ならモートックに魔力 キれを起こしていてもおかしくはないはず なのにあんな顔をしているということは 魔剣により威力が上がっているのが嬉しい んだろう。やはり攻撃魔術は威力という 分かりやすい指標があるからやる気が維持 しやすいもんな。うんうん。俺も負けて られない。何か特別な要素。例えば スケットでも来なければき行状態は続く だろうし、その間はずっと木の練習をして ほったと考えていると規制と共に小柄な 一影タオが飛び込んでくる。飛び蹴り一戦 。それを食らったベアウルフは湖にまで 吹っ飛んでいった。くるりと空中で回転し 着地したタオはビシッとポーズを決めた。 ロイドディサルームただいま参りました。 ある日俺は呼ばれて玉座の間へと赴いた。 呼び出し主はサルームの王であり、我が父 であるチャールズディサルーム。玉座に 座った大柄の老人チャールズは満面の笑ミ で俺を迎える。お、よくぞ。まったロイド よ。久しぶりだな。3年ぶりくらい可能は 7歳の誕生日ぶりでございます。7歳まで に病気や怪我で亡くなる子供は多いため、 その誕生日は特別な意味を持つのだ。その 時ばかりは忙しいチャールズも俺のために 会いに来てくれた。まあ、その時もらった 言葉がお前は年の離れた七尾だから王族 争いには関係ない。清わずに好きなことを やりなさいというものだったのだが、 やはり国王だけあって色々と忙しいの だろう。たまに廊下を歩くのを遠めに見る くらいだ。なのに今されに何のようだろう 緊張するな。頭を下げたままの俺に チャールズはつまらなさそうに言う。ふむ 。そういえばお前は前に会った時もそうで あったな。また苦しいというか、子供 らしくないというか、久しぶりに会った 父親に抱きついてきてもいいのじゃぞ。お は群れ。とてもそのような真似はできませ ん。ふむ。まあ良い。それだけ礼儀作法を 学んでいる証だろうからな。これ少し違う よれ。は、とりあえず機嫌は悪くなさそう だし怒られる雰囲気ではないか。俺は 立ち上がり言われるがママに行く。 シャールズは俺の顔をじっと見つめ ゆっくりと頷いた。ほう。いい顔つきに なったではないか。ありがとうございます 。シルファやアルベルトに聞いたぞ。堅術 に魔術にとかなり頑張っているようじゃ ないか。いえ、恐縮です。シャールズの 言葉に俺は慌てて頭を下げた。それは人の 骸骨な黒いボロボロのフードを被り、魔術 師のような格好をしている。あ、あれは リッチある。おお、リッチと言うとかなり 高レベルの魔物じゃなかったか。タオは 無言で頷く。魔物図鑑によるとリッチとは 魔術を使うアンデッド系の魔物らしい。 タオが気を感じ取れなかったのはそれが 原因だろう。俺は魔力で感じ取ったから 気づいただけだ。先国から感じていた妙な 魔力こいつだったのか。かなり高レベルで 注意すべき魔物の一種だとか抱えていた気 がする。だがそんな魔物がなぜこんな ところにおそらくあのリッチはぐれね。 それがここに迷いついてねじろにしたよ。 最悪。タオは肉踊り自しげにつく。はぐれ とは理由あってもいたダンジョンを出た 魔物のことだ。ダンジョン消滅はたまた 自らの意思家ともあれそういった魔物は 地上で生活したりまた他のダンジョンに 潜ったりする。だがここまでレベル差が ある魔物がいることは滅たにないらしく 遭遇した場合はパーティー全滅の危機だと かここは私に任せて逃げるね。私の身の こなしなら奴の魔術もある程度買わせる。 ロベルトが逃げる時間くらいは稼げるはず よ。タオはどうするつもりだ?心配無用。 私はな何とかして逃げるね。だから早く。 言が早いかタオはリッチに向かって 駆け出す。おそうだ。逃げたふりして感染 しよう。俺は物影に隠れ戦いの様子を 見守ることにした。黒い歯を避けながら 気候団を放つ。ただリッチは魔力消壁を 展開しそれを防ぐし下打ちをしながらも タオは魔力消壁へと突っ込んでいく。呼吸 は深く踏み込む足で地面が揺れた。津眼 とてつもない衝撃音がなり響く 見れば魔力消壁にヒが入っていた。気を 込めた手のひ底だな。あのレベルの魔力 消壁に素で傷をつけるなんて大したもんだ 。 攻撃を防がれ困惑していたリッチだったが 、気を取り直したのか再度視認を飛ばして きた。だが無駄だ。すでに展開していた 魔力消壁がそれを防いだ。黒い歯は衝壁に 当たると共にへし折れ、粉なごな肉だけ 無惨していく。今一体何をしたあるか? 魔術だよ。言い忘れてたけど俺は魔術師な んだ。ダンジョンに入ってからずっと戦闘 はタオに任せきりだったからな。隠してい たわけではないが木の練習に集中してたし 見せる機会がなかったのだ。声なき声を あげながら黒い歯を連発してくるリッチ。 ふむ。闇系統魔術家。魔物の使う魔術と いうことで嫌いされているから魔術書が ほとんど存在しないんだよな。せっかくだ から調べさせてもらうとしよう。えっと、 そのためには魔力消壁の強度を下げて 代わりに男性を目いっぱい上昇と よしオッケードンと来いツンと鈍い音を 立て、黒い歯が衝壁に突き刺さる。だが歯 は衝壁を貫くことはなく勢いを殺され完全 に停止した。攻撃力を失った黒い刃を手に 取りる。ピリピリしたしびれを感じる。 これは毒か。A魔力を毒に変化させて 飛ばしているのか。毒というのもちょっと 語弊があるか。実際にある毒物を使うもの よりは魔術な側面が強いので精神的な毒、 つまり呪いを固めて飛ばしているというの が1番近い表現かな。肉体よりもその内部 生命力に作用する攻撃。まともに食らえば 生命力を直接削られるため、見た目よりも 攻撃力は高そうだ。それでも術式としての 考え方は火水などとそこまで変わらないの で魔力消壁で問題なく防御可能である。俺 に軽くされたのに驚いたのかリッチは慌て て魔力を練り始める。両手に集まった魔力 は戦国とは比べ物にならない。リッチは 両手に集めた魔力の塊を鋭く尖らせ、獣の 牙のように上下に広げる。ロベルト、それ はやばい。ある。避けるね。あれは闇系 登場今術シか。似たような構造だが市人と は比べ物にならないほど強い魔力が込め られている。それとも他にも何か追加効果 があるのかな?気になる。かの俺を見て にやりと笑うとは黒い歯を上下から 繰り出してきた。高速で迫りくる歯が魔力 消壁に激突するが突破することは叶わない 。勢いを殺され転がった歯を拾い上げる。 スーは歩きながら俺は息を深く吸い込み 長く吐く。なんとなくまだ魔力を誓でき ない魔術師の卵なんかが行う修行に似て いるな。精神を統一し、呼吸に全を集中、 体内を循環する魔力の流れを意識する。 魔術師の修行でも処歩の処歩、才能ある 魔術師は必要とすらしない修行。前世で 魔術の才能がなかった俺は最初の頃は ずっとこれをやっていたのである。うん。 身を見まね似だがなんとなく体内に力が みなっていくような感じがする。魔力を 完全に覚しているからこそ分かる。みたい の奥底に感じる力。これが木というやつ だろうか。自分だけでなくタオの呼吸。 ダンジョンのあちこちからもかな呼吸の 気配が感じ取れる。む、前方に何かいる。 曲がりの向こう側から濃い気配を感じた。 俺の言葉にタオは驚いたように目を丸く する。驚いた。ロベルトも気を使えるか。 似たような修行をしたことがあるからね。 ちょっと真似てみた。面白そうだったしね 。面白って気配殺地だけでも普通は5年は 修行しないと身につかないよ。それを見た だけで使えるようになるなんてとんでも ない才能ね。惚れた様子でため息を吐くタ でも面白そうだからって理由とてもこよし ね。好きこそ物の上手なれよ。そういう ことならいいものを見せてあげるね。よく 見ておくといいよ。そう言うとタオは縁を 描くように身体を動かしていく。タオの へそから生み出された木は全身を循環する ように回りながらタオの両腕に集まって いく。は掛け声と共に十分に集まった木の 塊を放つ。それは前方敵の気配がする方へ と飛んでいく。極後ズんと衝撃音がなり、 魔物の気配が消滅した。ふ、これが飛行団 ね。今のは見せるためにわざとゆっくり 打ったけど、もちろん高速で放つことも 可能よ。おお、すごいな。タオ。まね。 タオはふんと鼻を鳴らすと俺に背を向けた 。木まで使えるなんてこいつは飛んだ広い ものね。それにロベルトは気に興味心身 教えてあげる名目で師匠と弟子でラブな ロマンスも期待できそうよ。しかも立派な 武道家に育てあげればうるさいじいちゃん も私の言い名付けとして認めるに違いない 。ふひこいつは飛んだ広いものあるな。 タオは何やらブツブツ言いながら不気味に 笑っている。なんか怖いし放っておいて先 に進むか。何が恐縮なものか。息子たちに 現術を叩き込んだシルファはお前の現術の 際は歴代王子で1番国1番の剣士になる などと対鼓版を押しておる。城でも屈の 魔術師であるアルベルトもお前の才能に 嫉妬しておったよ。自分があの年頃だった 時はまともに火球など飛ばせなかった。 それを見事に制御しておるとな。若き実力 者であるあの2人にそこまでしめると花。 大したものだよ。シャールズは腕組をした まま嬉しそうにうんうんと頷いている。う は2人ともそんなことを言ってたのかよ。 俺なりに実力は隠してたつもりだったが、 まだ甘かったようだ。やはり城の中で魔術 を使うのは危険だな。あまり俺の評価が 上がると大い継承に巻き込まれる可能性も ありそうだし、そうなったら面倒だ。少し は自調しなければ。でも俺の性格上魔術の 研究は止められないしな。お前には大いに 期待しておる。これからも励むのじゃぞ。 えっと、そうですね。返事を濁す俺を見て チャールズは顔を曇もらせる。だなの。 いくらお前が優秀だからとて今からお前を 大い継承候補に加えるのは難しいのじゃ。 すでにアルベルトラを含む上位の王子たち にはそのための教育をさせておるからな。 お前がそう考えて頑張っておるなら 心苦しい。先に言っておこうと思いこうし て呼び出したのじゃよ。あ、そういうこと か。つまりチャールズは俺が王いを継承す べく頑張っていると勘違いしているのだ。 もちろん俺にそんなつもりはみ人もないの でほっと胸を撫で下ろした。お気になさら ないでください。父上 私は言われた通り好きなことをしている だけです。多い継承権などに最初から興味 はございません。俺の言葉にチャールズは 目を丸くした。そして換気は真ったかの ように目を細める。うむうむ。わしの言葉 に腐るでもなくよくぞ申した。できた息子 をモテて嬉しいぞ。しかもちょっと涙んで いるようだ。本心なんだけどな。完激して いるチャールズを見ながら俺はポリポリと 本を書いた。安心せロイドよ。その努力が 無駄になることは決してないだろうからの 。だからその調子で埋進するのじゃぞ。 はあ。うむ。では下がってよい。なんだか わからないが、とりあえず今までの生活は 維持できそうで安心だ。俺はアンドの息を 吐きながらチャールズに背を向ける。それ にしても大いにも興味を示さず、ただ ひたすらに努力を積み重ねるか例わずか 10にして大したものよ。いやはや真の 大たるものそれくらい出なくてはいかんの かもしれんな。これは大い継承候補につい て考え直さねばならんのかもしれぬ。 チャールズは何かブツブツ言ってるが、 あまりよく聞こえない。まあ、多分政治に ついてだろうな。悪いけど興味なしだ。 それより早く帰って本を読みたい。俺は 足早に玉座の間を後にするのだった。大量 の油を手に入れたことで改めて実験再開だ 。まずい液の調合に成功すれば色々と できることは増えそうだしね。ちなみに この手の調合は前世でもよくやっていた。 安い素材を市場で手に入れてきては学園の 実験室を借りて職媒の調合をしたもので ある。城にも実験に使えそうな部屋はある がそんなところでやったらさすがに目立ち すぎる。実質を汚さないようにしてやる しかない。まずは結界を貼っておこう。 先外で部屋の一角1m四方ほどを結界で 囲い実験室とする。水の結界は音や衝撃を 防ぐ効果が高い。これなら中で少々爆発し ても大丈夫だ。調合の材料は揃っている。 大量の油にダンジョンの核、そしてお 小遣いとしてもらっていた十分な銀貨。 今日ほど王族で良かったと思った日はない 。そして銀を溶かす。 まずは石型台で石の器を作り、その上に 銀貨を入れる。銀の優点は意外と低いので 炎で炙っていれば普通に溶ける。念のため も1枚滝を重ねがけし、内部に円を 放り込む。これでしばらく放置しておけば 銀は溶けるだろう。その間にダンジョンの 角をすりつぶしておくか。もう1つ石の器 を作り出し各を水場でザ切りにする。 そして水場に形状変化の術式を加え歯を 増やす。角に押し付けさらに高速回転の 術式を加え押し付ける。ガガガ と音を立て各は削れていく。よし。いい 感じにこなご々なになったぞ。これで赤ま の完成だ。ロイド様、一体いくつの魔術を 同時に発動してるんですかい?見ていた グリモが呆きれたような口調で聞いてくる ん?待機発動させているのも含めれば20 くらいだが。そ、そうすか。なぜか ドん引きしているグリも同時発動が可能な 魔術の数なんて試したこともないから わからんな。魔術ならそれこそ数えきれ ないくらいは同時発動できるし、真面目に 答える意味がないと思うんだがな。夫が 溶けた頃だな。調合開始と行くか。 取り出した銀は水滴のように転がせば動く 。だからと言ってこれを油に入れても 混じるわけはないのだが、そこでこいつの 出番である。俺は右手の口を開いた。油 ですか?翌朝、俺はシーツを干しに来た シルファに声をかける。まずい液の原料で ある油。まずはこれが大量に欲しい。うん 。水瓶に1杯欲しいんだ。魔術の実験で 使いたくて。それは構いませんが。ふむ。 そうですね。条件があります。シルファは そう言ってにやりと笑う。私から堅術 ごっこで1本取ることができたら差し上げ ますよ。やっぱりそう来るだろうと思った よ。シルファは俺がお願い事をする時は 大体そう言って交わすのだ。いつもはその まま引き下がっていたが、今回はそういう わけにはいかない。分かったよ。やろう。 シルファ。俺が頷くとシルファは驚き目を 丸くした。も本当でございますか? 聞き違いではなく。うん。必要だから。 じゃあ俺は準備して中庭に行くから シルファも早く来てよ。はあ。ボケた返事 をするシルファに背を向け、俺は中庭へと 向かう。しばらくするとハカちで目元を 拭いながらシルファが現れた。う、ブス。 ロイド様がこんなにもやる気を見せて くださるなんて。うう。シルファは嬉し ございます。なぜか涙を流して感激して いるシルファ。はっきり言ってそこまで 完撃されても困るんだが。言っておくけど シルファ魔術は使わせてもらうからね。 ええ、もちろんです。いくらロイド様でも 堅術のみで私から1本取るのは難しい でしょうし、まあそんな許可を得ずとも すでに使ってはいるのだが、要は 言い訳作りである。攻撃魔術を併用して 戦えばシルファ相手に勝ってしまっても 言い訳が効くだろう。さあ、いつでも いらしてください。うん。僕塔を片手で 持ち、もう片方の手で火球を生み出す。 制限は買魔術のみ。威力は加減いっぱい。 このくらいなら魔術好きの子供が使って不 自然でないレベルだろう。当然シルファの 権技はすでにコピー済みである。行くよ。 先手必勝とばかりに火球を放ち、そのすぐ 後ろをかける。できるだけ断速を遅くだ。 どうせ早く打っても買わされるしそれなら こうして盾として使った方がいい。無駄 です。シルファが牧刀を振うとあっさり 火球は消し飛ばされてしまった。もちろん 想定ない火球旗田のめくらましだ。俺は 走りながらすでに土球を発動させている。 書き消した炎の後には土の壁ができていた 。白来い。おん。俺が呼ぶと白い大型県白 が元気よくかけてくる。白は俺に抱きつき 、その重さと勢いで芝の上に押し倒された 。短い草が中に 草と土の香りがした。俺はサルーム王国第 7王子ロイドディサルーム。魔術大好き 10歳前世ではない貧乏魔術師で生まれて 初めて見る上位魔術に見惚れて死にこの 身体に転生した。年の離れた第7王子と いうことで大い継承権もないし自由に 生きろと言われた俺は好きな魔術ばかり やっている。野田が最近は周りの人間に妙 に期待されている気がする。まあ、きっと 気のせいだよな。地味で目立たない第7 王子。それが俺の立ち位置である。おん おん。ちなみに俺の顔を舐めているこの犬 は白。元は俺を襲ってきた魔獣だが、俺の ことが気に入ったのか随分抱かれてしまっ た。連れ返っても良いと言われたので 使い間としたのである。白を撫でる手のひ からぐパッと口が生まれる。ええ、魔獣に まで従えているとはさすがはロイド様です な。こいつは魔人グリモワール。俺は グリモと呼んでいる。城の地下禁封印され てたが色々あって俺の使い間となったのだ 。俺の手のひの川に住まわせており、 時折りこうして口を開いては喋り出す。 ぶひ。魔獣まで従いやがったか。いいぜ。 てめがいろんなものを手に入れてくれりゃ 俺様がその身体を乗った時にうまい思いが できるからな。なお時々ブツブツと独り言 を言っている情緒不安定なやつである。 せめて聞こえる声で喋れよな。おんおん夫 とこら犬っこ吠えるんじゃねえ。実死1人 を言うグリモに向かって吠える城。どうも 2人はあまり仲は良くなさそうだ。 こらコら。喧嘩してないで続きをやるぞ。 おん。グリモに手を握り口を閉ざさせると 白が座り直した。今こうなっているのは 魔力に命令を乗せて飛ばし念じるだけで 使い間に命令を出せるという魔獣使いの技 である。原列火球極大の炎を指先に集め グリモール目がけて放つ。ぬわあ。炎が 命中し、グリモワールは悲鳴をあげた。 あれ?なんで魔力消壁で防御しなかったの だろうか?おい、グリモワール大丈夫か? 慌てて声をかけると炎の中で影が揺らめい た。見ればグリモワールの身体には火傷1 つついていない。く、驚かせやがってだが 魔人である俺様を魔術で倒すことはでき ねえよ。残念だったな。え、そうなのか。 あ、そうさ。新刊どもが使う神聖魔術なら 少々のダメージは受けるがよ。高が 魔術ごきが俺様を倒す術はねえ。残念だっ たな、ロイド。俺様を復活させた時点では 積んでたのサブ。今度は滝列水求を ぶつける。滝のような水撃を食らいながら もグリモワールは確かにダメージを受けて いるように見えないわ。話を聞きやがれ 無駄だと言っているだろうが すごいな。本当に聞いてないのか?私列球 を放ちながらつく。岩石に押しつされ ながらもグリモワールは平気そうである。 これは驚きだ。魔人ンって本当に魔術が 効かないのか?一体どこまで効かないん だろう?知りたい、試したい。おいて てめえ。なんキラキラした目を向けて来 やがる。ちょ、やめろって。コラー。俺は 思いつく限りの魔術をグリモワールに ぶつけるのだった。すみませんでした。俺 の目の前でグリモワールが両手を地面に ついた。おいおい、いきなりどうしたんだ よ。土下座なんかしてさ。許してくだせえ 、ロイド様。もう悪さはしねえ。だからな 。頼むよ。涙を流しながら訴えてくる グリモール。ちょっと攻撃魔術を数百回 ぶつけただけなのだがよくわからん。何で もいいが早く続きをやろう。俺はもっと 古代魔術が知りたいんだ。ひギーま、待っ てくれ。もう身体が持たねえよ。え、そう なのか。でもまだ全然物足りないんだが。 俺の言葉にグリモワールはなぜか青ざめる とざざっと後ろに下がり、地面に頭を 埋め込むほどの勢いで頭を下げた。この グリモールロイド様に精神誠意尽くすこと を誓います。使い間でも何でもなります。 だからお願いだ。もう勘弁してくだせ。 使いまかよくわからないがそこまで言う なら今日はこの辺でやめてもいいかな。間 になってくれるなら魔術の実験はいくらで もできるし。うん。悪くない。俺は にっこり笑うとグリモールに手を差し伸べ た。分かったよ。じゃあ俺と契約するか。 えい。俺の差し出した手にグリモワールは すがりつく。暗い光が俺たちを包み契約が 完了した。クそ。このグリモワール様が 人間の使い間になるとはなんたる屈辱だが こいつの実力は半端じゃねえ。十分な信頼 を得た後にうまくそのかして利用してやれ ば俺が世界を影から牛じることだって可能 。くひ、その時までの辛抱だぜ。ん?何物 言ってるんだ?い、いいえ。なんでも何で もありませんぜ。ロイド様皇帝 2グリモワール なんだか情緒不安定なやつだな。まあいい かともあれこしてグリモワールは俺の 使い間になったのである。 つ土シルファの牧刀は土の壁に埋まり抜け なくなる。無理やり抜こうとしている間に 俺はその背後へと回り込む。取った。北刀 をシルファへと走らせ、首元で止めるはず だった。しかし目の前にいたはずの シルファは牧刀を残したまま姿を消してい た。うっそ。左右に目を動かすがシルファ の姿はないとなれば後ろ振り向くがいない ということは上即座に火球を念じ上空へ 向けて放つ。残念。下ですよ。また下から 聞こえる声に見下ろすとシルファが笑顔で 俺の真下にいた。驚く間もなく両足を掴ま れ転ばされてしまう。そのまままたがられ マウントを取らえてしまった。にっこりと 微笑むシルファを見上げ俺は目をつる。 負けました。はい。私の勝ちです。 よいしょと。これでいいんですか?ロイド 様。シルファは油のたっぷり注がれた水瓶 を俺の部屋の隅に置く。タプンと水面が 波打った。ありがとう。でもいいの?1本 取れなかったのに一瞬とはいえ思わず本気 を出してしまいました。1本取られたよう なものですよ。それにしても本気を出した ロイド様はこれほどまでにお強くなられて いたのですね。シルファは嬉しございます 。ぐす。 またも涙むシルファやめてくれ。 恥ずかしいから。俺が本気を出して戦った ことがよほど嬉しいらしい。かなり限定し た状態での本気だったのだが、まあ喜んで くれてるんだからよしとしよう。先日の あまりに不抜けたおいぶりどうにかなって しまったのかと思いましたが調子を 取り戻していただけたようで幸いですわ。 ふ。微笑みを浮かべるシルファを見て俺の 右手がブルブルと震えている。グリモの やつよほどビビっているのか。今日は ずっと引っ込んだままだ。先日の堅術 ごっこで痛めつけられたのが相当トラウマ らしい。あわ、あの時はちょっと体調が 悪くてね。ええ、スランプというやつです ね。そういう時は誰にでもあるものです。 それを抜け出すのには1にも2にも鍛錬 あるのみ。実際スランプを抜けたロイド様 の動きはとても素晴らしいものでした。 魔術と堅術の融合このシルファく完復 いたしました。シルファはそう言って うやうやしく霊をする。堅術も魔術も まだまだ拙い。でもロイド様は発展途上。 そして凄まじい速度で腕を上げて いらっしゃる。魔術が使える検子自体 とても数が少ないのに堅術レベルはわずか 10歳とは思えません。それに魔術に 関する造形はアルベルト様も一目置かれる ほどです。ああ、なんと素晴らしいの でしょう。成長したロイド様には騎士団長 や牽制の称号すら不り合いかもしれません 。そんな方の指導薬をやらせていただける なんてこのシルファ光栄四国でございます 。何をブツブツ言っているのだろう。 さっきから俺を見る目がなんか怖いんだが 。そういえばシルファは以前チャールズに 俺の現術の腕をすごく評価しているとか 言ってたっけか。いや、今回は魔術を使っ ただけだし、そこまで評価は変わらない だろう。そう思いたい。うん。ぬー。パズ の放った魔力派が雨荒られと振り注ぐが その全てをかわしパズの足元にたどり着い た。それまでに貯めていた力を解放し 切り上げる。ラングリス竜タ術交流3と 剣線が湖を新2つに割った。その勢いの まま点を貫き雲もついでにパズの身体も 切り裂いていた。関係1本なので劣化 コピーだが威力は十分。ちゃんと性質変化 はできたようだな。ぐバカな。我が肉体を 切り裂くとは貴様も我と同じ技が使えると いうのか。いや、今初めて使ったんだけど な。どうやらダメージを受けて驚いている ようだ。そういえば魔人は魔術は効かな いって言ってたっけ。普通の魔術は術式で 魔力を形ある力に変化させているので、 半分精神体である魔人には効果が薄いの だろう。その点、魔力の性質変化は単純に 魔力の質を上げて直接分殴るようなもので ある。だから精神体である魔族にも効果が あるんだろうな。いいですぜ、ロイド様。 ボコボコにやっちまってくだせ。そうだな 。もう少し試してみるか。今のは出力が 大きすぎた。もっと小さく鋭い方が利力を 効率的に与えられるはずだ。イメージに より探検を大魔力は小さくより鋭くなって いく。ラングリス流タ剣術下り煙 高速でパズの背後へした俺は探検を逆手に 持って落下しながらの連撃を叩き込む。 無数の斬撃が切り裂いたパズの左半神を 消し飛ばした。うん。いい感じに力が調節 できているな。だがもっともっと鋭く できるはずだ。おれ。かとら顎残った方の 反撃を避けながら2連撃にてパズを3つに 分断する。パズは頭部のみを残し消滅して しまったが、その代償として俺の手にして いた探検が粉々なに砕け散る。 魔力で覆っているとはいえ、獲物に全く 負担がかからないわけではないか。砕けた 剣を見てパズはにやりと笑う。笑いながら 身体を復言していく。くふ。なかなか驚き ましたが、そのような魔力量に何の変哲も ない探検が耐えられるはずがありません。 もちろんあなたの身体もね。パズの言葉で 俺は自身の自覚する。手足が震える。力が 入らない。力を使いすぎたのだろう。もう 動けないようだな。ど、どうしたんですか ?ロイド様。す、しまった。凍てるグリモ に俺はくぐった声で返す。まったな筋肉痛 になっちまった。おお、ここがダンジョン か。目の前にぽっかりと開いた穴を見て俺 の口元が思わず緩む。様々な種類の魔物、 さらに魔道具などのお宝、ダンジョン自体 なぜのかよく分かっておらず、内部は危険 なのでろな調査がされてないのだ。だから 1度入ってみたかったんだよな。ワクワク しているとタオが追いついてきた。わあわ ロベルトお前めっちゃ足早いあるな。 息きらしながら呼吸を整える。あ、すまん 。忘れてた。ふ、あっという間に呼吸を 整えるタオ。魔法も使わず俺の失踪につい てくるなんて。これが木の力か。もちろん タオの持つ木も興味がある。いや、 しょっぱなからこんなにいろんなものが 見れて外に出て本当に良かったな。って これダンジョンあるか?うん。さっき ゴブリンたちがここへ逃げていくのが ちらっと見えたんだ。俺は中に入るけど タオはどうする?俺の問いにタオは 考え込んでいる。ダンジョン正直危険ある でも危険度が高い分ロベルトの好感度 を上げやすいはずね。見たところロベルト はかなりの2部。100回は助けないと私 を好きにさせるには難しそうね。しばらく ブツブツ行った後タオは頷いた。分かった よ。ロベルトが行くなら私も行くね。よし 、決まりだ。というわけで俺たちは ダンジョンへと足を踏み入れる。中は岩石 に囲まれた洞窟。明りはないが全く見え ないというわけでもない。光る石が各所に 埋まっており、それが光原になっている ようだ。これは確か三石だったか。術式も なしでこれだけの光を放つとは素晴らしい な。魔術の実験に利用できそうだし、いく つか持って帰ろう。その様子をタオは呆れ た様子で見ている。そんなもの持って帰っ てどうするよ。三師はダンジョンから外に 出すとただの石コになるね。いいんだよ。 理屈を知りたいだけだから。ふん。変わっ てるな。表海が地面を貫き、稲妻が空を かけ、竜巻きが巻き起こる。すごまじい 破壊音と衝撃波が吹きやれるのを見ながら 俺はふむと頷く。なるほど。やはり20 重症魔術は元となった魔術を掛け合わせた 形になるのか。魔術というのはイメージが 強く影響する。火球なら火の玉を強く イメージしなければ発動しない。水は水の 玉、土球は土の玉も同様だ。上位魔術と なるとイメージだけでは足りないので、 呪文の影や術式、媒体の使用などでそれを 補強するのだ。なので20重賞は元となる 2つの魔術を掛け合わせたイメージの通り に発動する。霊えば火と土で溶岩水と土で 氷、火と風で雷、風と土で砂とそんな具合 だ。まあ、これは想定ないというか、実は これらの組み合わせは本で読んでて知って いた。滅多に見られるものではないが、 二重症自体は昔から存在している。振り物 のような技を持つものや息のあった魔術師 2人であれば行使可能だからな。実際試す とどうなるかという確認だったのである。 それよりも他に試したい組み合わせはある んだよな。まずはこれ幻想系等魔術模者姿 。これは魔力の幕で自分の身体を覆い別人 の姿に変えるというものだ。特にイメージ が重要な魔術でよく知った姿でないと返信 できないというものだがこれを20章で 発動させればどうなるか。俺の想像通り事 が運べばものは試しとばかりに模者姿を 二重 発動と共に俺の身体が光に包まれていく。 えっと鏡鏡とおいい感じだな。鏡の前に 移るのは少しだけ背を高くし、少しだけ髪 の色素を薄くし、結構イケメン化した俺の 姿。そう、模者姿を二重し、片方を自分、 もう片方をアルベルトにて発動させたのだ 。俺とアルベルトの姿のイメージが混じり 、ちょうど中間ぐらいの用姿になったので ある。この姿漫画違いで俺の姿を見られて も正体を知られることはない。ついでに アルベルトにも迷惑をかけないしな。て いうかさっき上位魔術を打ちまくったし誰 か近寄ってくるかもしれないか。一旦場所 を移した方がいいだろう。何せ目の前は 凄まじい破壊の嵐が吹き荒れた後である。 こんなものの近くにいては知らぬ存ぬも 無理がある。そうと決まれば秘少にて俺は その場を後にする。岩山と岩山の間を 文字通り支障し、宣の場所から大分離れた 辺りだろうか。うん。あれは眼下を見れば 何者たちかが争っているのが見える。どう やら人間と魔物の群れが戦っているようだ 。おお、魔物って見たことがなかったんだ よな。よし、隠れて観察するとしよう。俺 は岩山の影に降りるとそこから戦いの様子 を覗く。魔物と戦っているのは年若い少女 だった。艶のある黒髪を両サイドで括くり お団子にしてそこから垂らすようにして 伸ばしている。剣方服とでも言うのだろう か。動きやすそうな服の胸源は涼し毛に 開き、背にはぶっという文字が刻まれてい た。少女は軽やかな足取りで魔物を翻弄し つつ拳1つで戦っている。あれは多分冒険 者だな。冒険者というのは便利屋のような もので金を稼ぐために魔物を買ったり素材 なんかを集めたりする連中だ。強さによっ て階級分けがさえておりからAまでランク があるんだっけか。正直あまり興味が なかったしよくわからないんだよな。ぐ 身体が痛くて思ったように動けない。 シルファの全力をコピーしたからだろう。 あと若いからすぐ筋肉痛が来たんだろうな 。なんせ10歳だし。ひ、筋肉痛すか。 うん。これ以上の運動は控えた方がいい だろう。そう言って腕をマッサージする。 あまり無理すると治りが遅くなるもんな。 そんな俺を見てグリモはなぜか呆きれた 様子だ。ぐふふざけおって。そんな俺礼へ 繰り出されるパズの打撃打撃打撃。魔力 消壁が痛々しい岸身音を上げていた。 やはりかなりのパワーである。なあ、 ちょっと聞きたいんだけどそんなに強いの になぜ魔獣を集めてたんだ。知れたこと。 我1人が強くなるより部下を集めた方が より効率的に戦力を増大できるからよ。 強くなるために仲間を増やしたってことか。 ああ、そうだ。苦労と努力を重ねた日々だった。わざわざ魔獣の住みやすい環境を整えてやり、扱いやすくなる様子も繰り返した。面倒ない作業だったが、それもようやくようやくこれからという時だったのに。貴様のせいでガッスンと怒りに任せた一撃で俺の身体は中に飛ばされる。 強烈な一撃により魔力消壁は粉なご々なに 砕けちった。くばれ だが放たれた魔力並は俺ので消滅した。俺 の前に貼られた透明な壁を見てパズは 下打ちをする。地また魔力消壁か。だが そんなもの何度でも破壊して左右を見渡し たパズが言いかけた言葉を飲み込む。展開 したのは魔力消壁ではなく結界だ。空間系 透魔術次元展かなり魔力を食うので短時間 しか持たないがあらゆる攻撃を通さぬ次元 の壁それでパズを包み込んだのだん 俺はふと思い立つ グリモは魔人に魔術は聞かないと言ってた が結局聞くのか聞かないのかどっちなの だろう魔人と遭遇する機会なんてそうは ないだろうし試してみるべきだよな20 俺は右手の口を開き呪文の影を開始する。 新内岩牙大塩熱 円牙列空嵐しげ土水風4系統も神魔術を ジぐりに100復高速術式を展開し本来の 3倍速にて編み込んでいく。無駄ね。ボス を倒すまで開かないよ。そういえば ダンジョンには不思議な部屋がいくつか あるらしい。ワープする部屋や魔物が異常 にいる部屋、回復できる部屋など。特に ボスの部屋は1度入ると倒すまで出られ ないとかフーム魔術以外での結界か。実に 興味深い。ぐる 唸り声と共に部屋の奥から巨大な4速が 進み出てくる。灰色の毛に青い瞳、鋭い牙 の魔物だ。グレイウルフね。危ないから ロイドは下がってるよ。ガウ。タオが 構えると同時にグレウルフが飛びかかる。 鋭い爪による引っかきを少しだけ下がって か交わし飛行団を放った。命中グレウルフ は引き飛びながらも姿勢を立て直し着地 する。戦闘はタオが優勢だ。 線しかできないグレウルフはタオの身の こなしと飛行団になす術がないようである 。とりあえず任せても問題なさそうだな。 俺はこっちの結界を調べさせてもらおう。 ボスを倒したら消えるみたいだし。 ロベルトにかっこいいとこミセルある。 そして釣られ念の彼氏ゲットね。そのため にお前には踏ぎ台になってもらうよ。おお 。タオは何か独り言を言いながら戦って いるが、グレウルフの吠え声でよく聞こえ ない。なるほど。この結界の魔力供給源は ダンジョンなのか。ということは結界は ダンジョンの能力。入った途端に発動する ということは自動制御だよな。これはどの ダンジョンにもあるものらしいがそこまで して侵入者をボスから逃がしたくない理由 は何だろうか。そもそもなぜ侵入者を 招き入れる?人を倒して栄養にしているの かも。ってこっち見てない。あるう。ああ 、うるさい。集中できないぞ。風景討術 音声団よし。これでうるさくない。集中し て考え事ができるというものである。各か に庶民である俺の家は貴族たちに比べると 貧しい。入学金も自分で働いてようやく 払い、教材も基礎の魔術書1冊しか買え なかった。だがそれ1冊でもやれることは かなり多く毎日新たな発見があった。潜術 でも術式の組み合わせ、職媒の組み合わせ だけでも無数の現象が起こせるほど魔術 ってのは奥が深い。そのために実験やら 材料の調達やらやることが多すぎて人の ことに気を取られている暇など全くなかっ たのである。そう、彼に言ったら月行し ながら俺に血闘を申し込んできた。俺は 戦いは嫌いだ。だからすぐに断ろうとして ふと思いとまった。彼ら貴族の使う魔術と は一体どのようなものだろうと。庶民の俺 と貴族である彼らとでは資本も才能も全く 違う。俺が見たこともないような魔術を 見せてもらえるのではないかと考えた。 考えたらどうしてもそれが見たくなって しまい、ついを受けてしまったのだ。少し 痛い思いをするかもしれないが、負けても 命まで取られるわけではないだろう。 そんな甘い考えで結論から言えば彼らの 魔術は素晴らしかった。あれが上位魔術と いうものだろうか。巨大な炎が渦を巻き、 氷嵐が吹きすぐ。俺はその光景にただただ 見惚れた。見惚れて無防美にそれを受けん だ。お前は夢中になると周りが見えなく なるから気をつけろなんてよく注意されて いたが、まさかこんな結末を迎えることに なるなんて。自分のま抜けさが情けない。 だが最後に考えていたのはま、抜けな自分 を呪うことでも血闘を仕掛けてきた貴族を 恨むことでも自分を育て学園に入れてくれ た両親への感謝でもなかった。それは俺を 殺傷せしめた魔術への考察。どういう術式 だったのか。その理屈はそもそもあれほど の出力を1人で生み出せるものなのか。だ とすると必要な魔力量は術式はあるいは 何か特殊な発動条件があるとかもしくは 職媒を使用したかはたまた他人数で魔術を 使ったのかなどなど 考えれば考えるほど止まり行くはずの心臓 が高なるのを感じていた。ああ、本当に 無念だ。世界にはまだ俺の知らない魔術が たくさんあるだろうに、その全てを知らぬ まま死んでしまうなんて。願わくば全ての 魔術を知りたかった。理解し、習得し、 極めたかった。もっと魔術の新に溺れ たかった。そんなことを考えながら俺の 意識は遠いていった。キュンキュキューン 。そして鼻を鳴らしながらすり寄ってくる 。尻尾をブンブン振りながら青向けになり 腹を見せているものもいた。10数匹いた ベアウルフたちは皆俺の周りでじれついて きていたな。何?おい貴様何をしている? 早くそやを殺すのだ。ブーパズが命令する がベアウルフたちは俺のそばから離れよう とはしない。それどころかテキに満ちた目 でパズを睨んでいた。ふむ。こんな感じか な。俺は手のひから魔力を生み出しながら つく。俺の周囲を白い煙のような魔力が 包んでいた。ロイド様一体何をしたんです かい?さっきからやっていた魔力の性質 変化だよ。昼に食べた肉の味や匂いを強く イメージして発動させたんだ。さっきの シルファの料理微味かったもんな。 思い出しただけでよだれが出てくる。ベア ウルフたちも気に入ったようで心地よさ そうな顔で浴びていた。ボアーパズ が入っていたベアウルフも始めた。どう やら俺の放つ魔力を吸い込んだようである 。おおおい様 までふざけるなよ。やめろ。吐き出すな。 くぐお。ベアウルフはよだれをボタボタ 垂らしながら口から黒いモヤを吐き出して いく。モヤは新潟に固まりパズとなった。 おお、あれが本体か。パズを吐き出し終え たベアウルフは俺の元へ駆け寄ってきた。 くんくん。そして尻尾を振りながら俺の 周りをくるくると回っている。可愛い。 わあわ。バカな子。こんなはずでは残され たパズは雲の表情を浮かべ息を荒らげて いる。許さん、許さんぞ。おお。この クソガきが我が魔獣帝国の邪魔をしよって ずタズタにしてくれる。辺りを漂っていた 黒いモヤがパズへと集まり、その身体を 包み込む。空気が震え、俺にくっついてい たベアウルフたちが警戒心を剥き出しにし た。モヤを取り込んだパズの魔力が ぐんぐん上がり、魔力もどんどん増して いく。パズは銀の毛と漆黒の翼を持つを 持つ巨大な猿へと変貌した。決まった実態 を持たないが故えの変貌。全ての力を 出し尽くした真の姿とでも言うべきか。 最初とは内放する魔力量が断違いだ。殺す 。巨大化したパズは短くそう呟いて俺に 飛びかかってきた。入れて行かれた先は城 の隅にあるレガを積み重ねて丸型のドーム にした建物。上部からは煙突が生え、近く には井戸がある。昔この建物は何だろうと 中を覗いてみたが中は物置きになってい たっけ。一体こんな場所に何のようだろう か。お、ここだ、ここだ。懐かしいな。 リアンはそう言いながら扉を明に入る。中 は以前見た時とは全く違った。部屋の中央 には巨大な路が置かれ、金とにハンマー、 ペンチ、のみ、不様々な役品、様々な家事 道具が並んでいた。ここは俺がガキの頃に 使っていた工房だよ。留学の際に道具を 持って行ってたんだが、帰るってことで1 先に送り返しておいたのさ。今日から 向こうで学んだ家事仕事ができるってもん だぜ。花歌を歌いながら道具を触る ディアン。その顔は子供のようにキラキラ していた。ディアン兄さんは家事が好きな んですか?おお。だから向こうで色々学ん できたんだ。向こうはすごいぜ。不魔術や 魔剣政策の技術が進んでいてよ。このまま じゃ行けないと思ってアルニーに相談し たら優秀な不与術師を紹介してくれ るって言うから期待したんだが。まさか ロイドとはな。 わあと従々しいため息を吐いてリアンは俺 を睨みつけた。ロイド悪いがアルニーの 言うことを鵜呑みにはできねえ。お前が 本当に不与術師として優秀なのかどうか まずは試させてもらうぜ。わあ。くん。 なんだか厄介なことになってきたな。つい てきた城が不安げに俺を見上げている。 この液体が何か分かるか?リアンは水瓶の 中に入ったキめく液体を差し示しす。 まずい液ですね。付与の際に術式と共に 塗付する液体です。向こう基本は知って いるようだな。だがこれはどうだ?水形等 魔術準度上昇。これは液体に作用する魔術 で文字通り不純物を排除するものだ。皮の 水を飲料水としたり、燃料などに混じった ゴミを取ったりと使える幅は広い。ただ あまり準度を上げすぎると混合物は完全に 分解されてしまうのだ。以前茶の順度を 上げすぎて水にしてしまったことがある。 そんな繊細なことを魔術でわあ、改めて 思いやすがロイド様の魔術は大したもん ですな。俺が開発したわけじゃないよ。 魔術は常に進歩しているグリモがいた頃 よりいろんなことができるようになって いるのさ。よし、ゴミを救ってと。うん。 綺麗になった。まずい駅は宣告と違い かなり透明度が増しているように見える。 そういえばこのまずい駅には何の術式が 込められているのだろう。ちょっと見て みるか。液体に込められた術式へと意識を 集中させていく。ふむ。これは強度増加の 術式かな。物体に込める術式の中でも最も ポピュラーな術式だ。高果な件などはこれ で強化しておけば簡単には折れない。だが この術式相当昔から使い回してるな。 めちゃくちゃ古臭いし非効率な術式だ。 ちょっと書き換えよう。こんな術式はもう 覇棄してもいいか。大分容量が開いたな。 これなら強度増加も3くらい編み込める。 ついでに男性増加もしておこう。これが あると金属に粘りが出てとても丈夫になる からな。よし、こんなもんか。あとは探検 にもう1度してとできた。手にした探検の は全国と違いピカピカだ。試しに宝箱には 当ててみると面白いようにスパッと切れた 。もう見事なもんですな。うん。いいね。 高速で迫りくるパズ。俺のそばにいたベア ウルフたちが立ちふがる。ガウぐるお。 もしかして俺を守ろうとしてくれてるのか 。でも危ないぞ。知りかせようとしたが 間に合わない。邪魔をするな。パズが両腕 を振うとベアウルフたちは引き飛ばされた 。 地面に叩きつけられたベアウルフたち悲鳴 をあげた。こいつ自分の眷属をなんてやつ だ。パズはタオレフスベアウルフたちには 目もくれず、俺目がけて体当たりを ぶちかましてきた。ドスンと自動発動した 魔力衝壁ごと俺の身体は湖へと吹き飛ばさ れる。だが風景魔術非秘傷発動。風を まとった俺はコ面の上を滑り、中央あたり で止まった。しゃあ。翼を広げ地面を蹴り 即座に追撃してくるパズ。振り下ろされた 右手から放たれる魔力派を魔力消壁で 受け止めた。おい、自分で育てた大事な 眷属だろ。殴るなんてひどいじゃないか。 何を言っている?我に逆らう愚かな犬など も早や眷属でも何でもないわ。貴様を殺し た後に全て首り殺してくれる。ひどいな。 モフモフ。帝国を作るんじゃなかったのか よ。魔獣帝国だ。顔を真っ赤にして俺を 殴りつけてくるパズ。ダメージは全くない が、それでも魔力消壁をきしませるほどの 威力。ただ殴っただけ邪高はならない。 これも魔力の性質変化か。翌日大量の剣と 共にアルベルトが俺の部屋を訪れた。 100本以上はあるだろうか。2車を引く 従車もとても重そうにしている。 アルベルトはいつも通り爽やかな笑を向け てきた。や、おはよう。約束通りこの絵の 剣を集めてきたよ。これはすごいですね。 昨日のことをみんなに話したら今朝こんな にたくさんの件を持ってきてね。1人で 30本持ってきたものもいたくらいだよ。 よほど不魔術をかけて欲しいらしいね。 多分違うな。アルベルトが俺のことを話し たからその点数稼ぎとして剣を持ってきた のだろう。主人が剣を集めよと言えばそれ に使える騎士たちなら剣の10本や20本 集めてくるよな。そこまで考えてなかった が嬉しい誤参だ。ロイドが不魔術を使う よう見てみたかったが、これから経済の 授業でね。とても残念だが、これで失礼 するよ。ありがとうございます。 アルベルト兄さん。アルベルトは俺に ウインクを1つして扉を閉めた。良かった ですね、ロイド様。これだけありゃ相クラ でも不術を試せますぜ。そうだな。冬魔術 は武器にかなりの負担をかけるし、失敗の 可能性も高い。数はあるに越したことは ない。不術に使用するまずい液だが、 あまり強力な術式を編み込むと武器を汚染 する。それは金属のつがりを蝕み、その 結果簡単にへし折れてしまうかと言って 術式を弱めれば貴重な液を使った効果が 薄い。濃すぎてもダめ、薄すぎてもダめ。 その見極めがとても難しいのだ。しかも 同じ武器でも金属疲労などにより同じ術式 でも負荷になる可能性もある。その辺りは 身体で覚える必要があるため不術は大量の 練習が不可欠なのだ。さて始めるか。安 そうな武器から扱っていこう。とはいえ どれも良いものばかりだな。編み物の鉄を 焼いて強くした鋼の武器が主だが、中には かなり高華そうな件もある。魔剣か?これ アルベルトに差し出す武器だし、安物と いうわけにもいかないか。まあいいや。 遠慮なく使わせてもらおう。まず手に取っ たのは1番数のある鋼の剣。この辺りから 試してみるか。鋼の剣用にまずい液を 小分けにして術式を編み込んでいく。 とりあえず強度増加を30+男性増加 くらいでやってみるか。あの鉄の探検と 同じくらいの容量はあるだろう。術式を 編み込んだまずい液を1本目の鋼の剣に 塗りかけて乾かす。タオは顔をあらめ くねくねと腰をよじっている。まさかまだ 気を失っていなかったとはだが幸運なこと にちょっと勘違いしているようで正体が バレたわけではなさそうだ。ていうかと いつの間に将来を誓い合ったのだろうか。 全く記憶にないんぞ。ふむ。魔人を倒すと は相当名が知えた冒険者だろう。今度探し て霊を言わなければな。いや、ロベルト なんて冒険者はいないんだが。まあいいや 。知らんぷりをしておこう。オン といきなり森の中から吠え声が聞こえてき た。ち身から飛び出してきたのは真っ白な 大型県たちだ。犬の群れは俺にすり寄って くる。わ、なんだお前たち。うん。よく 見ればこの犬たち見た目はすっかり 可愛らしくなっているがさっきの ベアウルフだ。触れれば分かるが体内を 巡る魔力の流れが同じなのである。成長や 修行により魔力の方は変われどう1個体で あればこの流れのパターンが違うのは基本 的にありえない。 一体なぜこんなことになったんだろうか。 魔獣は食らった魔力により姿や性格が変化 しやす。ロイド様の魔力を浴びたから こいつらもこんな姿になったんでしょう。 オングリモの言葉を肯定するように犬が 吠えた。その1匹が俺の前でちょこんと 座ると他の犬たちもそれに習う。戦闘の犬 は俺をキラキラした目で見上げ尻尾を振っ ている。 どうやらこいつパズが直接操っていたやつ ですな。ロイド様を主と認めたようですぜ 。どうもそうみたいだな。とはいえ城に 連れ変わるわけにもいかないよな。可愛い けど魔獣だし。俺はそう思いちらりと シルファを見た。あらあら。この犬ロイド 様に随分抱いているようですね。だが シルファは俺に抱いた犬を見て嬉しそうに 微笑んでいる。あれ、絶対連れ帰っちゃ だめですとか言うと思ったのに、なぜか 交換色だ。何を不思議そうな顔をしている のですか?ロイド様。犬は中義に熱く戦士 たちの良き相棒となる。それ ゆえングリスケでも昔からたくさん買って おります。ロイド様にもいつか犬を買って いただこう思っていましたが、良い機会 です。この子は身体も丈夫そうだし、 よろしければ買われてはいかがでしょうか ?シルファの言葉にアルベルトも頷く。 そうだね。犬は僕も好きだ。それに白い 魔獣は演技が良いと言われている。これ ほど抱いているならきっとロイドの良きと なってくれるだろう。おんおん。そうしろ と言わんばかりに何度も吠える犬。2人が いいって言うならいいか。魔獣に関しても 色々研究したいことはあったしね。あ、 いや、別にグいことをするじゃないからな 。ロイド、その子に名前をつけてやると いい。名前ですか?うん。じゃあ白で。 おん。白いからという安直な理由だけど、 白は気に入ったようだ。撫でとばかりに俺 に頭をすり付けてくる。俺が撫でてやると 白は千技連ばかりに尻尾を振って喜びを 表現していた。可愛い。やったね。すごい 威力よ。さすがはアルベルト様です。これ なら奴も立ち上がってはこれないでしょう 。2人は喜びの声をあげる。反対に アルベルトの表情は曇っている。そうだと いいがな。 と膝をつくアルベルト。呼吸は乱れ全身に 力が入らないのかガクガクと震えていた。 ま、力切れの症状だ。顔色が青くなって いる。アルベルト様、大丈夫あるか?歯は 全ての力を出し尽くしてしまったな。魔力 が限界だよ。これで生きていたらもうどう しようもないね。力なく笑うアルベルトを 支えるタオもシルファもすでに疲労後輩と 言った具合だ。地の魔術では数は癒せても 魔力や疲労までは癒せないからな。当然 この絵たちも立っているのがやっとの様子 である。全員が祈るような顔で炎を 見据える中心 と地面が揺れた。炎の中でゆらりと巨大な 影が揺らめく 人間にしてはやるではありませんか?炎を かき分け現れたのは傷1つないパズだ。 後ろにはよめきながらも立ち上がりつつ あるベアウルフたちもいる。その姿を見た 全員の顔が絶望に染まる。ばバカな。驚愕 の顔を浮かべるアルベルトを見てパズは2 位と広格を上げる。 甘いですね。我は魔人。人間の魔術など 効かないのですよ。パズが笑うと黒い吐息 が吐き出される。気づけばそれは辺りを 包み込んでいた。ぶぐ。この絵たちが 埋めき声を漏らし倒れていく。タオも シルファもだ。みんなバタバタと倒れして いく。くわは。我が魔力を吸い続けたもの は何者であろうと自我を失い、操り人形と なるのですよ。人間にしては持った方です が、それもここまで。安心しなさい。これ からは我が下木として使ってあげましょう 。大笑いしていたパズだが、すぐにその顔 が怖る。視線はまっすぐお礼へと注えてい た。ば、バカな。なぜ我が魔力を吸い込ん で意識があるのだ。え、さあ、 ローバイエルパズに俺は首をかしげて返し た。魔術師として大切なものはまずは家柄 、次に才能、そして最後に努力である。 魔術師の素ウィリアムボルド。魔術学園の 入学式学長の挨拶で1番最初に言われた 言葉だ。魔術師というのはまず家柄と血筋 が大事でそれから才能努力なんてものは ほとんど意味がないと続けられた。家柄は 言わずもがな、古くから続く勇正しい家に は非少な魔術書と唸るほどの材力が 受け継がれ、代々積み重ねられた脈は魔術 師として有利になるようより濃く深く洗練 されていく。才能も当然大事だ。魔術を 扱うセンス、独力、再現力、理解力、身体 能力、才能に優れたものはしばしば家柄の 確保も量する。そして最後に努力だが、 これは努力が無駄というわけではない。 努力はただの前提。魔術師を心す以上心身 ともに鍛え上げ、日々の修行は欠かさず 魔術書を読み込むなんてことはみんなが やっている。だから日々懸命に励みなさい 。挨拶はそう締めくられた。まあ、しかし そんなことはどうでも良かった。俺は庶民 の生まれで大した才能もないと言われてい たが、魔術がただ好きだった。何もない ところから炎や氷、雷が生まれる神秘、 術式によって様々な顔を見せる奇跡。それ が自分の手で行われるという私服。あっと いう間に魔術の取り子なった俺にとって この魔術学園での生活は最高だった。だが そんな日は終わりを迎えることとなる。 ことの発端はとある公爵家借難の魔術書が 登難された事件。誇りある貴族が盗みなど するはずがない。そう言って彼が疑いの目 を向けたのは魔術学園唯一庶民の生まれで ある俺だった。おお、そうだ。塗れない はずの魔獣をどうやって集めたのだろう。 すごく気になった俺は思わず尋ねる。一体 どうやってこんな数のベアウルフを集めた んだ。くふ知れたこと。本来は決して群れ ぬ魔獣どもをこの森に集めるため餌となる 超獣たちを我が魔力を餌に大量に集めたの だよ。そうすれば魔力と餌に溢れたこの地 に魔獣が集まってくる。その中で生まれた 晩の親を殺し、子だけを集め育てあげたの だ。本来は群れぬはずの魔獣だが、幼中の 頃から集団で育てればそれが普通となるの だよ。まあ、おかげでかなり苦労させられ たが、その回合会ってみよう。この軍勢を 。これだけの魔獣を相手に勝てるものなど 存在すまい。くは。親を殺し、子供をさっ て小さい頃から調京するとは何という悪い やつだ。俺でもそんなことはやらないぞ。 大笑いするパズを見てグリモが声をあげる 。ああ、そのちょっといいか。なんだ?ま 、抜けな魔人。お前さんそれいつからやっ ているんだ?ざっと100年だな。割れ ながら苦し藤させられたぞ。そりゃそう だろうな。 グリモは呆れた顔で息を吐いている。 100年昨日遠くなるような話である。 魔人であるグリモから見てもすごいことな んだろう。準備を終えた我は年には念を 入れ手に村を襲わせた。そうすればこの国 の軍が出てくるだろうからな。それに勝利 すれば我が軍勢の力は証明される。そして カプなきまでに勝利した。倒れぬ魔獣相手 に貴様らはなす術がなかったであろう。今 こそ進行の準備は整ったのだ。ふははは。 高笑いするパズをグリモは鼻で笑った。 おいおい、カプなきまでに叩きのめしただ と。どう見てもここに1人残っているじゃ ねえか。むああ、そうだな。日な子供と その使い間がな。問題ない。すぐに すりつぶしてやる。パズが手を上げると ベアウルフたちが俺たちを取り囲む。目を 自ばらせ唸り声をあげていた。さあ行け。 そやつらを食い殺すのだ。 飛びかかってきたベアウルフたちが鋭い爪 と牙を俺へと突き立てようとしたその瞬間 である。ベアウルフたちは俺への攻撃を 止めるとそのまま着地し俺の橋元へ伏せた 。 ごく普通の庶民だった俺は血闘で命を 落とし、何の因果王族として転生した。 サルーム王国第7王子ロイドディサルーム 。それが俺の新しい名だ。今では10歳 この生活にも随分慣れてきたと思う。 ちなみに国の景色や文化雰囲気と 照らし合わせてみると俺は死んだ直後に この身体に転生したようだ。俺が学園に 通っていた頃、新しい王子がもうすぐ誕生 するらしいとか言ってたしな。少し申し訳 ない気もするがなってしまったものは 仕方ない。兄たちはすでに成人しており、 年も離れていた俺は大い継承争いとも ほとんど関係ない。おまけに身体も小さく 用姿も平凡、それに政治にも全く興味を 示さなかったので期待されてないようだっ た。だが兄たちが王になるために毎日毎日 マナーや学問武術をみっちり学んでいるの を見るとそれで良かったなと思う。おかげ で俺は大好きな魔術を思う存分勉強させて もらっているからだ。朝起きて図書館に 引きこもり魔術書を読みふける日々。その 増量はとんでもなく魔術書だけでも数百冊 はある。から始まり、専門的なものに至る までその全てに目を通した。前世で基礎を しっかりやっていたおかげか難しい魔術書 も理解はできた。もちろん魔術の再現も今 は色々と応用するための術式を編み上げて いる。ちなみにあの時俺を殺した魔術は 高価な媒体を使用したご利用子で今見れば そう大した魔術でもなかっただったようだ 。ちょっと残念。なお魔術が好きなのは 隠してないが、実力というかあれだけの 威力が出せるのは隠している。あんな魔術 が使えると知られたら絶対面倒なことに なるだろうし、そうなったら魔術の研究 どころではないだろう。期待されて多いが どうこう言われても困るしな。ちょっと 変わった魔術好きの王子。これが俺に 対する周りの評価であるべきだ。ロイド様 、どちらですか?ロイド様。 わあ、すごいですな。時々一般人に解放し ているらしいよ。動物園として国内でも 珍しい同植物が見れるからと解放の日は 大勢の人が訪れる。ちなみにその時の案内 人はエリス。アリーゼがやりたがっていた が、それはさすがに止められていた。部屋 の中央にある白いテーブルにアリーゼと共 に座った。エリス、お茶を用意して ちょうだい。かしこまりました。エリスは 頭を下げるといつの間にか手にしていた TDで茶を注ぐ。ハーブの良い香りが辺り に広がり、アリーゼは心地よさげに目を つる。早速ですがアリーゼさんの魔獣を 見せてもらいたいんですけど。あら せっかちさんね。ふ、分かったわ。ロイド の頼みですもの。 アリーゼが呼ぶと建物の屋根からふわっと した毛玉が起き上がる。さらりとした長い 足、全長ほどもある長い尻尾、ぴょコと 立った耳が動き、主人であるアリーゼの方 を向いた。ビルと呼ばれた巨大な狼は 力強く跳ねるとアリーゼの元へ降り立つ。 銀色のけ並と金色の瞳の美しい魔獣。背の 高さは3mはあるだろうか。すごい威圧感 である。紹介するわ。この子はリルよ。さ 、ご挨拶なさい。ウん。か高かい声でリル が泣くと白が俺の後ろに隠れた。でっかい から怖いのだろうか。それでも白は興味 深かげにリルをじっと見上げている。 こいつはレッサーフェンリルですな。 ベアウルフの上位種の割とやばめな魔獣 ですぜ。種かだから白も興味深影なのかも な。フェンリルってのは警戒心が強いため 滅たに確認されないと聞いたことがある。 戦動力も高く倍でドラゴンを買ったりも するらしい。劣島シュレッサーとはいえ そんな魔獣を買い鳴らすなんてアリーゼは 俺が思うよりすごいのかもしれない。これ は教えてもらえる内容にも期待できそうだ 。お願いします。俺もアリーゼア姉さんと リルのように白と石疎通をしたい。部屋に 帰った俺はベッドに寝転んでいた。頭の中 は全国試した20章魔術でいっぱいだ。 なるほど。なるほど。2つの異なる影で 魔術を発動させた場合、単純に1+1が2 になるわけではなく、全く別物となるのか 。列球も滝列水求もあのような先行爆発を 引き起こす要素はない。おそらく呪文が 重なり合うことで新たな現象を生み出した のだろう。そんな話を城の書物で読んだ ことがある。それは1人ではなく2人で 使う二重だったが、それにしても他の魔術 ではどんな反応が起こるのだろうか。色 踊りじめしてみたいよな。なあ、グリも 空間Y曲魔術とかで別次元に部屋とか作れ ないかなのできるわけねえっすよ。つか なんすかそれ聞いたこともねえですよ。 さすがに難しいか。空間系統の魔術は惚れ にとっても難易度が高く1つ2つしか使え ない。魔術の実験ができるほどの巨大な 空間を制御するのはさすがに無理だ。うん 。実験場所が欲しいところだな。射撃場を 使うわけにもいかないしかと言って屋上も 今回の件で警備が厳重化したからな。城の 外でやればいいんじゃないっすかね。上外 か。確かに城の外には広大な大地が広がっ ている。試しには持ってこいだろう。 しかし城の外に勝手に出たことを知られる とかなり怒られそうだ。第7とはいえ一応 王子である。自由にしていいとは言われて いるが、そこまでの勝手な行動は許されて いない。え、こっそり抜け出せばいいんす よ。どうせ分かりゃしませんって。 抜け出すだけならともかくそんな長時間の 間バレずに住むのは無理だな。特に問題な のはご衛権世話役であるシルファだ。毎日 現術ごっこに誘ってくるのだが、どこで 隠れて本を読んでいてもあっさり見つかっ てしまうのである。いや、待てよ。よく 考えたら今はグリモがいるし、あれを使え ば短時間ならごまかせるかもしれないな。 少し試したいことがある。付き合って くれるかい?グリもちろん でさ、試したいことというのは魔術による 身代わりだ。俺は手を広げると鏡を前にし て自分の姿を見ながら目の前に魔力を集め ていく。中心に小さな種が生まれ、それが 目を出しぐんぐんと空中に根を伸ばして いく。根は次第に人を形作り始めた。は、 俺様の螺旋クロ戦法を生身で受けたな。 てめは終わりだ。爆勢飛び上がれ。 グリモールが何やら方向を上げているその 間魔力並は俺の指先でとまっている。町 から派を停止させ、その構造を見ているの だ。 ふむふむ螺線であることにも黒色である ことにも特に意味はないか。それでも威力 は上がっているのはいわゆる気の持ち用と いうやつである。怒りなどの感情の 高しぶりや思い込みなどで魔術の性質が 変わるというのは応王にしてある。とは いえそれは良いことばかりではなく時には 反動を生む。なので一時期からはあまり 推奨されなくなったのだが古代魔術は そちら方面で進化していたのかもしれない 。それでここまで威力が出せるというのも 面白いと時間切れか停止させていたことで 術者からの魔力供給が立たれ魔力並は消滅 してしまった。まあ観察は十分か。そこ まで複雑なものでもなかったし、消えた 魔力並の先でグリモールは氷学の表情を 浮かべている。ば、バカな俺の最大威力の 魔術だぞ。あれを使えるようになるのに 何十年努力を重ねたと思ってやがる。それ をあっさりと驚愕の表情を浮かべる グリモワール。なるほど。今の魔術には 確かに相当の思考錯誤と終練が感じられる 。 操作血の滲むような努力の結果だ。うん。 さかし楽しかっただろう。魔術の修行は とても楽しいものだ。魔人だってそれは 同じだよな。やっぱり人間も魔人もそこは 同じなのだろう。うん。たのばバカか。 てめえはなんだかびっくりしているな。俺 何か変なこと言ったかな?くそ。ざけ やがって。今度こそグリモールは再度宣告 の魔術を唱え始める。うん。同じやつなら 2度も見なくていいかな。それにあまり レベルが高いとは言えないし。古代魔術は あまり攻撃性の高いものじゃないのかも しれない。ああ、攻撃の方はもう大丈夫。 分かったからさ。次は他のを見せてくれよ 。他の?うん。でもいいけど。そうだね。 防御魔術とか。ああ、俺が攻撃すれば 分かりやすいかな。そう言って俺は右手を かざし魔力を集めていく。とりあえず普通 の上位魔術から行ってみよう。続けて ラングリス流術下り安か非長。パズの背に 突き立つ双剣。ガガガガガガガガガ と激しい斬撃を繰り出しながらシルファは 着地した。目にも止まらぬ見事な検査だ。 おお、すごい。これがシルファの本気か。 このチョコマかしをってだがダメージは ないのか。着地したシルァを狙いパズの 蹴りが放たれる。しかし遅い。捉えたのは シルファの残像だった。残った足の前には 双剣を十時に構えたシルファがいた。 ニトラニコ相がそう。上下左右から 繰り出される4連撃により先結が吹き出す 。 シルファの顔色が変わる。深く食い込んだ 一撃にて剣が折れていたのだ。即座に剣を 捨てて離脱すると地陣に戻りボそりとつく 。硬いですね。どうか皆様の持つ件私に 預けていただけますか?おお。この絵たち はコクコ頷くと余剰の剣を集めて地面に 突き刺す。その数12本。やや心なさそう にそれを見るシルファだがすぐに気を 取り直し剣を抜く。サルーム王国 旧事係かり剣術師難シルファラングリス 押して参る。シルファの構えた双剣が 冷たい光を放っていた。ぬー女不勢がパズ がシルファに釘付け気けになっていたその 時である。スー深い呼吸音。その足元には 両手を交差させる小さな影があった。タオ だ。腰を低く落とし、構えたをひねるよう にして打ち出す。はズんと重点音が響く気 を込めた一撃。衝撃波がパズの足に走り、 その巨体がよめき倒れた。深みなリアブレ 動作が長くて当てにくいけど威力は ピカイチね。タオはニっと笑うと倒れた パズに向けて手のひを返しクイくイと 手招きをした。百下兼108代目習い タオイファ かかってくるある2人の攻撃を見たこの絵 たちの表情が変わる。お、俺たちもやるぞ 。そうだ。男を見せる時だ。震える手に剣 を握りしめ、ベアウルフラに向き直った。 どうやら気を取り直したようである。それ を見たアルベルトが覚悟を決めたように 頷く。皆もう少しだけ持ちえてもらえるか 。そしてパズを見据え言葉を続ける。 最上位魔術を使う。なるほど。なるほど。 そんなことより魔力の性質変化ってどう やるんだろう。俺は興味心身にパズの放っ ている魔力をじっと見ていた。というわけ でその夜俺は城の地下へ向かうことにした 。信じてくれたアルベルトを裏切るのは 少しだけ心がいたんだが、そんなことより 禁じっくり 見て触ってどんな術式が編み込まれている のか観察したい。入ってちょっと見てすぐ 帰れば問題ないだろう。多分深夜目を 覚ました俺はベッドから起き上がると動き やすい服に着替えて廊下出る。夫見つから ぬよう姿を隠さなければな。そう呟いて 念じると空気の渦が俺の身体を包み込む。 風景魔術イント車。これは風の流れで空気 のレンズを浸り出し、光の屈折を利用して 自分の姿を見えなくする魔術だ。不自然な 風の動きを作り出すので、それなりの 使い手が近くにいると気怒られてしまうが 城の兵士たち相手なら十分機能する。 ちなみに本来のイン車は術者が動けば解除 されてしまうが、俺のはゆっくり動けば ついてくる要制御してあると言っても あまり早く動きすぎると残像のように 見えるが歩く速度なら問題なし。どう中 兵士とすれ違ったが俺に気づいた様子は なかった。道中は順調。あっさりと地下へ の階段へたどり着く。入り口には特に 見張りはおらず、俺は階段を降りていく。 古い螺線階段を降りていくにつれ、 ピリピリと肌を刺すような感覚に襲われる 。これが結界か。近づくとより分かり やすいな。しかもこの結界外からの侵入を 防ぐというよりも中から破られないよう 編み込まれているようだ。どうやら中に やばいものがあるのは確定か。階段を 折り切ると周囲は石の壁で囲まれており、 正面には小さな扉があった。これが結界の 中心。触れようとすると強い抵抗を感じる 。まずは結界を解かなきゃだなかと言って 力任せに壊すわけにもいかない。侵入の 痕跡は残せないからな。とりあえず結界を 制御し、通過許可を得る形で通過する ベストだろう。その前に一応結界を貼って おいた方がいいか。結界の外側からもう1 枚結界を展開しておけば中で何か起きても 安心だ。俺が念じると泡のような形をした 魔力が俺を中心に広がっていく。水形等魔 術滝。単純な結界能力はもちろん主に衝撃 や音を柔らげる能力に特化しており、この 中で大爆発が起こっても他に知られること はない。その後ゆっくりと結界の構成を 調べる。ふむふむなるほどかなり強固な 結界だがどうやら王族の地下それに許可を 与えられたものであれば比較的要因に通貨 許可を得られるようだな。結界の制御系統 を書き換えてとよし。これで問題なく通過 できる。あ、物理的に鍵を開けるだけだ。 土計島魔術石型台で作り出した鍵を 差し込みひねると扉はあっさり開いた。地 子供だから呼吸量が少なくそれで効いてい ないのか。ならば直接食らうがいい。パズ は大きく息を吸い込むと真っ黒な煙を勢い よく吐き出してきた。黙々と黒園が俺を 包み込む。はケむ。目を閉じ、パタパタと 手を振って払う。く、変なもん吹きかけ やがってびっくりするじゃないか。しかも なんか変な匂いがするし、歯を磨いてない んじゃないか。俺が咳込みながら煙を 抜けると、その先ではパズが驚愕の表情を 浮かべていた。なんだと?なんだとじゃ ないよ。いきなり何するんだお前。 ためを吐く俺を見てパズは息を飲んでいる 。木貴様、我が魔力を食らって何ともない のかん?別にどうもないけど。さっきから 何を驚いているのだろう?もしかして何か 攻撃でもしてたのだろうか?そういえば 何か甘い香りがするような。首をかしげて いるとグリモがグパッと口を開けた。はあ 。てめの癖なんて聞かないとよ。俺の 手のひグリモを見たパズは驚いたのか目を 丸くした。ぬ。お前は魔人か。なぜ人間の 手のひにいる?う、うるせえな。てめえ にゃ関係ねえだろ。こっちにゃこっちの 都合があるんだよ。ふむ。そうかなるほど 。お前はその人間の使い間となっているの か。大型復活の際に好きでも使えて強制的 に獣魔契約を強いられたのであろうが人間 ごときに使い間にされるなど魔人の風情に もおけん全くもって投げかわしい。同じ 魔人として恥ずかしいぞ。へえ、そうなの か。各かに閉じ込められていたのだから グリモも本調子じゃなかったんだろうな。 だが我はそのような油断はせぬ。万全を 騎士復活し、晩弱の備えで動いているのだ 。見たであろう我が軍勢を。無事魔獣狩り は成功した。みんなのおかげだ。感謝する 。おお。アルベルトの言葉にこの絵たちが もろテをあげて換気の声をあげる。うん。 せっかく城から外に出たのにもう終わりか 。結局魔獣とは戦えなかったし。物足り ないな。はもう沈みかけている。今日は ここで止まっては明日にしよう。日付けば もう夕暮れである。夕日がコメに反射して とても綺麗だ。夜になったら抜け出して 魔術の練習でもできないかななんて考えて いると。ロイド様、私たちのテントが用意 できましたよ。テントの設営を終えた シルファが俺に微笑耳かけてくる。かなり 小さなテントだ。こんなところで2人で 寝るのか。こっそり抜け出そうとしたら 確実に目を覚ますだろうな。シルファだし 間違いない。わあ、残念だけど今回の外出 はこれで終わりか。俺も魔重を借りたかっ たな。さ、私は夕食の準備をしてきます。 ロイド様はこちらでお待ちを。おおんと シルファの声と重なるように低い音が 聞こえる。犬の吠え声。いや、これは狼 でしょうか?いや、それにしては少し声が 太いような気がする。普通の狼はもっと か高い声で吠える。遠すぎて聞き取り づらいな、ベアウルフのそれによく似てい た。おおん。おおん。遠覚えは徐々に近く なっていく。しかも1つではない。周りの 森中から聞こえてくるようだ。ここまで 来るとこの絵も違和感を感じたのか騒ぎ 始めるな。なんだこの方向は?どんどん 近づいてくるぞ。休んでいる奴ら全員出て こい。テントで休んでいた者たちも ゾろぞろと出てきた。皆緊張したお持ちで 武器を構えている。ロイドこっちへ来い。 アルベルトの元へ小走で行くとこの絵たち が俺たちを中心にしてエンジンを組む。 辺りをピリピリした空気が漂。うう。もう すぐそこで唸り声が聞こえる。ガサり ガサリと草むが揺れ、そこから巨大な狼が 顔を出した。やはりベアウルフだな。 あまりレベルが高いとは言えない生成魔術 だね。切界を無理やり金にしたのかい。 順度が低すぎるし。中身もスカスカだ。 これじゃあ駆け出しの商人も騙せないよ。 そもそも魔術での金の生成は禁じられて いる。というか俺は王子だし金には困って ないんだよな。むぐグぐた。だったら 不老不だ。お前さんを不労士にしてやるよ 。悪いが自分の身体に他人の術式を施さ れるのは好きじゃない。特に不労士なんて 強い術式を人体に編み込むなんてどんな リスクがあるか分かったものじゃないよ。 魔術というものは万能ではない。低レベル の魔術なら魔力の消費だけでなんとかなる が、あまりに高レベルな魔術は術者や比術 車にも負荷がかかる。不労士なんてのは 相当うまく術式を編み込んでもかなり重い リスクをしうはずだ。で言えば重度の神経 麻痺や肉体の欠損とかとてもそんな術式を おそれとは受けられない。壺しだったのか グリモールは顔を歪めている。やはりもう 1度封印させてもらうよ。君は危険そうだ しね。ま、待て。待ってくれ。頼むから。 俺は全然危険じゃねえ。良い魔人なんだ。 封印されたのだってちょっといたずらした だけなんだよ。うん。でも嘘言ってるかも しれないしな。やはり封印。俺が本に 触れようとした時であるな。なら魔術は どうだ?魔人がぽつりと呟いた。何百年も 前の古代魔術だ。お前さんも魔術師なら 興味あるんじゃねえのか。そいつを教えて やる。どうだ?ロイド。しばし考え込んで 俺は頷く。面白い。今更言うまでもなく俺 は魔術が好きだ。古代の魔術か。伝説に よると大地を揺がし洪水を起こし、海を 割るなんてのも聞いたことがある。実物は どれほどのものだろうか。是非見てみたい 。俺の言葉にグリモワールはパッと表情を 明るくした。図書館の静寂を破ったのは 女性の声。充実した毎日を送っている俺だ が面倒なこともいくつかある。その1つが 声の主。俺の教育を任さえているメイドの シルファだ。シルファは俺を見つけると 駆け寄ってきてしゃがみ込み優しく微笑む 。長い銀髪がりと落ち、それを指で救った 。やはりまた図書館にいらっしゃったの ですね。もう本ばかり読んでいるのは身体 によくありません。私と一緒に外で遊び ませんか?その笑顔にはうを言わせぬ迫力 があった。シルファにとっては子供は元気 に外をかけ回るのが普通で図書館に 小もりきりな俺を売れているのかしばしば 連れ出そうとしてくるのだ。余計なお世話 なのだが俺のことを思っていっているのは よく分かるのでなかなかそうも言えないん だよな。俺はためを吐くと諦めて本を 閉じる。分かったよ。シルファ、そんな 悲しい顔をしないでくださいまし。本は いつでも読めますわ。ほら、せっかくいい 天気です。外へ参りましょう。そんなわけ でシルファに手を引かれ、俺は庭に出るの だった。ロイド様、今日は堅術ごっこで 遊びましょう。え、また男子る物術の1つ も確むべしですよ。さあ、牧刀をお持ち くださいませ。シルファは僕を俺に渡し、 自分も構える。さあ、どこからでも 打ち込んできてください。満面の笑を 浮かべるシルファ。その構えはリラックス しているが堂々としたものだ。それもその はず。シルファの父は騎士団長で代々合族 の堅術師難をしているのだ。娘である シルファもかなりの腕前で以前兵士に しつこく絡まれていた時、あっという間に 相手の剣を奪いその首元に突きつけたのを 見たことがある。ま面木で美人だが融通が 効かない。ちょっと追っかない人。それが シルファだ。だから俺が手を抜いていたら すぐ見抜いてくるので本気でやる必要が ある。俺は剣を握り直し正願に構える。 行きますよ。というわけで戦理品の確認だ な。その夜夕食を終えた俺は早々に部屋へ 戻りカを広げた。ダンジョンから持ち帰っ た三石、ストーンスライムのかけら、宝箱 の消え、魔術が付与された探検をベッドに 転がす。ロイド様何ですか?そそりゃ ダンジョンから持ち帰ったのさ。通りで 遅いと思ったらダンジョンを攻略してきた んですかい。たにため息を吐くグリもだ から悪かったって。まず手に取ったのは 三師。タオの言っていた通りダンジョン から出したことで光を失っているようだ。 ちょっと削ってみるか。水形等魔術水場 にて三石をゴリゴリと削っていく。硬い物 を削る場合、質量のない風場よりは質量の ある水場の方がやりやすい。削り出してみ たが石の内部には特に気になる点は見受け られない。どこにでもあるごく普通の石だ な。俺の仮説と合わせて考えると ダンジョンの核は様々なものを取り込んで 成長する。おそらくこういった石や土を 取り込みながらダンジョンを作ったん だろうな。ということはダンジョンで採取 したものはその場を離れると元の物体に 戻るのだろう。こっちの宝箱の破片はダめ だ。全く魔力を感じない。核というのは おそらく魔法生物とでもいう存在切断した 時に死んでしまったのだろう。ちなみに ストーンスライムのかけらもただの土に 戻っている。ダンジョンから離れたので元 の土に戻ったのか。だがリッチは自分の ダンジョンから離れても平気そうだったな 。高レベルの魔物ともなればまた違うのか もしれない。いや、ダンジョンが1匹の 巨大な魔物と考えるとどうだ?強力な魔物 には単独で活動できるよう核があると聞い たことがあるし、ま、赤説の息を出ないか 。魔獣だ。まだいたのか。ぐる王 グお。 1匹だけではない。2匹、3匹と森の中 から飛び出してくる。あっという間に俺 たちはベオールフの群れに取り囲まれて しまった。しかもそれだけではない。森の 奥からはどんどん遠えが集まってきていた 。バカな魔獣は群れないはず。それがなぜ こんなに皆老婆言えているがこれは チャンスだ。この絵たちは魔獣1匹でも 苦戦してたし。これだけいるなら俺が倒し てしまっても構わんだろう。もちろん開魔 術以外を使うつもりはないが、それだけで も十分だ。よっしゃ、テンション上がって きた。アルベルト兄さん、俺も戦います。 ああ、分かった。期待しているぞ、ロイド 。来ます。シルファの声とほぼ同時に ベアウルフたちが飛びかかってくる。おく 。アルベルト様とロイド様をお守りしろ。 この絵たちは密集し、俺たちの前に壁を 作る。その奥からアルベルトが演列火球を 放った。燃え裂かる炎に焼かれの打ち回る ベアウルフ。よし、俺もやってやるぞ。 暗え。やや棒読み君で放つのは火球だ。 飛び出した日の玉はベアウルフの鼻先を 焼きひませた。そこへこの絵たちの斬撃が 加わり交代させる。ロイド様、なんで もっと強力な魔術を使わないんですかい? 上位魔術の1つでも使えばこんな奴ら1発 で倒せるでしょう。だってすぐ全滅させ たら面白くないじゃないか。せっかく魔獣 相手に魔術を使う機会なのだ。どうせなら 長く楽しみたい。そうだ。倒れた魔獣に 魔術と掲けたらもっと長く楽しめるんじゃ ないか。ついでにこの絵たちにもかければ 永久期間の完成だ。割れながらナイス アイデア。悪魔ままとひらめきである。 そう。そいつはさすがにやめた方が よろしいかと思いやすがだがグリモは ドん引きしながらダメ出しをしてきた。か によく考えたら血魔術でも気力までは回復 しないし長期線で木の緩んだこの絵たちが 殺される可能性もあるか。さすがに自分の 実験で人が死んだら後味が悪いしやめて おくかと言って確かに火球だけだとあまり 面白くなさそうだ。じゃあせめて気を試う 。覚えたばかりだから生き物相手にはまだ ほとんど検証してないしな。敵も 大いし当て放題である。俺は呼吸と共に 右手に体内の木を集めていく。タオのやっ ていた気構団だ。以前やった時は肺が めちゃくちゃ痛かったが、中魔術を ピンポイントで肺に当てながらやれば かなり痛みを柔らげることができる。よし 、行ける。は、それを火球で覆って カモフラージュし放つ。放たれたパイプの 玉飛行団はまっすぐ飛んでいきに命中した 。ぐお 悲鳴をあげて吹っ飛ぶベアウルフだがすぐ に立ち上がってきた。いまい聞いてないか ?純粋な木の攻撃だとタオの足元にも及ば ない。ロロイド様、今のは一体あ 木だよ。タオに教えてもらったんだな。俺 の言葉にグリモは驚いている日ってのは 確か大昔に戦った異国人が使っていた技だ よな。長年の修行が必要って話だが倒って 小娘にあったのは数日前だろう。そんな 短期間で覚えたっていうのか信じられねえ 。グリモはまたドん引きしているようだ。 もしかして俺が手を抜いて長引かせようと しているとか考えているのだろうか?残念 ながら全力なんだよな。やっぱり木は 難しい。それじゃあみんな再見またね。町 へ戻った俺たちはタオと別れを告げた。 ちなみに城以外のベアウルフたちは俺に ついては来ず森に残るらしい。おそらく まだ成長していない子供たちがいるの だろうとグリムが言っていた。白に人を 襲ったりさせるなよと言っておいたが、 どこまで理解しているかは不明だ。まあ、 俺の言ってることは分かるっぽいし大丈夫 だろう。多分。おん、大丈夫だというよう に自信たっぷりに吠える城。ま、姿はどう 見てもただの犬だしな。村人たちもむやみ に怖がることはないか。ただこいつら内放 する魔力量が以前よりもずっと増えている 気がするが深く考えないようにしよう。 それから数日が経ち、俺は玉座の間へと 呼び出された。アルベルトも一緒だ。いつ もなら目が合うとウインクの1つでも横し てきそうなものなのに重もしい顔をして いる。一体どうかしたのだろうか。大ア アルベルト。そしてロイドよ。よくぞ参っ た。俺の心配をよそにチャールズは俺たち を迎える。まずはアルベルトよ魔獣討伐の 人よくぞ成功させた。だが色々とトラブル があったようだな。複数の魔獣と魔人に 襲われ、被害がなかったのは運が良かった としか言いようがある前。お前は第2王子 の身だ。お前自身が優秀な魔術師であるの も知っておる。 しかしこの絵だけを連れていくのは行くのはい坂さだったと言わざるを得ないだろうな。 は、申し開きの余地もありません。シャールズの厳しい言葉にアルベルトは神戸を耐えたままだった。かに言わみれば少し軽卒だった気もする。魔人が出たのは外にしても重討伐はやはり危険が伴う行為だもんな。アルベルトも随分反省しているようだ。 うむ。今後は慎しむように。そしてロイド よ。はい。う、やはりお説教か。俺は緊張 しながらチャールズの言葉を待つ。よく やったな。だが予想に反し、俺に投げかけ られた言葉は賞賛であった。思わず顔を あげるとシャールズは蓄えた髭の下にエミ を浮かべ頷く。アルベルトから聞いたぞ。 この絵たちに力を与え、魔獣に囲まれても 果間に立ち向かっていたと。その年で 大したものじゃ。はあ。てっきり俺も怒ら れるかと思ったのだが表紙抜けである。 シャールズはやや前のメりになり言葉を 続ける。お前の才能はシルファからもよく 聞きんでおる。堅術の腕もメキメキあげて おるようだな。与えられた課題に応じ結果 を出すというのは王として最も大事なこと の1つじゃ。どうだろう?少々慰例だが お前に時い継承権を与えようと思うのじゃ がな。やあロイド何をしているんだい。 いつものように読書を嗜んでいると爽やか な青年の声が聞こえた。振り向くと金髪の すらりと背の高いイケメンが立っている。 俺のここの都上の兄アルベルトだ。 サルーム国の第2王子で大い継承権も第2 位。だが分部ともに非常に優秀で時王との 噂も立っているほどである。アルベルトは 俺が魔術書を読んでいるのを見てニコりと 微笑む。魔術書を読んでいるんだね。僕も 一緒してもいいかな?もちろん構いません よ。アルベルト兄さんありがとう。では 失礼して。アルベルトはテーブルを挟んで 俺の正面に腰かける。手にしていたのは 政治関係の本だった。俺がテーブルに積ん でいる魔術書の山を一別し、自分も読書に 没頭し始める。他の兄たちは俺をあまり気 にしていないようだが、アルベルトはなぜ か俺をよく気にかけてくれる。多分普通に いい人なんだろうな。それにシルファと 違って俺にあ、あ、白ロコしろと言ってこ ないのもいい。俺はアルベルトから本に 視線を戻し、また読書に没頭し始めた。 どれくらい経っただろうかパタンという音 がしてアルベルトが本を置く。ふう。 ロイドの集中力はすごいね。こん負けだよ 。本当に魔術が好きなんだね。アルベルト が立ち上がり腕を持ち上げるとバキバキと 音が鳴った。首を傾けるとまたボキボキと それを見た俺は思わず苦傷する。お疲れ様 です。アルベルト兄さん。僕は気分転換に 少し身体を動かしてくるとしよう。よかっ たらロイドも来るかい?射撃場ですか? ああ、好きだろう。はい。俺はアルベルト の誘いに即頭する。俺は身体を動かすのは 好きではないが、アルベルトの誘いは別だ と言っても好感度がどうとかいう話では ない。光継者として期待されている アルベルトには様々な施設の使用権があり 、今から気分転換に行く射撃場は魔術の 練習に持ってこいなのだ。さて、お宝を もらって帰るとするか。ボスのいた部屋の さらに奥に小部屋がある。そこには豪華な 宝箱が置かれていた。あれね、宝箱? ロベルトが開けるといいよ。いいのか? このダンジョンはほとんどタオが1人で 攻略したようなもんだろう。でもロベルト がいなかったら私死んでたよ。だから ロベルトに開ける資格あるね。分かった。 そういうことなら俺は宝箱の前に進みおむ に開けた。中には探検が1本入っていた。 お、探検か。どれどれちょっと見せるね。 俺の後ろでそれを見ていたタオが探検を じっと見つめる。そしてペチンとおでこを 叩いた。あ、じゃあ残念。はれあるな。 そうなのか。何かの魔力が込められている 感じがするが。うん。言う通り。これは 魔術の付与された探検だけど大したもの じゃないよ。まず元となっているこの探検 が何の変哲もない鉄ナイフだし何の装飾も さえてない。そんな探検には強い魔術が 付与できないよ。多分付与の練習台あるな 。何者かが練習用に魔術付与した探検ね。 見た感じ少し箱ぼれもしているしんだ後も ある。まるで誰かが所持していたような ものだ。それがダンジョンのお宝になって いるのは変だな。そんなことを考えている と宝箱が地面にゆっくり埋まっていく。 まさか 俺はとっさに風景トマ術風説で風の歯を 生み出すと宝箱の一部を切断した。 切り取った宝箱の一部からはとても強い 魔力を感じる。そうか。これがダンジョン の核とも言える存在。 こいつは普段は地中に生息し、誰かの 落とした魔道具などを取り込んで ダンジョンとして成長するのだ。そして 攻略されそうになったら宝箱のふりをして 中身を差し出しその隙に逃げるとなるほど 面白い。よくできている。シャールズの 言葉を俺は驚きの声をあげる。そんなこと になればアルベルトラに混じって王になる ための勉強をしなければならなくなるし、 他の王子たちと大いを競そって争わねば ならない。俺は気ままに魔術の研究をし たいのだ。時期多い継承権なんて真っぴら ごめである。おお。アルベルトが 立ち上がる。反対してくれるのだろう。 助かった。まだ10歳である俺に時期継承 権を与えるなんていくら何でも無茶な話で ある。ほっと胸を撫です。とても良い考え です。ロイドはきっとこの国を支える存在 になる。王としての学びはその時きっと 将来の役に立つ。ロイドとの大い争いは僕 としても脅威ではありますが相手がロイド なら負けてやむなし。むしろ競い合えた ことを公栄にすら思いますと思ったら アルベルトまで賛成している。おいおい、 ちょっと待て。俺は慌てて立ち上がる。ま 、待ってください。身に余る光栄感謝 いたします。ですが自分はとてもこの国の 大たる器ではありません。慎しんで事態 申し上げます。む、俺の言葉にチャールズ は少し考えて頷いた。 そうか。それは残念だ。ふう。良かった。 なんとか断れたようである。いきなり大い 継承権とかむちゃくちゃだぜ。しかしに あっさり引き下がったな。まあいいや。 これで安心だ。俺はアンドの息を吐いた。 なるほど。つまりロイドよ。お前の器は この国だけで収まるものではないと言い たいのだな。確かこの大陸は未だ平穏とは 言えぬ。それを統一するような世界の覇王 となるとふ、我が息子ながら大きく出た ものだ。そういうことならその考え尊重せ ねばなるまいて。この国では収まりきら ないうは確かにそうだ。例えば世界をまた にかけた大魔術師ウィリアムボルド士の ような人物に育つかもしれない。そのため には王としての教育よりもっと他にもっと やるべきことがあるのかもしれない。 シャールズとアルベルトが何かブツブツ 言っている。2人ともニヤニヤしてるけど 大丈夫だろうか。ロイドよ。ではこれから もしっかりと励むのじゃぞ。期待している ぞ、ロイド。はい。なんだか2人がすごく 期待を込めた目で見てくるがともあれ、 なんとか大い継承権は継がずに住んだよう である。人安心だ。少女を取り囲むのは 豚顔の巨体。あれは確か多くだっけ?城に あった魔物図鑑で見たことがある。せや 少女が気合いと共に小属を叩き込むと多く が吹き飛ばされた。倒された多くは口から 泡を吐き、ビクンビクンと痙攣している。 よく見れば周りには何体も多くが倒れふし ている。各か多くはかなり強い魔物だと 書いてた気がする。それをあれだけの数 1人で倒すなんて。あの子結構すごいな。 ひんだ多くたちを少女は鋭い頑光でじろり と睨みつけた。ぷギ、ぷギー、プギー。 すると多くたちは悲鳴をあげて逃げ出して しまった。ああ、もっと見たかったのに 残念だ。そこにいるのは誰ね?そんなこと を考えていると少女が声をあげた。俺の ことだろうか。そう思い顔を出してみると 少女はこちらに視線を向けていた。と離れ ていたのに感づくとは武術の達人は離れて いるものの気配を察するというしここは 観念して出ていくか。俺は両手を上げ敵体 の意思なしとアピールしながら岩影から出 てくる。えっと、こんにちは。怪しいもの じゃないよ。 俺を見た少女が一瞬驚いたように目を丸く した。まさか知り合い?いやいや、そんな はずはないか。この姿今俺が作ったんだし 。少女は長い沈黙の後ボソりとつく。何者 かお前名前か?そういえば考えてなかった な。えと、俺はロベルト 冒険者なんだけど仲間とはぐれちゃって。 あまり怪しまえても面倒だし冒険者という ことにしておこう。俺の言葉に少女は少し 考えて言葉を発する。あ、はオ。冒険者 階級はB。ジョブは見ての通り部島かね。 なるほど。タオさんは1人なの?弱っちい 奴らとなれ合う趣味はないだけよ。俺の 問いにタオと名乗った少女はつまらなそう に返してきた。あまりよく知らない人間と の接触は良くない。時間も無限にあるわけ じゃないしな。ここは適当にずらかるべき か。俺はこっそりとタオに背を向ける。 ああ、じゃあ俺はこの辺で待つね。合死と 肩を掴まれた。いてすごい力だ。ここは 魔物の出る危険なこや。お前よは騒出し町 へ帰るまでに食べられるよ。私も今から 帰るとこだし街まで送るね。いやいや、俺 も冒険者。ちゃんと1人でも戦えるから 大丈夫だよ。だめね。ここで見捨てたら女 が廃るよ。うむを言わさぬその鋭い目。 この迫力なんとなくシルファを思い出さ せる。あまり人の親切を無にするのも良く ないか。冒険者と魔物の戦いを間近で観察 できるチャンスだし。分かったよ。お願い します。うん。任せるね。ため息を吐く俺 を見てタオは満面の笑を浮かべる。そして 俺に背を向け歩き始めた。来た。とんでも ないイケメンある。私の好みドストライク ね。ここでオを売っておけば感謝の壁丼 くらいは期待できるね。ふひふひ。なん だろう。すごく邪悪な顔をしている気が する。まあいいか。 何かあったらダッシュで逃げよう。準備を 終えて翌日、俺たちは魔獣狩りに向かう ことにした。アルベルと引き入いるこの絵 たちが15人は馬に乗り踊りじれが付与し た武器を持っている。彼らに護衛される ようにアルベルトその隣に俺が少し後ろを シルファがついてくる。そういえばロイド は城を出るのは初めてだったね。どうだい ?外の景色を見た感想は実はちょいちょい 抜け出してるんだけどな。もっと言うと 前世で橋がない平民暮らしだったので外の 景色なんてそう珍しくはないものである。 はい。いろんな人たちがたくさんいて見て いて飽きないですね。ま、そんなこと言う はずないけど全力で喜んでおけばまた連れ てってもらえるしね。俺の目ろみ通り アルベルトは満足に頷いている。あら、 アルベルト様よ。タを組んでどこへ行く かしら?きっと魔獣狩りよ。あ、こっち見 たわ。ひゃあ。アルベルト様。街中を歩い ていると裏たちがアルベルトを見て黄色い 声をあげている。モテモテだな。確かに アルベルトはどこから見ても完璧な王子様 、世の女性たちがキャーキャー言うのも 無理はあるまい。ところであの小さい子は 誰かしら?初めて見るわ。立派な服を着て いるし君なのかも。うん。可愛らしい 顔立ちではあるけどアルベルト様と比べる とね。同時にお礼へも視線が注がえている ようだ。あまり興味もなさそうだけれど、 俺がそんなことを考えていると、シルファ が重もしくた息を吐いた。そして女性たち をきっと睨みつける。女性たちはきっと 悲鳴をあげ、そ草さと群衆へと紛れていっ た。ふう。世の女性たちは分かっていませ んね。確かにアルベルト様は素晴らし方 です。ですがロイド様も負けず劣らず 素晴らしい。いえ、将来性を神すれば アルベルト様をも超える逸罪なんと見る目 のない。同じ女として投げかわしいこと です。何をブツブツ言ってるのだろうか。 さっきが漏れてて怖いんですけど。少し 離れよう。俺は馬の腹を蹴り前へと進ま せるのだった。美味しいよ、シルファ。 ああ、さっき取ったばかりの獣の肉なのに ちな臭さをほとんど感じない。見事な腕だ 。アルベルトも下つみを打っている。お口 に合って良かったです。肉の中でも特に血 の匂いが薄い部を使いましたので、それに 役味もたくさん生えていましたので身 をいけしにとええ、詳しいんだね。 やっぱりシルファはすごいな。メ度の 足並みですのでうやうやしく頭を下げる シルファ。俺は思う存分食事を楽しむの だった。ふう。満腹みるく。食後のお茶が 終わり、俺たちはゆっくりしていた。 すでに日は落ちかけているので魔ガりは 明日の朝からの予定である。デザートの 甘い果実を食べているとアルベルトが 難しい顔をしているのに気づく。どうした んですか?アルベルト兄さん。いや、妙だ と思ってね。焼けにたくさんの獣が取れ すぎている。うさギも鹿もイノシシシも 活動時期が微妙にずれているんだ。にも 関わらずこんなにあっさり取れるのは やはり何かおかしい。アルベルトは顎に手 を当て考え込んでいる。あまり獣の生体は 分からないが言われてみればこの森には 入った時から何か違和感を感じていた。 何かあるのだろうか。うおん。突獣の方向 が響く。音の方を向くと森の中から巨大な 狼が出てくるのが見えた。ま、魔獣だ。 ゆっくり休んでいたこの絵たちは慌て ながらも武器を手に立ち上がり魔獣を 取り囲む。針金のような分厚く黒い毛に シンクの瞳。大きな口からは鋭い牙が覗い ている。そして狼というにはあまりにも 巨大な身体。あれは確かベアウルフ。魔力 により化した身体はクと見うほどだ。やる ぞ。ロイドも来い。はい。言われるまでも なく俺は立ち上がりアルベルトに続く。 おお。倒したはずの魔獣の復活による同様 。それを畳みかけるようにパズが方向を 上げる。ぐお。それを川切りにベアウルフ たちが突っ込んできた。この絵たちも防御 を試みるがすでに気迫で負けている。その 上さらなる巨体であるパズもいるのだ。誰 も彼もお呼び越しである。そんなことで パズが遠慮するはずもなく大きく 振りかぶった一撃がこの絵数人をまとめて 捉える。ぐわあ。1振りでこの絵たちは 投ぎ飛ばされてしまった。続いての蹴りを 受けようとしたこの絵の剣がへし折れ地面 に投げ出された。1人また1人とパずに 倒されていくこの絵たち。レアウルフと 相対していた者たちもそれを顔色を青く する。火 強い。あれが魔人と止められるわけがない 。圧倒的な戦力差にこの絵たちは繊維を 失いつつあった。戦は乱れ従輪を待つのみ と思われたその時である。彼らの間に一人 の風が吹いた。借りますよ。リンとした声 と共に駆け抜けたのはシルファだ。その 両手にはそれぞれこの絵のさやから 抜き取ったでアロー剣が握られていた。 草剣が太陽の光に反射しらりと光る。 アングリス流走剣術登り送え た剣を地にすらせながらシルファはパズに 向かって走る。2本の線を地面に描き ながらパズの足元にたどり着くと垂直に 飛んだ。その登り様に繰り出される牽線。 両客からどうそして肩には剣筋の跡が はっきりと残されていた。ぬぐ巨体を 駆けのりながらの凄まじい斬撃にパズは 埋めき声をあげる。トンとパズの肩を足場 にシルファは空中で反回転する。両手の剣 は逆手に握られていた。魔術には全て影が 存在する。ただほとんどどの魔術師は各々 自分にあった形で術式で無営象化あるいは 観略化しているのだ。の魔術なんかは影承 も魔力もほぼ必要ないが、上位魔術になっ てくるとさすがに術式だけでは補えない ため呪文の影が必要となってくる。それを 20章で同時発動させる。果たしてどんな 効果が生まれるのかワクワクするな。行く ぞ、グリモ。えい。俺の言葉と共に右手に グリモの口が開いた。改めて呪文の影を 開始する。 やあ。突如グリモが悲鳴をあげた。なナな 。今のは一体何なんですさ。え、呪文を 影承しただけだが、今のがなんかとんでも ない量の呪文が一気に聞こえたんですが、 ああ、呪文束だよ。一呼吸に100の呪文 を束にして突っ込んでいる。宣告ついだが その束である。 魔人ともなればこのくらいできると思ったのだが。 いや、無理っすよ。 呪文束くらいは知ってますが、束ねられるのはせぜ 2つか3 つくらいっす。その影象速度についていくには開魔術の例えば火球とかでないと無理っすよ。火球に承は不要だろ。いえ、自分は普通に必要すよ。驚いた。 火球みたいな買魔術にも影が必要なのか。 古代魔術は影少重視の文化なのかもしれ ないな。こっちは逆に影縮に特化した術式 を編んでいるから買魔術に影承はできない んだよな。まあそういうことなら仕方ない 。じゃあ俺1人でやるしかないか。人って ことは2人分の影を1人でやるってことっ すか?ああ、とりあえずこっちの口で普通 に喋れるかだな。ああ。うん。普通に 行けるな。手の口から声を出してみる。妙 な感覚だが難しくはない。これなら1人 20もできそうだ。念のため結界を張って おくか。では改めて 円列火球と滝列水求2つの上位魔術を20 影する。やや上空に座標を指定したそれは 正確に発動している。いるのだがなんだ こりゃ。とんでもない魔力の氷を感じる。 これ以上やると結界が持たない。そう判断 した俺は魔力供給を立ち強制的に発動さ せる。極後混じりやった2つの魔術が破裂 する。ドーン と大爆発を引き起こし結界は消滅。周囲の 雲が消し飛んでいたな。南通威力。ああ、 こりゃすごいな。これが二重か。かなり 威力を抑えたつもりだったが、それでも俺 の結界を破るとは全力で打ったらどうなる ことやら。なんだ。城の上空ですごい音が 聞こえたぞ。まさか龍でも現れたか?走れ 走れ。開花から見張の兵士たちの声が 聞こえてきた。やべ、見つかったら怒られ ちまう。俺は屋上から飛び降り自分の部屋 へと駆け戻るのだった。一呼吸に7つが れる呪文タ。それを2つの口で同時に唱え ていく。術問が無数に並び回内がまばゆく 輝き始めたな。なんだその高速A賞は? あれほどの密度を持つ呪文束を簡単なく 編み込んでいるだと。グー。あ、頭が痛く て割れそうだ。行くぞ。そして術式を解放 する。術問が開き、そこから放たれる無数 の魔術。 パズの声が一瞬聞こえたが、結界内部に 吹き荒れる破壊の本流ですぐかき消されて しまった。1秒に1サイクル1分で240 回の最上位魔術の連続。以前グリモにやっ たのと同じ攻撃だ。ん?数秒後異変に 気づく。結界内の手応えがなくなっている 。俺は術式を消し、結界を解除した。 黙クモクと上がる煙の中からミーラのよう に光らびたパズが湖海に落ちた。パズの ミーラはわずかに口を動かしながら プカプカと浮いている。う、そんなパズを 見下ろしグリモが笑う。へ、あれだけ でかい靴叩いた割に随分あっけなかったな 。こら、煽るなよ、グリモ。っていうか、 お前も大概でかい口叩いていただろ。でも グリモは30分くらい耐えてたっけ?まあ 、あまり変わらないか。しかし結局 ダメージ受けてるじゃないか。本当に魔人 に魔術は効かないのか?普通はそうす。 ただ半分精神体である魔人には音や光など で感じる不快感がそのままダメージとなる んですよ。ほんのわずかですが、それを 続けて浴び続けるとこうなっちゃうわけか 。ことや光でダメージを受けるなんて意外 と繊細な奴らだな。魔人ンって意外と 大したことないのかもしれないん?パズが 何か言ってるな。俺は光びたパズをひょい とつまみ上げる な。なぜだ我の努力がこんなにもあっさり となぜ勝てぬパズ。お前はずっと大変だっ たとか苦労したとか言ってたけどさ、そう いうのもっと楽しんでやった方がいいよ。 楽しんで。うん。だって楽しくないのに 無理してやっても身につかないだろう。 それにそういう気持ちはハ花の魔獣たちに も必ず伝わる。伝わればそんなやの命令 なんて聞きたくないよ。お前自身がもっと 楽しんで魔獣たちと接していたら俺が ちょっと暗い魔力を与えても願らなかった と思うぜ。ほの少し退治しただけだったが 、パズの魔獣たちへの態度は決して良いと は言えなかった。俺が魔力を与えたのは 単なるきっかけでいつを向けられても おかしくはなかったろう。おお、何なんす かそりゃ。受刑討魔術型台だよ。特定系統 に存在する片は魔力で木や石などを形づり 様々なものを生み出す魔術。特に受刑と 魔術による片しは樹目を育てて形とする ため弾力と硬さに富み繊細な造形を可能と するのだ。あっという間に俺と全く同じ姿 の人形が完成した。こんな成功な片は見た ことありませんぜ。全くこりゃ頭げたもん だ。ロイド様そっくりじゃねえすか。そう いう風に作ったからね。似ているのは外見 だけではない。系統も加えることで骨を石 、肉を泥、皮膚を受脂、全身に根をはわせ 神経とし、血流のように魔力を流し動力と しているので、当然動かすこともできる。 土と木で作っているためかなりも脆ろいが 、注ぎ込む魔力次第では数日は活動可能で ある。確かに見た目だけなら問題はないん だが、どうにも動かすのに手がかかってね 、作り出した物体を人間のように動かすの はかなり気を使う。とてもじゃないが、 身代わりを動かしながら外出し、魔術の 実験なんて不可能だ。そりゃ自分の身体を 2つ制御するようなもんでしょう。人間技 じゃねえですよ。うん。だからこいつの 制御をグリモに頼もうと思うな。驚愕の 表情を浮かべるグリモに言葉を続ける。 グリモは実態と精神体の間にいるような 構造だろう。だったら身体の部分を俺の 右手に残し精神体をこの人形に宿らせる なんてこともできるんじゃないのか。 そりゃまあ増えことですが会話の受けこえ は俺がするから大丈夫だ。グリモは状況に 合わせて身体を動かしてくれればいい。俺 の鳥にグリモはなぜかそワそわしている。 そのですがいいんですかい?ロイド様の 思う通りに振る舞えるとは限りませんぜ。 俺が頼んでいるんだから構わないだろう。 早速その中に入ってみてくれ。え、じゃあ 俺が忙すとグリモはいかしむように人形の 身体に入っていく。人形の目が開き動作を 確認するように手足を動かすグリモ。うん 。問題はなさそうだ。グリモは立ち上がっ てグリグリと首を動かした後、俺に背を 向け元をに焼けさせた。ぐひ。信じられ ないぜ。もうこんな自由がもらえるとはよ 。よほど信用されてるのか。こいつが1人 で外へ行ってる間に周りの人間をうまく 使えばグリモ。えい。声をかけるとグリモ は驚いたのか君と肩を振わせた。なぜか 恐ろる恐る振り向くグリモにっこり 微笑みかける。頼んだよ。そう言うと グリモは放けた顔で俺をじっと見つめて くる。どうかしたかい?いえ、なんでも ないでさ。パタパタと手を振りながら俺 から視線を外す。あの顔何かんでやがるの か。は、そうか。俺様を試してやがるんだ 。自由に泳がせていると見せかけ、裏切り の気配を見せたら殺すつもりだな。く、 気づいてよかったぜ。奴の魔術は得体が 知れねえからな。そのくらいの術式は余裕 で組んでいてもおかしくはない。ならば今 下手に動くのは特策じゃねえよな。まずは 奴の信頼を得ることに集中すべきか。 そしてまた何やらブツブツ言い始めた。 一体どうしたのだろうか。どうしたグリも 大丈夫か?い、いえいえ、なんでもないで さ。ともかくこのグリもロイド様のために 噴骨最新やらせていただきますぜ。ええ。 ぎこちなくグリモを見て俺は首をかしげる 。なんだか独り言の多いやである。慣れ ない人間世界での生活で精神的に疲れて いるのかもしれないな。町を出た俺たちは まっすぐに森へと向かう。魔獣の出た場所 は森の奥にある小さな村。その奥にある 巨大な湖だ。昔から村の水源として重宝し ていたのだが、ある日突然魔獣が現れる ようになったらしい。困った村人たちは 冒険者ギルドに討伐を依頼したが、報酬も 安い上に偏境まで行って魔獣を退治する なんて依頼をやりたがるものもいるわけが ない。そんなわけで結局ギルドも国へ 丸投げしたのだ。この手の公共事業は国の 仕事である。ちなみに魔獣狩りは兵の実践 訓練や貴族の娯楽などを兼ねている。 アルベルト様シルファが声を発する。その 張り詰めた気配にアルベルトとこのAたち も異変を感じ取ったのか。馬を止め武器を 抜いた。もちろん俺はすでに気づいている 。独特の嫌な気が周囲から感じ取れる。 これは魔物だ。アルベルトと俺を守るよう にエンジンが組まれ、シルファがメイド服 のスカートから1本の投げナイフを 取り出した。ナイフは草むに吸い込まれて いき、ズンと何か柔らかいものに 突き刺さるような音がした。あお ついでく門の声が聞こえる。どうやら魔物 に命中したらしい。草むが揺れ犬のような 顔をした人型の魔物が出てくる。あれは 確かコボルトだっけ?森に生息し、群れで 狩をする魔物だ。コボルトは手先が器用で 武器を扱うのが得意な魔物。その義量は ゴブリンなどとは比べ物にならない。加え てその手に持っているのは鋼の件である。 それを見たこの絵たちの表情が明らかに 変わった。 こいつらいい武器を持ってやがるな。ああ 、冒険者たちから奪ったのだろう。これは 手こりそうだ。身体能力が同程度ならば 武器の性能差がそのまま戦力の差になる ことは多い。ふむ。こちらと向こうの人数 も同程度だし、付与した武器の試し切りに ちょうどいいな。視界がぼやけるみたいが 思うように動かない。一体何が起きている のだろう。 自分が自分ではないみたいだ。誰かの声が 聞こえる。女性の声だ。目をこらすと顔が 見える。美人だ。そして胸を裸させている 。だが妙に大きい気がする。女性は何か 喋りながら俺に近づいてくる。身の危険を 感じた俺は懸命に手を動かしを念じた。 小さな炎を生み出す。俺が唯一使える攻撃 魔術。弱い魔物を追い払うことしかでき ないが威嚇にはなるはず。そのはずだ。だ が何か妙だ。違和感を感じた俺はとっさに 女性から狙いを外した。その直後ドゴン と爆音が響いた。見れば壁に巨大な穴が 開いていた。女性は驚いているがそれは俺 も同じだ。俺の火球でこんな威力が出るの はありえない。一体何がそう思った時目の 前にある姿鏡に自分の姿が映る。小さな 身体短い手足。クリッとした大きな目。 赤子だ。俺は赤子になっているのだ。そう いえば何かで聞いたことがある。死した ものが記憶を許したまま生まれ変わること があると。いわゆる転生というやつだ。 そう考えれば今の火球にも納得がいく。 魔術師としての核は家柄と才能つまり ほとんど生まれた時に決まる。優秀な魔術 師の家計では幼少期から魔術を使えるもの もそこそこいる。今の俺にそれほどの才能 があるならこれだけの魔術を使えても 不思議ではない。だが待てよ。いくら何で も生まれた時からこんな魔術が使える なんて霊は聞いたことがないぞ。 周りで騒いでいる人たちも俺がやったとは 認識していないようだしな。というかよく 見れば部屋がやたら広い気がする。部屋に 置かれているちょうど品は美術館で見る ような高級品が並んでいるし、メイド らしき女性も数人いる。こんな部屋そこら の貴族ではありえない。高校貴族や泊、 はたまた工爵とかそんなことを考えている と不立派な装飾が施された紋章が目に 止まる。その紋章には見覚えがあった。俺 の住んでいたサルーム王国その王家の紋章 である。俺もしかしてとんでもないところ に生まれてしまったんじゃないだろうか。 透け立ちするある。おお と完成が上がる。 よく来てくれた。助かったよ。間に合って よかったよ。さっさとケ散らすね。 アルベルトの言葉にウインクを返すとタオ は魔獣の群れを相手に戦い始めた。その 活躍はまさに四士ふ人。身軽なタオは無人 に戦場をかけ回り隙を見せたベアウルフ から仕留めていく。俺たちが防御重視で 戦っていたこともあり、ちょうど ハサミ打ちのような形となり、魔獣たちは どんどん数を減らしていった。まさか本当 にスケットタオが来るとは思わなかったぜ 。タオの前で気を使えば俺の正体がバレて しまうし、戦いも長引きはしないだろう。 ああ、もう終わったな。俺はやる気なく 火球を放つのだった。これでラスト王。 タオの気候団で最後に残ったベアウルフが 大木に叩きつけられ気を失う。周りに倒れ ている10数匹のベアウルフたちはもはや 動くこと叶わない。うお、俺たちの勝利だ 。この絵たちが互いに身体を抱き、喜びを 分かち合っている。わあ、残念だ。もう 少し楽しみたかったのに。ふう。なんとか 全部倒せたね。タオが額体の汗を拭いを 整えていると、アルベルトが握手を求めて 両手を差し出した。ありがとう。本当に 助かった。気にしなくていいね。間に合っ てよかったよ。ふひ。タオが握手を返す。 めっちゃ嬉しそうな顔でアルベルトの手を 握ぎしている。アルベルトは若干引いてい たとところでタオ。よく僕たちが魔獣に 襲われていると分かったね。うん。祠は 高いところにあるでしょう。ちょうど アルベルト様たちが魔獣の群れに襲われ てるところが見えたよ。タオが指刺した ところ、切り立った崖の上には石の祠が 見えた。ただ祠が古さゆえかほとんど崩れ ている。あれを修繕するのは大変だろう。 随分崩れているね。そういえば修繕に 向かったのだったか。中断させてしまった ようだ。僕たちが後で手伝おう。命を助け てもらったレイだ。それとても助かるね。 お礼するよ。よかったら今度食事でもどう ね?アルベルト様獲物を取ってまいりまし た。私もです。私たちは鹿をしばらくする と続々とこの絵たちが獲物を捉えて帰って きた。うさギに蛇、鳥に魚、鹿やイノシシ までである。その大量ぶりにアルベルトは 驚いている。こりゃあなた随分捕まえた もんだ。大して時間も経っていないのに どうしたんだ。いえいえ、アルベルト様、 この森友でもなくたくさんの動物がいるん です。しかもどれもこれも警戒心が薄い鳥 放題ですよ。後で仮などしてはいかが でしょう。この絵たちは興奮した様子で 語っている。まあ、あれだけ取れれば 楽しいだろうな。アルベルトは並べられた 獲物を見てふむと考え込む。ふむ。だが獣 は村の貴重な資源。いくら簡単に取れる からと言ってやりすぎるのは良くない だろう。僕たちは標準の食事ができれば 十分。これ以上の狩は不要だ。他の者たち にもよく言っておくように。は。 アルベルトに注意され、この絵たちは慌て て経をした。ともあれ、食事の用意が 始まる。獣をさき、血を抜き、下処理をし た肉がシルファの前に運ばれていく。 シルファはそれを切って似て焼いて テーブルの上に並べていく。その手際の良 さにこの絵たちは簡単の声をあげていた。 皆様お待たせいたしました。どうぞお 召し上がりくださいませ。調理が終わり 合成な食事がテーブルの上に並んだ。 肉たるステーキや脳のスープ、鳥の串焼き に賛菜のサヤダ。どれも微味そうだ。この 絵が幸せそうに食べているのを見ると こっちまでお腹が空いてきた。お二方も どうぞ。ああ、ありがとう。シルファ。 いただきます。手を合わせ綺麗に盛り付け られた料理に手をつけていく。まずはお肉 をもぐもぐ。おお、これはうまい。野生の 獣の肉というのはこんなにうまいものなの か。こよし、なかなか筋が良いよ。俺が気 を巡らせ手元に集めるのを見てタオが嬉し そうに手を叩く。タオは俺が日に興味を 持ったのがよほど嬉しかったのか親切にも 色々と教えてくれている。教え方もうまく 俺自身に下地があったこともありおかげで ある程度木の操作はできるようになってい た。大したものね。こんな短期間で気を物 にするとはびっくりよ。タオの教え方が いいんだよ。実際に気を使っているのを見 ながらだと分かりやすいしね。ま、そんな こと言って褒めても何も出ないあるよ。 タオは嬉しそうに腰をくねらせながら俺の 背中をツンツンしてくる。教えてくれるの はありがたいがちょっと気持ち悪いのが たまに傷だ。しかしロベルト木の呼吸辛く ないか?慣れないうちは肺にすごく負担 かかるはずよ。そうでもないよ。なはず ないね。木の呼吸は肺が焼けつくような 痛みあるよ。あしでもピリピリするから 長期は無理なのに。うん。確かに痛いけど でも楽しいしね。全然苦じゃない。前世で やってた瞑想で慣れてたからかな。全然 平気だ。そ、そうあるか。俺の言葉に 呆れ顔になる。なんか変なこと言ったかな ?それにしてもお宝が全く落ちてないな。 かなり深くまで潜っているはずなのに全く お宝に出くわさない。ダンジョンにはお宝 が眠っていると聞いていたが不良品なの だろうか。この程度の魔物しか出てこない ダンジョンじゃ1番奥に鹿は眠ってないよ 。多分このダンジョン出来たてね。ああ、 そうなのか。ダンジョンはまるで生き物の ように成長する。生まれて間もない ダンジョンにいるのは弱い魔物ばかりで 回層も浅く、ボスも弱いが見入りも少ない らしい。高レベルダンジョンはその逆で どんどん敵が強く深くなっていく。何百年 も攻略されてないダンジョンはその上には 町が立てられ人々の制業にすらなっている とか。そしてどうやらここが最後を見たい よ。階段を降りた先にてタオが立ち止まる と目の前にはぽっかりと大穴が開いていた 。中には今まで感じたことのないような 強い気配が感じられる。感じ取ったようね 、ロベルト。そう、ダンジョンの採用には ボスがいる。それを倒せばお宝ゲットね。 おお、ついにか。生まれてすぐの ダンジョンみたいだし、大したお宝は期待 できそうにないけどね。タオはそう言って 笑っているが、なんとなく妙に大きな魔力 を感じる。弱い割には魔力が大きくないか 。魔術タイプの魔物だろうかとも。あれ、 ここでグズグズしても仕方ないね。中に 入るよ。そう言ってズんズ々と中へ入って いくを。俺はやや警戒しながらついていく 。中は薄暗らく広い空間だった。妙な結界 が張られているようだ。感じた魔力の正体 はこれか。俺が中に入った瞬間、入り口が 結界で閉ざされた。なんだこりゃ。外に出 られなくなっているぞ。触ってみると引か れる。この手触り魔術ではないのか。感覚 的にだが三石と同じダンジョンが持つ魔力 によるもののようだ。そう言って木箱を 漁さり、中から取り出してきたのは赤茶色 の土だ。赤泥ですね。性鉄の際に使われる 原料の1つ。確か隣獄では良い赤泥が 取れると聞きますな。知っているのか? ええ、本で得た知識だけで恐縮なのですが 、不魔術を知るには家事の技術も当然必要 だ。おかげでそれなりの本を読み知識を得 ている。見れば木箱の中には様々な素材が 入っていた。おお。 鉄鉱石に石炭石 金銀道魔石粉すごいいろんな素材が たくさんありますね。 まるで宝の山だ。これだけの素材があれば 不与もやり放題魔剣も作れるかもしれない 。アルベルトがディアンを紹介してくれた のはあの時の約束不与魔術の応援すると いうのを果たしてくれたのか。あれ、赤石 や月銀役はないのですか?なんだそりゃ。 付与に使う原料の1つですが、拠トと首を かしげるとリアンはごくりと息を飲んだ。 こいつ半端ねえ知識量だ。まずい液だけ ならともかくそれ以外の素材の知識も かなり豊富。ちょっとかじっただけじゃ ない。下手したら俺と同等の知識があり やがるだと。へ、あるもが悪いぜ。こんな なりだが、どうやら少しは使えるらしい。 こいつと一緒なら俺の夢、俺だけの オリジナル魔剣を完成させられるかもな。 そして何かブツブツ言い始める。一体どう したんだろう。ロディボ、え、さっきまで と違う呼び方に聞き直す。おお、お前の ことだよ。ドディボ、お前少しは不魔術 ってのお分かってるじゃないか。いい だろう。認めるぜ。ちなみに俺のことは 親方と呼ぶといい。はあ。親指で自分を 刺すディアン。なんだかわからないがいつ の間にか認められたようである。うおな。 なんだいきなり身体を揺さぶられ美となる 。振り向くとタオが口をパクパクさせてい た。だが音が聞こえない。そういえば音声 シ段を使っていたんだった。解除すると タオの声が聞こえてきた。ロベルトやっと 返事したよ。ああ、ごめん、ごめん。集中 しててさ。もう私がグレウルフ倒した ところ全然見てなかったね。顔は怒って いるのかを膨らませている。ちょっと悪い ことをしちゃったな。でもおかげで ダンジョンの結界については色々調べられ た。まずこのボスのいる部屋がダンジョン の心臓とも言える部分だ。もっと言えば ボスを倒した先にあるお宝のある部屋が そうである。ボスを生み出したり結界を 張ったりそれらの出力源は全てそこから だった。その眼油魔力量は半端ではなく、 術式などに頼る必要もなさそうだ。単純に 大量の魔力だけで結界や魔物の生成を行っ ているように感じられた。おそらくその 栄養はダンジョンで死んだ魔物や人間、 動物だろう。魔物は死ぬとダンジョンに 帰っていくからな。効率は死ぬほど悪いが 単純な魔力の送量が多いからできることだ 。まだまだ分からないことはたくさんある が、そんなところかな?もういいね。 さっさとお宝を拝みに行くよ。そうだな。 ボスを倒した先にはお宝があるらしい。 駆しくもダンジョンの心臓部と同じなんだ な。ということはお宝が核なのか。いや、 それもおかしいはず。止まれタオ。突如 濃い魔力を感じ取った俺はタオの手を引く 。アンギいきなりどうしたね、ロベルト? いくら何でもこんなところじゃ。何か 言いかけたタオの元全を黒い歯が通り すぎる。あれは闇系と魔術市家 各か魔物が好んで使う魔術だっけ?え、 ボスは倒したのにどうしてある?どうやら まだ何か残っているようだな。注意深く目 を凝らすと芝を打ってきた敵の姿が暗闇み に浮かび上がる。長期限で花歌を歌い ながら俺たちの戦闘を行く。行先が同じだ からと同行を申し出アルベルトもそれを 許可したのだ。もちろんただついてくる わけではなく魔物が出てきたら戦闘も こなしている。戦闘力はこの絵たちより2 段は上といったところか。というか、以前 あった時より技が生えている気がする。 あれから修行でも積んだのだろうか。1人 で魔物を半分くらいは倒している。その強 さと性格から最初は警戒していたこの絵 たちもタオに心を許し始めていた。全く アルベルト様もあんな怪しげな少女に同行 を許すなんてどうかしています。ねえ、 ロイド様。あ、そうだね。ただシルファは タオのことが気に入らないのか不機嫌そう だ。俺もタオとは目を合わさないようにし ているのだがちらこちらを見てくる。 まさか俺のこと気づいてないよな。じい いつの間にかタが俺の近くにまで来て じっと見つめていた。うお、びっくりする じゃないか。ねえ君私たちどこかで会った ことないか。さあ、分からないな。 いきなりの質問につい視線が泳いでしまう 。ムう。なんだか怪しいね。でも会ってる はずがないのは私にも分かるなのに何なの この感じ。やばいな。この視線怪しまえて いる気がする。その原因は間違いなく木の 呼吸だ。ついさっきまで修行のために木の 呼吸をしていたからな。呼吸の仕方が ロベルトと似ているから怪しんでいるの だろう。 しじったとはいえいきなりやめたら不自然 だし、ここは知らぬ存ぬで押し通すしか ない。あの時姿を変えていたのは不幸中の 幸いだったな。ロイド様森の方を見て くだせ。あの娘が探しているという祠ら あれがそうじゃないんですかい?グリモの 声に従い森の方へ視線を向けるとヒ々の 隙間から振ぼけた石の建物が見えた。 ハスダグりも追い払うチャンスである。 タオ、あれが君の向かおうとしている祠 じゃないのかい?おお、まさしくあの祠よ 。ありがとね。兵士の皆さんにもお世話に なったね。それでは私はこれで失礼するよ 。タオは慌たしくを下げるとすごい速さで 走っていった。ふう。よかった。なんとか バレる前に追い払えたか。ありがとな。 グリモ。へ、気にしないでくだせ。ロイド 様の使い間として当然のことをしただけっ すよ。それにこの程度であんたの信頼を 変えるなら安易もんだぜ。くん。何か言っ たか?い、いいえ。何もそ、それよりあの 祠らなんだか妙な感じがしますぜ。そうな のか。タオがアルベルトを食事に誘って いる。おいおい、相手は一応王子だぞ。 なんというか強いな。ロイド様ちょっと いいですかい?新妙な口調でグリモが言う 。どうしたんだい?あの祠ら思い出しやし たぜ。あれは俺と同じ魔人が封じられて いる祠だ。何?しかしあの祠破壊されて いるようだが。ええ、中の魔人は外に出た 後でしょう。そしてかなり近くに癒す グリモの言葉と高するようにボコンと1匹 のベアウルフの身体が大きく跳ねる。2本 足で立ったベアウルフはだらんと力なく 両腕を下ろした。い、息を吹き返したのか 。全員武器を取れアルベルトの号霊でこの 絵たちがベアウルフを取り囲む。だが 起き上がったのは1匹だけではなかった。 倒れていたベアウルフたちが次々と 起き上がってくる。よく見ればその身体に はうっすらと黒いモヤのようなものが かかっていた。くふ。人間どもがなかなか やりおるではないか。ベアウルフの口の中 からしがえた声が聞こえてきた。鋭い牙の 奥に覗く青白い顔は老人のようでもあり猿 のようでもある。異様に大きい目と額体に 生えた鋭く長い角もちろん人間ではありえ ない。その異様さにこの絵たちは怯えんで いるな。何者だ貴様。アルベルトが 振り絞るように声をあげると老人は広角を 挙げ君に笑う。我はパズ。魔人パズよ。 愚かな人間どもよ。よくも我が眷属を 痛めつけてくれたな。その代償命にて 支払ってもらうぞ。老人パズはベアウルフ に口を閉ざさせると2本足で立ち上がら せる。その巨はパズの魔力かさらにさらに 大きく見えた。ベアウルフのシンクの目に 老人の災わい踊りじしい目が重なった。 水形等魔術水融合と土系統魔術土融合。脳 の液体と個体を融合させ、新たな物質を 作り出す魔術である。それを20で発動さ せればあらゆる物体の調合が可能。小瓶に 入れた油と溶けた銀が混ざり合っていく。 黄色かった油は銀がかかりキラキラとした 液体になった。ロイド様こりゃ月銀役じゃ ねえですかい?うん。よく似ているな。 月銀薬とは魔術師ギルドで売っている薬品 だ。魔法陣を描いたり、使い間を呼び出す 媒介としたり用途は様々。非常に効果だが それ以上に数が少なく普通の魔術師が購入 するのはほぼ不可能。どうやって作って いるのかと思ったがなるほどこうして作っ ていたのか。20A賞は理論上1さえ会え ば2人の魔術師で行使。ただ水融合も土 融合もかなり高レベルの魔術だし、非戦頭 系である合成系等魔術の持ち主は少ない だろうからな。それほどの使い手が2人も 揃わなければ作れない時点でそりゃ数も 出回らないだろう。こんなところでレシピ を発見するとは運がいいな。何かに使える かもしれないし、ある程度はストックして おこう。さて、あとはこいつに赤を加えれ ば完成だな。銀薬に赤をサラサラと入れて いく。銀がかかった油に落ちた粉が 染み渡り、赤い煙が水中を彩る。ぐるぐる とかき混ぜるとほとんどまずい液と変わら ないものができた。おお、すげえですよ、 ロイド様。見事です。見た目はな、実際に 使ってみないと効果のほどは不明だよ。か と言って俺の探検はもう不要済みだし、 武器として使う機会もほとんどないんだよ な。不要失敗の可能性もあるのでその辺に 飾ってある武器で試すわけにはいかない。 どこかに大量に武器が余ってないものか 使ってくれる人がいればなおよし。あ、 そうだ。考え込んでいるといい考えを 思いつく。そのためにはアルベルトの ところに行ってみるか。中を探すと アルベルトは馬術の訓練中だった。俺を 見つけると馬を止め降りてきてくれた。 おはようございます。アルベルト兄さん。 やあ、おはよう。ロイドから会いに来て くれるなんて嬉しいよ。ファワー、もしか して何かお願い事でもあるのかい? もちろんいいわよ。ロイドならきっと できると思うから。本当ですか?ええ、 そうね。 まず大切なのはたっぷり貯めた後アリーゼ はにっこりと笑った。あいよ。一瞬の沈黙 。アリーゼは言葉を続ける。私思うの。愛 こそが言葉の通じない私たちをつぐ絆なん だって。どんな魔獣だってこちらから愛を 与えてあげれば絶対に分かり合えるわ。目 を輝かせながらようと語るアリーゼを見て エリスは疲れた顔で息を吐く。わあ、 アリーゼ様は生まれつき勝手に動物が寄っ てくる余精査のような方です。そんな特殊 事例など参考になるはずがないでしょう。 妖精さ、ちょっとエリス、それはひどいわ 。本当のことです。2人は言い争いを始め た。争いというか、じレ合いというか、 この2人は姉妹のようである。難しいこと なんて必要ないわ。ふわっとしてパーっと すればいいのよ。ねえ、リル、私の思い、 私の言葉よく伝わるでしょう。ほら、ウン リルはそうだとばかりに頷くとアリーゼに 頭をすりつける。アリーゼが手を広げ楽し そうにくるくる回るとその周囲に鳥や ウさぎなどの小動物が集まってきた。 まるで花でも浮かんでいるような空気 メルヘンでファンタジーな絵本みたいで ある。エリスはそれを見てドん引きしてい た。確かに余さだ。ゼックしていたグリモ がようやく口を開く。ロイド様ありゃダめ ですぜ。よく言えば天才派。悪く言えばお 花畑でさ。まともに話のできるタイプじゃ ねえですよ。ひどいこと言うな、お前。 まあ、概同意見だけど、各かにアリーゼは 理屈的とな話ができるタイプではない。 ただそれでもやり用はあるのだ。なるほど 。大体分かりました。アリーゼさんな。隣 にいるのは誰だろう?アルベルトの横に バンダナをした黒髪の男がいた。かなり 鍛えているようで細いがマッチョである。 年はアルベルトと同じくらいだろうか。 鋭い目つきで俺をじっと見ている。白は 随分お前の言うことを聞くようになった みたいだね。はい。アリーゼさんにご教授 いただきました。アリーゼによ。よくあの 説明で理解できたね。あは少し難易度は 高かったですけれど。負傷する俺を見て アルベルトは口元に手を当てる。ふむ。 まさかアリーゼのまとを魔力の動きを読み 魔獣を操る技を推り習得した。いやいや、 いくらロイドでもさすがにそんなことは できないだろう。単に魔獣がロイドになれ ただけだろうな。うん。ない。アルベルト は日汗を浮かべながら首を振っている。 なんだか顔色が悪い気がするけど大丈夫 だろうか。追いる兄物言ってんだよ。男が しびれを切らしたように声をあげると アルベルトは思い出したように咳払いを1 つした。夫すまない。紹介するよ、ロイド 。彼はディアン。お前の兄だ。え、兄さん ですか?お、久々だな。ロイド。でも俺は お前が小さい頃から隣国バートラムに行っ てたからな。覚えてないか?でっかくなっ たじゃないか。今帰ったぜ。ディアンリサ ルーム。大使王子で俺が3歳くらいの頃 アルベルトと一緒に俺を見に来たんだっけ ?顔にちょっとだけおかげがある。目つき が悪い辺りとか。イアンは俺と同じくらい の年の頃から優れた火事技術を持つ隣国 バートラムに留学に行っていた。多分政治 的な理由だろう。有効の証とか王子の見 ながら国のために勉強に行くとは立派だと 思った記憶がある。そんなディアンをなぜ アルベルトは俺の元へ連れてきたのだろう か。アルニーなんで俺をロイドのところへ 連れてきたんだ。顔合わせならいつでも いいだろう。どうやら向こうも同じことを 思ったようだ。アルベルトはニヤりと笑う 。実はナディアンこのロイドこそが霊の 不与術師なのだよな。嘘だろ。アル兄。 こんなちびがこの魔剣に不与を施したって のか。リアンは以前俺がアルベルトに付与 した魔剣を指びさして驚いている。そして 俺の目の前にしゃがみ込むと顎に手を 当てなめ回すように見つめてきた。ヌー 信じられんがアルニーが嘘を言うとも思え ん。よしロイドお前を試す。こっち来い。 そう言うとディアンは俺を脇に抱え 走り出した。え ?おいディアン待て。どこへ行くんだ? 悪りなある兄。ちょっと借りるぜ。リアン はアルベルトに手を振るとそのまま 駆け出した。普通に考えてこれだけの動物 を買い鳴らすなんて常人には無理だろう。 俺と同じ血を引いてるし、魔術師としての 才能が発言していてもおかしくはない。 生まれつき知筋や才能に優れたものの中に は無意識に魔力を扱うものも珍しくないの だ。塔にたどり着いた俺は正面にある 大きな扉をノックする。姉さん、アリーゼ さんいますか?ロイドです。少し待って いると中から黒髪メイドが出てきた。か 名前はエリスだっけ?覚えていただけて 光栄です。ロイド様、お久しぶりでござい ます。うん。久しぶり。アリーゼさんに 会いたいんだけど。かしこまりました。 少々お待ちくださいませ。ペコリと頭を 下げ、塔へと戻るメド。さらにしばらく 待っていると扉が開いた。ロイドガバと いきなり抱きしめられた。ワプふカフカの 柔らかな感触をぎゅっと押し付けられる。 苦しい。ロイドロイドロイド。もう久し ぶりね。あなたから会いに来てくれる なんて姉さんとっても嬉しいわ。さらに グリグリと頭も撫でてくる。痛い。 アリーゼ様、おやめください。ロイド様が 苦しがっておられます。え?あら、本当 ごめんなさいね。アリーゼは謝ると俺を 抱きしめる腕を緩めた。ふう。苦しかった 。だからあまり来たくなかったんだよな。 アリーゼは昔から俺を見つけては抱きつい たりキスしたりとおもちゃにしていたので ある。咳込みながら顔をあげる俺の目の前 にいたのは薄べに色の長い髪をふわふわと させた女性。髪だけではなくドレスにも ファーやポンポンがついており全体的に ふわふわだ。ちなみに胸もふごめんね ロイド姉さん嬉しくなっちゃってそれで 一体何のようかしら。アリーゼはそう言っ てにっこりと微笑むのだった。なあ、 グリモ。あれって俺がお前に身体を貸して いるようなもんか。こっちは完全にロイド 様主導なんで全然違いやすいよ。言うなら 自分は付属品のようなもんでさ。あっちは パズの野郎が魔獣の身体を乗ってるんです な。魔人の身体は実態がないので他の生物 の身体と一体化できるらしい。グリモが俺 の右手に入っているようにパズも魔獣の 身体に入っているのだろう。ただ向こうの 主導権は完全に奴にあるようだ。巨大 ベアウルフパズが唸り声をあげながら こちらに歩み寄ってくる。さあ、 立ち上がる良い。我が属たちよ。パズの 言葉で今まで倒れふしていたベアウルフ たちに頑光が宿る。ゆっくりと立ち上がる ベアウルフたちの身体にはうっすらと黒い モヤのようなものがまとわりついていた。 あれはパズの魔力か。魔獣とは魔力を持っ た物質を食らい強く大きくなった獣だ。 そうして魔獣となった獣はより強くなる ために魔力を帯びたものを好んで処すよう になる。パズは自身の魔力を与えて傷を 負った魔獣を回復させているのだろう。か 魔獣使いなどはそうして魔獣を操っている と書物で読んだことがある。ふむふむ。 実際に見てみるとよくわかるがあれはただ の魔力ではないな。魔獣たちの身体が 受け入れやすいよう魔力の性質を変化させ ているように見える。各下に他人の魔力と いうのは簡単に受け入れられるようなもの ではない。ゆえにその性質を変化させ 受け入れやすくしているのだろう。強い 魔力を持つものが近くにいるとかなり気に なるしな。だから俺は普段は魔力を抑えて 活動しているのだが、これが結構疲れるん だよな。なるほど。魔力にはああいう使い 方もあるのか。面白い。ガルルグーうー。 唸り声をあげるベアウルフにこの絵たちは 後ずる。立ち上がったベアウルフたちの 身体の傷は見るみるふがり、心なしが 大きくなっているように見える。ば、バカ な。倒したはずなのに。移動は順調。もう すぐ霊の湖にたどり着こうかという時で ある。俺はふと何かの気配を感じ取った。 なんだろう?テキーではないが確実に こちらを見ている感覚。気配を隠している ようにも感じないが、他の者たちは誰も 気づいていないようだ。シルファ、何か 感じない?どういうことでしょう?拠トと 首をかしげるシルファ。ムー、シルファで すら気づいていないのか?おかしいな。 絶対いるはずなんだが。仕方ない。向こう から出てきてもらうか。俺は風景魔術風説 を最弱で気配の方に向けつ。俺の指先から 放たれた小さな風の歯が誰にも気づかれる ことなく草むへと消えていく。やあ。会長 家と聞き違うような声が辺りに響いた。 この絵たちはすぐに武器を構える。やはり いたか。それにしても今の悲鳴どこかで 聞いた声な気がするのだが。何者だ?姿を 見せろ。アルベルトが声をあげると悲鳴の 主はゆっくりとこちらに近づいてくる。 あたたいきなり何かの虫に噛まれたよ。 少し晴れた手をさすりながら草むの中から 出てきたのは以前あった憲法少女タオで あった。た言いかけて思わず口をつむ。 危うい危ない声を出すところだったぜ。 ちゃんと知らんぷりしないとな。ロイド様 、あの娘っこお知り合いですかい?バカ 言うな。知るわけないだろ。いきなり グリモに突っ込まれ、驚きで声が少し 震える。 ええ、もしかしてですけど、以前外出した時にあったんですかい? な、なぜ分かるんだ?最近気づいたんすけど、ロイド様って嘘が下手なんすね。ふむ。見た目通りただの上位か。闇魔術というくらいだからもっと別種類の呪いもあるのかと思ったが外れだな。ちらりとチを見ると攻撃を防がれるとは思わなかったのか。なり得る。 あの様子ではこれ以上の魔術は持ってなさ そうである。こいつからはもう学ぶことは なさそうだな。それにしても闇系統魔術か 。さっき調べてみて分かったがこの力は気 に似ているな。同じことができるかもしれ ない。試してみるか。タオに教わった通り 体内の日を右手に集め魔力と折り混ぜて いく。に関してはまだまだだが、魔力の 制御はそれなりに自信はある。魔力と 折り混ぜることで木は歯のような形をなし ていく。む、この技ちょっと負担が大きい のか。呼吸の痛みで咳込みそうになって しまうのをなんとか耐える。普通に気を 使うよりもはるかに肺が痛い。しかも 難しい。木の形状変化はなかなかうまく 扱えず失敗しまくりだ。 その度に呼吸をし直さねばならず結構 手間る。だがそれよりもワクワク感の方が はるかに強い。練り上げた木は失敗を 繰り返しながらも徐々に思い通りの形に なっていく。うん。なんとかなりそうだ。 思考錯誤の末え、俺はどうにかして木の歯 を生み出した。 それを見て魔力消壁を展開し防御を試みる リッチ。どれ火の歯の威力試してみると するかよ。掛け声と共に俺は生成した木の 歯を飛ばした。歯は子を描きながら飛んで いき、魔力消壁ごとリッチの上半身と下 半身を切り飛ばす だ。世は踊りじしい埋めき声を残しリッチ は消滅してしまった。え、木の攻撃で倒す とチ理のようになるのか。そういえば アンデッド系の魔物は生命エネルギーや 神聖な力に弱いと本に書いていたっけな。 消え方も本に書いてあった通りであるし 信じられないあるタオがそれを見てボそり とつく。あれは気候団の奥義飛行牙。あが 何年修行してもできなかった技ね。それを あんなに良いく全く努力もせずに。いや 違う。努力じゃないね。ロベルトはただ 楽しんで気に触れていた。そういえばじい ちゃんが言ってたある。 努力をするのは当然だから努力を楽しめる やは何より強いって。ふ、そういえば私も ちっちゃい頃は修行が楽しかった気がする な。やるたびに新しいことができるように なったよ。全く修行を楽しめなくなったの はいつからだったかもう覚えてない。ある 。やれやれ。1から修行のやり直しか。 今度はせぜいっぱい楽しむとするね。何を ブツブツ言っているのだろう。タオは俺を 見て悟ったような顔をしている。一体どう したのだろうか。まあいいや。両手に魔力 を集めて皇室化力を上げるようイメージし ているんだな。面白そうだ。俺もやって みるか。とはいえ素ではあれだし。そうだ 。鞄の中に武器があったっけ。以前不魔術 で使った鉄の探検。あれを使えば剣で同じ ことができるよな。隙を見せたな。死ねえ と思いカを漁さろうとした時である。パズ は魔力並を放ってきた。ロイド様危うね。 それを迎え打つべく俺の右手グリモが黒い 魔力波を放つ。2つの魔力波は互いに ぶつかり引け飛んだ。ぬー魔人が人間に組 か。へ、鼻くソ哋の威力だぜ。パズと グリモが魔力並みを打ち合う。何度も何度 も俺の元で激しい先行が散っている。 A底こを知り解け。そやつは失った輪が 身体の新たな宿とするのだ。誰がてめえ なんぞにやらせるかよ。こいつの身体は ゆくゆくは俺様のもんになるんだからな。 街から派の激突音であまりよく聞こえない が、2人は何か喋っているようだ。魔人 同士対抗心でも燃やしているのかな? ロイド様、ここは自分に任せてやりたい ようにやってくだせ。ああ。うん。グリモ も無理すんなよ。っていうか別に放って おいても魔力消壁で防げるんだけどな。 まあ、せっかくやるって言ってくれてるん だし。無限に断ることもないか。皇族と は家のものの信源をむやみに否定せぬもの らしいしな。えっと、こんな感じかな。 宣国と同じ容量で強く硬い歯をイメージし た魔力を生み出し剣にまとわせていく。 さらに先ほど見たシルファの権技も制御 魔術でコピー。よし、これでやってみるか 。グリモの口を閉じさせ、ぎゅっと探検を 握りしめた。行くぞ。俺は米を蹴り、 まっすぐパズに向かってかける。低く構え たけ筋が水面で爆舌続け、水柱となって俺 のすぐ後を続く。グリモールは勢いよく 返事すると黒いになり、俺の右手に入って いくな。なんだこりゃ。体内の魔力密度が 半端じゃね。こんなギチギチに詰まって やがったら俺が入るスペースがねえ。ミ牛 では無理だ。 ならせめて手首からぐだめだ。指先 1本すら入れねえ。 おお。 方向の後手のひに 1 本の線が入り、グパッと口が開いた。グリモワールはぜと息を吐いている。はあ。はあ。テ手のひの皮 1 枚が限界だった。何つ魔力密度だ。何かぶつブツ言ってるが無事入れたようである。 お、その手もしかして 20Aしてた時のか。 え、え、そうです。 ロイド様が20 A賞に興味を持っていたのは分かって癒したからね。もちろんこの身体はロイド様のものですから自分の意思で動かせます。本当か?それは面白そうだ。 20 A章かい方によっては色々なことができそうだ。うん。ワクしてきた。 後で早速試してみよう。身体を乗っるのは 無理だったが、こうして取り入っておけば 奴もそのうち油断するだろう。何焦ること はねえ。じわじわ行くぜ。くひ。ん、何か 言ったか?グリモール。いえ、何も。そ、 そうだ。ロイド様、自分のことはグリモで いいっすよ。そっか。これからもよろしく な。グリモ。えい。噴骨最新ロイド様の ために働かせていただきますぜ。そうこう しているうちに部屋の片付けが終わり俺は 諸庫から外へ出て部屋へ戻りそのまま眠り に着いた。翌日俺は城の屋上へ来ていた。 ロイド様こんなところに来て一体何を なさるんで早速二重賞を試してみようと 思ってね。今は昼休みなので見張の兵士 たちも休憩に行っており誰もいない。当然 結界は展開済み。時間は短いが今なら 心起きなく魔術の実験ができるのだ。それ じゃ力を貸してくれるか。グリモ。まずは 影合わせをしてみよう。演列火球の影は できるかい?もちろんでさ、倒したはずの 魔獣の復活による同様。それを畳みかける ようにパズが上げる。ぐお。それを川切り にベアウルフたちが突っ込んできた。この 絵たちも防御を試みるがすでに気迫で負け ている。その上さらなる巨体であるパズも いるのだ。誰も彼もお呼び越しである。 そんなことでパズが遠慮するはずもなく 大きく振りかぶった一撃がこの絵数人を まとめて捉える。ぐわあ。 1振りでこの絵たちは投ぎ飛ばされて しまった。続いての蹴りを受けようとした この絵の剣がへし折れ地面に投げ出された 。1人また1人とパずに倒されていくこの 絵たち。レアウルフと相対していた者たち もそれを顔色を青くする。火 強い。あれが魔人と止められるわけがない 。圧倒的な戦力差にこの絵たちは繊維を 失いつつあった。戦は乱れ獣輪を待つのみ と思われたその時である。彼らの間に一人 の風が吹いた。借りますよ。リンとした声 と共に駆け抜けたのはシルファだ。その 両手にはそれぞれこの絵のさやから 抜き取ったでアロー剣が握られていた。 そう剣が太陽の光に反射しらりと光る。 ラングリス流走剣術登り送 た剣を地にすらせながらシルファはパズに 向かって走る。2本の線を地面に描き ながらパズの足元にたどり着くと垂直に 飛んだ。その登り様に繰り出される牽線 両客から銅そして肩には剣筋の跡が はっきりと残されていた。むぐー巨体を 駆けのりながらの凄まじい斬撃にパズは 埋めき声をあげる。トンとパズの肩を足場 にシルファは空中で反回転する。両手の剣 は逆手に握られていた。各かに庶民である 俺の家は貴族たちに比べると貧しい。入学 金も自分で働いてようやく払い教材も基礎 の魔術書1冊しか買えなかった。だがそれ 1冊でもやれることはかなり多く毎日新た な発見があった。そ魔術でも術式の 組み合わせ、職媒の組み合わせだけでも 無数の現象が起こせるほど魔術ってのは奥 が深い。そのために実験やら材料の調達 やらやることが多すぎて人のことに気を 取られている暇など全くなかったのである 。そう。彼に言ったら月行しながら俺に 血闘を申し込んできた。俺は戦いは嫌いだ 。だからすぐに断ろうとしてふと思い とまった。彼ら貴族の使う魔術とは一体 どのようなものだろうと。庶民の俺と貴族 である彼らとでは資本も才能も全く違う。 俺が見たこともないような魔術を見せて もらえるのではないかと考えた。考えたら どうしてもそれが見たくなってしまいつい を受けてしまったのだ。少し痛い思いを するかもしれないが、負けても命まで取ら れるわけではないだろう。そんな甘い考え で結論から言えば彼らの魔術は 素晴らしかった。あれが上位魔術という ものだろうか。巨大な炎が渦を巻き、氷嵐 が吹きすぶ。俺はその光景にただただ 見惚れた。見惚れて無防美にそれを受けん だ。お前は夢中になると周りが見えなく なるから気をつけろ。なんてよく注意され ていたが、まさかこんな結末を迎えること になるなんて。自分のま抜けさが情けない 。だが最後に考えていたのはま抜けな自分 を呪うことでも血闘を仕掛けてきた貴族を 恨むことでも自分を育て学園に入れてくれ た両親への感謝でもなかった。それは俺を 殺傷せしめた魔術への考察。どういう術式 だったのか。その理屈はそもそもあれほど の出力を1人で生み出せるものなのかだと すると必要な魔力量は術式はあるいは何か 特殊な発動条件があるとかもしくは職媒を 使用したかはまた他人数で魔術を使ったの かなどなど 考えれば考えるほど止まり行くはずの心臓 が高なるのを感じていた。 本当に無念だ。世界にはまだ俺の知らない 魔術がたくさんあるだろうに、その全てを 知らぬまま死んでしまうなんて。願わくば 全ての魔術を知りたかった。理解し、習得 し、極めたかった。もっと魔術の新に溺れ たかった。そんなことを考えながら俺の 意識は遠いていった。キュンキュキュー。 そして鼻を鳴らしながらすり寄ってくる。 尻尾をブんブン振りながら青向けになり腹 を見せているものもいた。10数匹いた ベアウルフたちは皆俺の周りでじれついて きていたな。何?おい貴様何をしている? 早くそやを殺すのだ。ブーパズが命令する がベラウルフたちは俺のそばから離れよう とはしない。それどころかテキに満ちた目 でパズを睨んでいた。ふむ。こんな感じか な。俺は手のひから魔力を生み出しながら つやく。俺の周囲を白い煙のような魔力が 包んでいた。ロイド様一体何をしたんです かい?さっきからやっていた魔力の性質 変化だよ。昼に食べた肉の味や匂いを強く イメージして発動させたんだ。さっきの シルファの料理微味ったもんな。思い出し ただけでよだれが出てくる。ベアウルフ たちも気に入ったようで心地よさそうな顔 で浴びていた。ゴアー。パズが入っていた ベアウルフも始めた。どうやら俺の放つ 魔力を吸い込んだようである。おおおい 貴様までふざけるなよ。やめろ。吐き出す な。くぐお。ベアウルフはよだれを ボタボタ垂らしながら口から黒いモヤを 吐き出していく。モヤは新潟に固まりパズ となった。おお、あれが本体か。パズを 吐き出し終えたベアウルフは俺の元へ 駆け寄ってきた。くんくん。そして尻尾を 振りながら俺の周りをくるくると回って いる。可愛い。わあわ。バカな子。こんな はずでは残されたパズは雲の表情を浮かべ 息を荒らげている。許さん、許さんぞ。 おお。このクソガきが我が魔獣帝国の邪魔 をしよってズタズタにしてくれる。辺りを 漂っていた黒いモヤがパズへと集まりその 身体を包み込む。空気が震え、俺に くっついていたベアウルフたちが警戒心を むき出しにした。モヤを取り込んだパズの 魔力がぐんぐん上がり、魔力もどんどん 増していく。パズは銀の毛と漆黒の翼を 持つを持つ巨大な猿へと変貌した。決まっ た実態を持たないが故えの変貌。全ての力 を出し尽くした真の姿とでも言うべきか。 最初とは内放する魔力量が断違いだ。殺す 。巨大化したパズは短くそう呟いて俺に 飛びかかってきた。やったね。すごい威力 よ。さすがはアルベルト様です。これなら 奴も立ち上がっては来ないでしょう。2人 は喜びの声をあげる。反対にアルベルトの 表情は曇っている。そうだといいがな。 と膝をつくアルベルト。呼吸は乱れ、全身 に力が入らないのかガクガクと震えていた 。ま、力切れの症状だ。顔色が青くなって いる。アルベルト様、大丈夫あるか?歯は 全ての力を出し尽くしてしまったな。魔力 が限界だよ。これで生きていたらもうどう しようもないね。力なく笑うアルベルトを 支えるタオもシルファもすでに疲労後輩と 言った具合だ。の魔術では数は癒せても 魔力や疲労までは癒せないからな。当然 この絵たちも立っているのがやっとの様子 である。全員が祈るような顔で炎を 見据える中心 と地面が揺れた。炎の中でゆらりと巨大な 影が揺らめく 人間にしてはやるではありませんか。炎を かき分け現れたのは傷1つないパズだ。 後ろにはよめきながらも立ち上がりつつ あるベアウルフたちもいる。その姿を見た 全員の顔が絶望に染まる。ばバカな。驚愕 の顔を浮かべるアルベルトを見てパズはニ と広角をあげる。甘いですね。我は魔人。 人間の魔術など効かないのですよ。パズが 笑うと黒い吐息が吐き出される。気づけば それは辺りを包み込んでいた。ぶぐ。この 絵たちが埋めき声をもらし倒れていく。 タオもシルファもだ。みんなバタバタと 倒れしていく。くわは。我が魔力を吸い 続けたものは何者であろうと自我を失い 操り人形となるのですよ。人間にしては 持った方ですがそれもここまで。安心し なさい。これからは我が下木として使って あげましょう。大笑いしていたパズだが、 すぐにその顔が怖る。視線はまっすぐお礼 へと注えていた。ば、バカな。なぜ我が 魔力を吸い込んで意識があるのだ。え、 さあ、ローバイエルパズに俺は首をかしげ て返した。移動は順調。もうすぐ霊の湖に たどり着こうかという時である。俺はふと 何かの気配を感じ取った。なんだろう? テキ意ではないが確実にこちらを見ている 感覚。気配を隠しているようにも感じない が他の者たちは誰も気づいていないようだ 。シルファ何か感じない?どういうこと でしょう?拠トと首をかしげるシルファ。 ムーシルファですら気づいていないのか? おかしいな。絶対いるはずなんだが。 仕方ない。向こうから出てきてもらうか。 俺は風景魔術風説を最弱で気配の方に 向けつ。俺の指先から放たれた小さな風の 歯が誰にも気づかれることなく草むへと 消えていく。やあ。会長家と聞き違うよう な声が辺りに響いた。この絵たちはすぐに 武器を構える。やはりいたか。それにして も今の悲鳴どこかで聞いた声な気がするの だが。何者だ?姿を見せろ。アルベルトが 声をあげると悲鳴の主はゆっくりとこちら に近づいてくる。あたたいきなり何かの虫 に噛まれたよ。少し晴れた手をさすり ながら草むの中から出てきたのは以前あっ た憲法少女タオであった。た言いかけて 思わず口をつむ。危うい危ない声を出す ところだったぜ。ちゃんと知らんぷりし ないとな。ロイド様、あの娘っこお 知り合いですかい?バカ言うな。知るわけ ないだろ。いきなりグリモに突っ込まれ、 驚きで声が少し震える。 ええ、もしかしてですけど、以前外出した時にあったんですかい? な、なぜ分かるんだ?最近気づいたんすけど、ロイド様って嘘が下手なんすね。ん?しばらくじっと見てみると、剣の真ん中に細いが入った。シピシと響われるような音が鳴り、剣は真に折れてしまった。 ありゃ。なんでだ?鉄よりは鋼の方が硬い はずなのになぜ同じ不魔術をかけて壊した のだろう。首をかしげているとグリモが口 を開く。まずい液が新品だったから不与 魔術の効果を従に伝えちまったのかもしれ ませんね。ロイド様の魔力は半端じゃねえ ですから、ただの鋼じゃ耐えられねえです よ。あのまずい駅は劣化してたってことか 。しかしそんなことよく知ってたね。 エーマー家事については足しもそれなりの 知識がありぜ。カジグリモールといや、 甘かじゃちょっとは売れてましてね。えへ 。得意に笑うグリもどうやらかなり家事と しての知識があるらしい。これなら不魔術 の助けになるか。ありがとう。グリモを 使い間にしてよかったよ。古代魔術は 古臭いだけでいまい使えなかったが、家事 師としての知恵は助かる。俺自身魔術以外 にはそこまで詳しくないしな。うんうんと 頷いているとグリモはポカンと口を開けて いた。ん、どうかしたのかい?い、いいえ 。何でもありませんぜ。あっけに取られた ようなグリモだったが、小声で何か ブツブツとつぶやき始める。こいつ魔人で ある俺様を使い間にできてよかっただとけ ?いい気になっているのも今のうちだぜ。 だがなぜだ?不思議と気分は悪い気分じゃ ねえだと。あ、くそ。調子が狂うぜ。なん だかわからんが上緒不安定はいつものこと か。それより不魔術の続きに取りかかると するか。結局色踊りじめしたが鋼の剣は 強度増加を二重が限度だった。他の武器も 似たようなもので普通の武器にはあまり何 枚もの強化術式をかけるのは難しいらしい 。ちなみに3割くらいは失敗してへしおっ た。てへ残るはこれだな。最後に残ったの は赤い等身の探検である。には綺麗な装飾 がされており、歯また同様の紋用が刻まれ ている。術式が元から組み込まれているの か。こいつは魔剣ですな。ああ、おそらく アルベルト兄さんのだろう。鋼の剣ばかり じゃ飽きると思って俺の練習ようにおまけ で入れてくれたのかな。ちなみに魔剣と いうのは付与した武器と違い剣を鍛える 段階から術式を組み込んだものである。ケ を叩きながら術式を編み折り曲げてまた 術式を編む。それを何度も繰り返すことに より通常の付与とは比べ物にならないほど の術式を浴み込んでいる。上期限で花歌を 歌いながら俺たちの戦闘を行く。行先が 同じだからと同行を申し出アルベルトも それを許可したのだ。もちろんただついて くるわけではなく魔物が出てきたら戦闘も こなしている。 力はこの絵たちより2段は上といった ところか。というか以前あった時より技が 生えている気がする。あれから修行でも 積んだのだろうか。1人で魔物を半分 くらいは倒している。その強さと性格から 最初は警戒していたこの絵たちもタオに心 を許し始めていた。全くアルベルト様も あんな怪しげな少女に同行を許すなんて どうかしています。ねえ、ロイド様。あは 、そうだね。ただシルファはタオのことが 気に入らないのか。不機嫌そうだ。俺も タオとは目を合わさないようにしているの だが、ちらこちらを見てくる。まさか俺の こと気づいてないよな。じ、いつの間に かタが俺の近くにまで来てじっと見つめて いた。うお、びっくりするじゃないか。 ねえ、君、私たちどこかで会ったことない か。さ、さあ、分からないな。いきなりの 質問につい視線が泳いでしまう。ムう。 なんだか怪しいね。でも会ってるはずが ないのは私にも分かるなのに。何なのこの 感じ。やばいな。この視線怪しまえている 気がする。その原因は間違いなく木の呼吸 だ。ついさっきまで修行のために木の呼吸 をしていたからな。呼吸の仕方がロベルト と似ているから怪しんでいるのだろう。 しじったとはいえいきなりやめたら不自然 だしここは知らぬゾで押し通すしかない。 あの時姿を変えていたのは不幸中の幸い だったな。ロイド様森の方を見てくだせえ 。この娘が探しているという祠らあれが そうじゃないんですかい?グリモの声に 従い森の方へ視線を向けるとヒ々の隙間 から振ぼけた石の建物が見えた。ナイス だりも追い払うチャンスであるタオあれが 君の向かおうとしている祠じゃないのかい ?おお、まさしくあの祠よ。ありがとね。 兵士の皆さんにもお世話になったね。それ では私はこれで失礼するよ。タオは 慌たしく頭を下げるとすごい速さで走って いった。ふう。よかった。なんとかバレる 前に追い払えたか。ありがとなグリモ。へ 、気にしないでくだせ。ロイド様の使い間 として当然のことをしただけっすよ。それ にこの程度であんたの信頼を変えるなら 安易もんだぜ。くん。何か言ったか?い、 いい。何も。そ、それよりあの祠らなんだ か妙な感じがしますぜ。そうなのか。わあ わあさ。さすがに疲れてきたな。もう何十 回気候団を打っただろうか。魔術なら ともかく木に関しては初心者だ。呼吸にも 気を使うし、精神的疲労が溜まっていた。 でも大分慣れてきたぞ。最初の時と比べる と明らかに気を寝る速度が上がっている。 速度だけではない。飛距離も威力もやれば やるほど上達を感じられてすごく楽しい。 魔獣たちとの戦いもいい感じでき行してる しこの戦いもっと長引かないかな。そんな ことを考えていると隣にいたアルベルトが 息を荒らげているのに気づく。魔獣どもの 数が一向に減らない。この絵もシルファも 顔には出さないが動きがかなり鈍くなって いる。それにロイドもかなり息が上がって いるな。あの年齢であれだけの魔術を使っ ているのだ。無理もないかなんて人のこと を気にしている余裕はないな。僕の方も そろそろきつくなってきた。だが兄として 情けない姿を見せるわけにはいかない。 笑え笑うんだアルベルト。こういう時こそ 不に何かブツブツ言いながらアルベルトは 口元に笑ミを浮かべている。おさすが アルベルト。まだまだ余裕ありそうだな。 ロイドまだ頑張れるか?はい。まだまだ いくらでも行けますよ。いい子だ。さて、 ここからが踏ん張りどころだぞ。魔剣を 振い演球を放つアルベルト。本来なら モトックに魔力キれを起こしていても おかしくはないはずなのにあんな顔をして いるということは魔剣により威力が上がっ ているのが嬉しいんだろう。やはり攻撃 魔術は威力という分かりやすい指標がある からやる気が維持しやすいもんな。 うんうん。俺も負けてられない。何か特別 な要素。例えばスケットでも来なければ き行状態は続くだろうし、その間はずっと 木の練習をしてほったと考えていると規制 と共に小柄な人影タオが飛び込んでくる。 飛び蹴り一戦、それを食らったベアウルフ は湖にまで吹っ飛んでいった。くるりと 空中で回転し着地したタオはビシッと ポーズを決めた。拾った三石は鞄に 詰め込んでおく。この鞄には空間系統魔術 領域拡大の魔術をかけている。袋やカなど 密閉されたものにしかかけることができ ないが中の空間を自由に広げられるという ものだ。おかげでこの鞄には本来の何十倍 もの容量があると言っても空間系統魔術は これの他には1つ2つしか使えないんだ けどな。空間系統魔術は非常に難易度が 高く使いてもいないので分献も少ないのだ 。待たせてすまなかったね。早く先に 進もうか。鉱石は興味深いがそれだけに 時間を取られている暇もない。俺は ダンジョンを進んでいく。止まるね、 ロベルト魔物よ。いきなりタオが 立ち止まる。猫のような柔らかい動きで壁 の方を向くと一気に距離を詰める。そして 壁に手のひ底を叩き込んだ。一体何を俺が そう思った瞬間である?ピ埋めき声をあげ 壁が崩れ落ちてきた。見れば壁は泥のよう な姿になって溶けていく。なんだこりゃ。 ストーンスライムね。岩に隠れて冬打ちを 仕掛けてくるよ。あのまま進んでいたら 危なかったね。ええ、面白いな。擬退する 魔物か。しかもかなり出来が良かった。 タオの攻撃が当たった瞬間でも全然分から なかったしな。こいつの身体もちょっと 持って帰ろう。何かに使えるかもしれない し。俺は砕けちったストーンスライムの 破片をこっそり鞄に入れた。それにしても タオはすごいな。俺には岩にしか見え なかったよ。の使い手は不思議な力を持つ というが、今のがそうなのかい。ほう。 ロベルトは気を知ってるのか。大陸でそれ 知ってる人あまりいないね。勉強家ね。本 を読むのが好きなんだ。実際見るのは 初めてだけどね。それとてもいいことよ。 知識は部と同じくらい力になるね。タオは にっこり笑うとまたダンジョンの奥へと 歩き始める。その後もゴブリンに多く様々 な魔物が出てきたがタオの敵ではなかった 。あんな細い腕なのにとんでもない威力が 出るんだもんな。聞か魔術に行かせるかも しれないな。タオの呼吸法はこんな感じ だっけか。少女を取り囲むのは豚顔の巨体 。あれは確か多くだっけ城にあった魔物 図鑑で見たことがある。や少女が気合いと 共に小属を叩き込むと多くが吹き飛ばされ た。倒された多くは口から泡を吐き ビクンビクンと痙攣している。よく見れば 周りには何体も多くが倒れふしている。各 か多くはかなり強い魔物だと書いてた気が する。それをあれだけの数1人で倒す なんてあの子結構すごいな。ひんだ多く たちを少女は鋭い頑光でじろりと睨みつけ た。ぷギギプギープギー。すると多くたち は悲鳴をあげて逃げ出してしまった。ああ 、もっと見たかったのに残念だ。そこに いるのは誰ね?そんなことを考えていると 少女が声をあげた。俺のことだろうか。 そう思い顔を出してみると少女はこちらに 視線を向けていた。そう遠離れていたのに づくとは武術の達人は離れているものの 気配を察するというし、ここは観念して出 ていくか。俺は両手を上げ敵体の意思なし とアピールしながら岩影から出てくる。 えっと、こんにちは。怪しいものじゃない よ。 俺を見た少女が一瞬驚いたように目を丸く した。 まさか知り合い?いやいや、そんなはずは ないか。この姿今俺が作ったんだし。少女 は長い沈黙の後ボそりとつやく。何者か お前名前か?そういえば考えてなかったな 。Aと俺はロベルト 冒険者なんだけど仲間とはぐれちゃって あまり怪しまえても面倒だし冒険者という ことにしておこう。俺の言葉に少女は少し 考えて言葉を発する。あしはタオ。冒険者 階級はBジョブは見ての通り部島かね。 なるほど。タオさんは1人なの?弱っちい 奴らとなれ合う趣味はないだけよ。俺の 問いにタオと名乗った少女はつまらなそう に返してきた。あまりよく知らない人間と の接触は良くない。時間も無限にあるわけ じゃないしな。ここは適当にずらかるべき か。俺はこっそりとタオに背を向ける。 ああ、じゃあ俺はこの辺で待つね。合死と 肩を掴まれた。いてすごい力だ。ここは 魔物の出る危険な子や。 お前よし町へ帰るまでに食べられるよ。あも今から帰るとこ出し街まで送るね。いやいや、俺も冒険者。ちゃんと 1 人でも戦えるから大丈夫だよ。だめね。ここで見捨てたら女がるよ。むを言わさぬその鋭い目。この迫力なんとなくシルファを思い出させる。 あまり人の親切を無にするのも良くないか 。冒険者と魔物の戦いを間近で観察できる チャンスだし。分かったよ。お願いします 。うん。任せるね。ため息を吐く俺を見て タオは満面の笑を浮かべる。そして俺に背 を向け歩き始めた。来た。とんでもない イケメンある。私の好みドストライクね。 ここでオを売っておけば感謝の壁丼くらい は期待できるね。ふひふひ。なんだろう? すごく邪悪な顔をしている気がする。まあ いいか。何かあったらダッシュで逃げよう 。ふむ。見た目通りただの上位版か。闇 魔術というくらいだからもっと別種類の 呪いもあるのかと思ったが期待外れだな。 ちらりとリッチを見ると攻撃を防がれると は思わなかったのか。かなり老媒る。あの 様子ではこれ以上の魔術は持ってなさそう である。こいつからはもう学ぶことはなさ そうだな。それにしても闇系統魔術か。 さっき調べてみて分かったがこの力は気に 似ているな。同じことができるかもしれ ない。試してみるか。タオに教わった通り 、体内の日を右手に集め、魔力と折り混ぜ ていく。火に関してはまだまだだが、魔力 の制御はそれなりに自信はある。魔力と 折り混ぜることで木は歯のような形をなし ていく。む、この技ちょっと負担が大きい のか。呼吸の痛みで咳込みそうになって しまうのをなんとか耐える。普通に気を 使うよりもはるかに肺が痛い。しかも 難しい。木の形状変化はなかなかうまく 扱えず失敗しまくりだ。その度に呼吸を し直さねばならず結構手間る。だがそれ よりもワクワク感の方がはるかに強い。 練り上げた木は失敗を繰り返しながらも 徐々に思い通りの形になっていく。うん。 なんとかなりそうだ。思考錯誤の末え、俺 はどうにかして木の歯を生み出した。 それを見て魔力消壁を展開し防御を試みる リッチ。どれ火の歯の威力試してみると するかよ。掛け声と共に俺は生成した木の 歯を飛ばした。歯は子を描きながら飛んで いき、魔力消壁ごとリッチの上半身と下 半身を切り飛ばす。だ世は踊りじしい 埋めき声を残しは消滅してしまった 。Aの攻撃で倒すとチ理のようになるのか 。そういえばアンデット系の魔物は生命 エネルギーや神聖な力に弱いと本に書いて いたっけな。消え方も本に書いてあった 通りであるし信じられないあるタオがそれ を見てボそりとつく。あれは気候団の奥義 気飛行牙。あが何年修行してもできなかっ た技ね。それをあんなに良いく、全く努力 もせずに。いや、違う。努力じゃないね。 ロベルトはただ楽しんで気に触れていた。 そういえばじいちゃんが言ってた。ある。 努力をするのは当然だから努力を楽しめる やは何より強いって。ふ、そういえば私も ちっちゃい頃は修行が楽しかった気がする な。やるたびに新しいことができるように なったよ。全く修行を楽しめなくなったの はいつからだったかもう覚えてない。ある 。やれやれ1から修行のやり直しか。今度 はせぜいっぱい楽しむとするね。何を ブツブツ言っているのだろう。タオは俺を 見て悟ったような顔をしている。一体どう したのだろうか。まあいいや。アルベルト 様獲物を取ってまいりました。私もです。 私たちは鹿をしばらくすると続々とこの絵 たちが獲物を捉えて帰ってきた。ウさギに 蛇、鳥に魚、鹿やイノシシまでである。 その大量ぶりにアルベルトは驚いている。 こりゃあなた随分捕まえたもんだ。大して 時間も経っていないのにどうしたんだ? いえいえ、アルベルト様、この森トでも なくたくさんの動物がいるんです。しかも どれもこれも警戒心が薄い鳥放題ですよ。 後で狩などしてはいかがでしょう?この絵 たちは興奮した様子で語っている。まあ、 あれだけ取れれば楽しいだろうな。 アルベルトは並べられた獲物を見てふむと 考え込む。ふむだが獣は村の貴重な資源。 いくら簡単に取れるからと言ってやり すぎるのは良くないだろう。僕たちは標準 の食事ができれば十分。これ以上の狩は 不要だ。他の者たちにもよく言っておく ように。は。アルベルトに注意され、この 絵たちは慌てて経をした。ともあれ、食事 の用意が始まる。獣をさき、血を抜き、下 処理をした肉がシルファの前に運ばれて いく。シルファはそれを切って似て焼いて テーブルの上に並べていく。その手際の良 さにこの絵たちは簡単の声をあげていた。 皆様お待たせいたしました。どうぞお 召し上がりくださいませ。調理が終わり 合成な食事がテーブルの上に並んだ。 肉たるステーキや脳のスープ、鳥の串焼き に賛菜のさや。どれもビ味そうだ。この絵 が幸せそうに食べているのを見るとこっち までお腹が空いてきた。お二方もどうぞ。 ああ、ありがとう。シルファ。いただき ます。手を合わせ綺麗に盛り付けられた 料理に手をつけていく。まずはお肉を もぐもぐ。おお、これはうまい。野生の獣 の肉というのはこんなにうまいものなのか 。行け。放たれた火球が高速回転しながら 1番高得点の区の的を狙って飛んでいく。 ちなみにこいつは強烈な横回転をかけて いる。やや左に曲がって当たるはずだ。 火球は俺の予定通り飛んでいきの縁り切り をかめた。倒れなかったためこれは得典に はならない。だがこれでいい。敵の真ん中 に当ててあまり注目されても困るから あえてギリギリ当たっても倒れない ポイントを狙ったのだ。この回転数角度 射室速度で打てば命中するのは計算通りだ が実際やってみると案外思った通りには 飛ばないものだからな。実験は大事だ。 惜しかったね。ロイドでは僕の番だ。今度 は俺に変わってアルベルトが的の前に立つ 。として集中し、手元に生み出した火球を 放った。俺のより回りは大きな火球が 真っすぐに飛んでいき、俺が倒し損ねた的 の中央に命中した。お見事です。 アルベルト兄さん、ありがとう。さあ、次 はロイドだよ。今度は俺が的の前に立つ。 次は下から上に競り上がっていくように 回転を加えて火球を放つ。球は俺の思った 通りの曲線を描き、的の丈夫をかめた。次 もその次も火球は俺の思い通りの奇跡を 描き狙い通りの箇所にあたる。ふむふむ。 魔力級に回転力を加えて変化させるのは 悪くないな。普通にコントロールして 曲げるよりも圧倒的に魔力を使わずに住む し、速度も比較にならない。実験成功と いったところか。そんなことを考えている と、遠くからひそひそ声が聞こえてきた。 アルベルト様はさすがだな。見事に全て 命中させておられる。それに比べてロイド 様はやはり子供だ。高徳点の的ばかり狙っ て外しておられる。自分にあったのを狙え ば良いのに。俺たちを見ていた魔術師の 言葉だ。よしよし。うまくごまかせている ようである。やれやれ。お前たち見てて わからないのか?するといきなり アルベルトが魔術師たちに声をかけた。う 、まさか俺のやっていることに気づいたの か?ドキドキしながら聞き耳を立てる。 かすっているだけとはいえ、ロイドが放っ た魔術は全て的に命中している。しかも 1番小さな区間にな。それにわずかだが 火球が敵に向かって動いていた。おそらく 制御系統魔術の才能があるのだろう。おお 。そ、そうだったのですか?それは気づき ません。全く不穴だな。お前たちはふう。 どうやら完全にバレているわけではない ようである。ちなみに制御系統魔術は7歳 の頃に極めた。俺がよくその手の本を読ん でいたからそう勘違いしてくれたのだろう 。ドイドは魔術の才能がある。小さな頃 から才能を伸ばしていけばゆくゆくは大魔 術師や賢者も夢ではあるまい。今のうちに こうして仲良くしておけば僕が大いにつく 頃にはきっと大きな力になってくれる だろう。アルベルトは微笑みを浮かべ ながら小声で何か言っている。よく聞こえ ないが。ま、いいか。俺には関係なさそう だしね。 土シルファの牧刀は土の壁に埋まり抜け なくなる。無理やり抜こうとしている間に 俺はその背後へと回り込む。取った。牧刀 をシルファへと走らせ、首元で止めるはず だった。しかし目の前にいたはずの シルファは牧刀を残したまま姿を消してい た。うっそ。左右に目を動かすがシルファ の姿はないとなれば後ろ振り向くがいない ということは上即座に火球を念じ上空へ 向けて放つ残念下ですよ。また下から 聞こえる声に見下ろすとシルファが笑顔で 俺の真下にいた。驚く間もなく両足を掴ま れ転ばされてしまう。そのまままたがられ マウントを取らえてしまった。 にっこりと微笑むシルファを見上げ、俺は 目をつる。負けました。はい、私の勝ち です。よいしょっと。これでいいんですか ?ロイド様。シルファは油のたっぷり注が れた水瓶を俺の部屋の隅に置く。多分と 水面が波打った。ありがとう。でもいいの ?1本取れなかったのに。一瞬とは言え 思わず本気を出してしまいました。1本 取られたようなものですよ。それにしても 本気を出したロイド様はこれほどまでにお 強くなられていたのですね。シルファは 嬉しございます。ぐす。またも涙む シルファ。やめてくれ。恥ずかしいから。 俺が本気を出して戦ったことがよほど 嬉しいらしい。かなり限定した状態での 本気だったのだが、まあ喜んでくれてるん だからよしとしよう。先日のあまりに ふ抜けたおいぶりどうにかなってしまった のかと思いましたが、調子を取り戻して いただけたようで幸いですわ。ふ。微笑み を浮かべるシルファを見て俺の右手が ブルブルと震えている。グリモのやつ よほどビビっているのか。今日はずっと 引っ込んだままだ。先日の堅術ごっこで 痛めつけられたのが相当トラウマらしい。 あわ、あの時はちょっと体調が悪くてね。 Aスランプというやつですね。そういう時 は誰にでもあるものです。それを抜け出す のには1にも2にも鍛錬あるのみ。実際 スランプを抜けたロイド様の動きはとても 素晴らしいものでした。魔術と剣術の融合 、このシルファく完復いたしました。 シルファはそう言ってうやうやしく霊を する。堅術も魔術もまだまだ拙い。でも ロイド様は発展途上。そして凄まじい速度 で腕を上げていらっしゃる。魔術が使える 剣士自体とても数が少ないのに堅術レベル はわずか10歳とは思えません。それに 魔術に関する造形はアルベルト様も一目 置かれるほどです。ああ、なんと 素晴らしいのでしょう。成長したロイド様 には騎士団長や牽制の称号すら不り合いか もしれません。そんな方の指導薬をやらせ ていただけるなんて。このシルファ光栄 四国でございます。何をブツブツ言って いるのだろう。さっきから俺を見る目が なんか怖いんだが。そういえばシルファは 以前チャールズに俺の現術の腕をすごく 評価しているとか言ってたっけか。いや、 今回は魔術を使っただけだし、そこまで 評価は変わらないだろう。そう思いたい。 うん。王族たるもの女性からそういう視線 を向けられることは少なくない。周り体に 言えばモるということだが、あまり彼女 たちを甘く見るなよ。女性が僕たちを見る 目はとてもシビアだ。あまりだらしなくし ていると霊水をぶっかけられちまうぞ。は わあ。すごく真面目な顔で何を言っている んだろう、この人は。もしかして アルベルトは女性関係でひどい目にでも 会っているのだろうか。アルベルト様。 うわ。いきなり後ろから声をかけられ、 アルベルトはビクっと肩を振わせる。 振り向くと満面の笑ミを浮かべるシルファ がいた。シルファは笑顔のまま手にしたT を差し出した。驚かせて失礼いたしました 。お茶が入りましたよ。あ、ありがとう。 シルファから茶をついでもらった アルベルトはTカップをズずズずっと すする。そしてぶっ吹き出しそうになり、 なんとか耐えた。暑かったのか渋かったの か、はたまた両方か。アルベルトは ゲホゲほと咳込んでいる。アルベルト様と 言えど、あまりロイド様に余計な知識を 与えませぬようお願いします。ああ、 もちろんだとも。それを聞いて安心いたし ました。ではごゆっくり。シルファは にっこり笑うと俺たちに背を向け去って いったな。怖いだろ。そう言って アルベルトは苦傷する。いや、どう考えて も自業自得だろうな。あまりレベルが高い とは言えない生成魔術だね。切を無理やり にしたのかい。準度が低すぎるし、中身も スカスカだ。これじゃあ駆け出しの商人も 騙せないよ。そもそも魔術での金の成は 禁じられている。というか俺は王子だし金 には困ってないんだよな。む、グぐた。 だったら不老師だ。お前さんを不労士にし てやるよ。悪いが自分の身体に他人の術式 を施されるのは好きじゃない。特に不労士 なんて強い術式を人体に編み込むなんて どんなリスクがあるか分かったものじゃ ないよ。魔術というものは万能ではない。 低レベルの魔術なら魔力の消費だけでなん とかなるが、あまりに高レベルな魔術は術 者や比術車にも負荷がかかる。不老不 なんてのは相当うまく術式を編み込んでも かなり重いリスクをしうはずだ。例えば 重度の神経麻痺や肉体の欠損とかとても そんな術式をおそれとは受けられない。壺 だったのかグリモワールは顔を歪めている 。やはりもう1度封印させてもらうよ。君 は危険そうだしね。ま、待て、待ってくれ 。頼むから。俺は全然危険じゃねえ。良い 魔人なんだ。封印されたのだってちょっと いたずらしただけなんだよ。うん。でも嘘 言ってるかもしれないしな。やはり封印。 俺が本に触れようとした時であるな。なら 魔術はどうだ?魔人がぽつりと呟いた。 何百年も前の古代魔術だ。お前さんも魔術 師なら興味あるんじゃねえのか。そいつを 教えてやる。どうだ?ロイドしばし 考え込んで俺は頷く。面白い。今更言う までもなく俺は魔術が好きだ。古代の魔術 か。伝説によると大地を揺がし洪水を 起こし、海を割るなんてのも聞いたことが ある。実物はどれほどのものだろうか。 是非見てみたい。俺の言葉にグリモワール はパッと表情を明るくした。タオは顔を あらめ、くねくねと腰をよじっている。 まさかまだ気を失っていなかったとは。だ が幸運なことにちょっと勘違いしている ようで正体がバレたわけではなさそうだ。 っていうかといつの間に将来を誓い合った のだろうか。全く記憶にないんぞ。ふむ。 魔人を倒すとは相当名が知えた冒険者 だろう。今度探して霊を言わなければな。 いや、ロベルトなんて冒険者はいないんだ が。まあいいや。知らんをしておこう。 オン といきなり森の中から吠え声が聞こえてき た。ち茂身から飛び出してきたのは真っ白 な大型県たちだ。犬の群れは惚れに すり寄ってくる。わ、なんだお前たち。ん 、よく見ればこの犬たち見た目はすっかり 可愛らしくなっているがさっきの ベアウルフだ。触れれば分かるが体内を 巡る魔力の流れが同じなのである。成長や 修行により魔力の方は変われどう1個体で あればこの流れのパターンが違うのは基本 的にありえない。 一体なぜこんなことになったんだろうか。 魔獣は食らった魔力により姿や性格が変化 しやす。ロイド様の魔力を浴びたから こいつらもこんな姿になったんでしょう。 おグリモの言葉を肯定するように犬が吠え た。その1匹が俺の前でちょこんと座ると 他の犬たちもそれに習う。戦闘の犬は俺を キラキラした目で見上げ尻尾を振っている 。 どうやらこいつパズが直接操っていたやつ ですな。ロイド様を主と認めたようですぜ 。どうもそうみたいだなとはいえに 連れ変わるわけにもいかないよな。可愛い けど魔獣だし。俺はそう思いちらりと シルファを見た。あらあら。この犬ロイド 様に随分ているようですね。だがシルファ は俺に抱いた犬を見て嬉しそうに微笑んで いる。あれ?絶対連れ帰っちゃだめですと か言うと思ったのになぜか交換色だ。何を 不思議そうな顔をしているのですか? ロイド様。犬は中義に熱く戦士たちの良き 相棒となる。それ故えングリスケでも昔 からたくさん買っております。ロイド様に もいつか犬を勝っていただこう思ってい ましたが良い機会です。この子は身体も 丈夫そうだし、よろしければ買われては いかがでしょうか?シルファの言葉に アルベルトも頷く。そうだね。犬は僕も 好きだ。それに白い魔獣は演技が良いと 言われている。これほど抱いているなら きっとロイドの良きとなってくれるだろう 。おんおんおん。そうしろと言わんばかり に何度も吠える犬。2人がいいって言う ならいいか。魔獣に関しても色々研究し たいことはあったしね。あ、いや、別に グいことをするじゃないからな。ロイド、 その子に名前をつけてやるといい。名前 ですか?うん。じゃあ白で。おん。白い からというな理由だけど白は気に入った ようだ。撫でロばかりに俺に頭をすりつけ てくる。俺が撫でてやると白は千ぎ連に 尻尾を振って喜びを表現していた。可愛い 。お、そうだ。群れないはずの魔獣をどう やって集めたのだろう。すごく気になった 俺は思わず尋ねる。一体どうやってこんな 数のベアウルフを集めたんだ。くふ知れた こと。本来は決して群れぬ魔獣どもをこの 森に集めるため餌となる超獣たちを我が 魔力を餌に大量に集めたのだよ。そうすれ ば魔力と餌に溢れたこの地に魔獣が集まっ てくる。その中で生まれた晩の親を殺し子 だけを集め育てあげたのだ。本来は群れぬ はずの魔獣だが幼虫の頃から集団で育てれ ばそれが普通となるのだよ。まあおかげで かなり苦労させられたがその回あってみよ 。 この軍勢をこれだけの魔獣を相手に勝てるものなど存在すまい。くははは。 親を殺し子供をさって小さい頃から調京するとはなんという悪いやつだ。俺でもそんなことはやらないぞ。大笑いするズを見てリモが声をあげる。ああ、そのちょっといいか。ま抜けな魔人。 お前さん、それいつからやっているんだ? ざっと100年だな。割れながら苦し藤さ せられたぞ。そりゃそうだろうな。グリモ は呆れた顔でため息を吐いている。100 年昨日遠くなるような話である。魔人で あるグリモから見てもすごいことなん だろう。準備を終えた我は年には念を入れ 手に村を襲わせた。そうすればこの国の軍 が出てくるだろうからな。それに勝利すれ ば我が軍勢の力は証明される。そしてカプ なきまでに勝利した。倒れぬ魔獣相手に 貴様らはなす術がなかったであろう。今 こそ信仰の準備は整ったのだ。ふははは。 高笑いするパズをグリモは鼻で笑った。 おいおい、カプなきまでに叩きのめしただ と。どう見てもここに1人残っているじゃ ねえか。むああ、そうだな。日な子供と その使い間がな。問題ない。すぐに すりつぶしてやる。パズが手を上げると ベアウルフたち俺たちを取り囲む。目を 自ばらせ唸り声をあげていた。さあ行け。 そやつらを食い殺すのだ。 飛びかかってきたベアウルフたちが鋭い爪 と牙を俺へと突き立てようとしたその瞬間 である。ベアウルフたちは俺への攻撃を 止めるとそのまま着地し俺の橋元へ伏せた 。続けてラングリス竜拳術下り安か非長 パズの背に突き立つ双剣 ガガガガガガガガガガガガガ と激しい斬撃を繰り出しながらシルファは 着地した。目にも止まらぬ見事な検査だ。 おお、すごい。これがシルファの本気か。 このチョコマ任かしをってだがダメージは ないのか。着地したシルァを狙いパズの 蹴りが放たれる。しかし遅い。捉えたのは シルファの残像だった。残った足の前には 双剣を十字に構えたシルファがいた。 ニトラニコ相が相画上下左右から繰り出さ れる4連撃により先結が吹き出す。 シルファの顔色が変わる。深く食い込んだ 一撃にて剣が折れていたのだ。即座に剣を 捨てて離脱すると地陣に戻りそりとつく。 硬いですね。どうか皆様の持つ件私に預け ていただけますか?おお。この絵たちは コクコ頷くと余剰の剣を集めて地面に 突き刺す。その数12本やや心もなさそう にそれを見るシルファだがすぐに気を 取り直し剣を抜くサルーム王国旧事係かり 権術師難シルファラングリス 押して参るシルファの構えた双剣が冷たい 光を放っていたぬー女不勢がパズが シルファに釘付け気けになっていたその時 である数い 呼吸 その足元には両手を交差させる小さな影が あった。タオだ。腰を低く落とし、構えた をひねるようにして打ち出す。は、鈴と 重音が響く気を込めた一撃。衝撃波がパズ の足に走り、その巨体がよめき倒れた。 深みなリアブレ動作が長くて当てにくい けど威力はピカ値ね。タオはニっと笑うと 倒れたパズに向けて手のひを返しクイくイ と手招きをした。百貨兼108代目習い タオゆいファかかってくるある2人の攻撃 を見たこの絵たちの表情が変わる。お俺 たちもやるぞ。そうだ。男を見せる時だ。 震える手に剣を握りしめベアウルフラに 向き直った。どうやら気を取り直したよう である。それを見たアルベルトが覚悟を 決めたように頷く。皆もう少しだけ持ちえ てもらえるか。そしてパズを見据え言葉を 続ける。最上位魔術を使う。なるほど。 なるほど。そんなことより魔力の性質変化 ってどうやるんだろう。俺は興味心身に パズの放っている魔力をじっと見ていた。 そろそろ夜が開けるな。その前に片付けて から帰るとするか。地下しは俺がグリモ ワールと遊んでいたことで少々散かってい た。あかじめ結界を張ってあったので損傷 などの被害はほとんどないが本棚や ちょうど品に少々の乱えがある。手伝い ましょうかい?ロイド様。それには及ば ないさよ。俺が術式を展開すると散らばっ ていた本や魔道具がふわりと浮き上がり元 あった場所へと帰っていく。これは俺の 編み上げたオリジナル術式。物体そのもの の記憶をたどり力を与えて自ら元あった 場所へと戻すというものである。その効果 は物体であればチ理でも誇りでも全てに 有効で俺が消滅させたグリモワールの本も 元通りだ。ただし外観だけであるが、お こりゃすごい魔術ですな。魔術というほど のものではないけどね。でも探し物や 片付けなどには便利だよ。ちなみに魔力を 編み込んだものを術式、それを束ねて特定 以上の効果を発揮させるものを魔術という 。このくらいでは魔術とは呼ばないので ある。ところでグリモール。お前その姿 じゃ目立つよな。小さくなったり姿を消し たりはできないのか?できなくはないっす が。言葉を濁すグリモはある。姿を変える 魔術はかなり高レベルだからな。それに 使い勝手の悪さから使い手を選ぶ魔術だ。 使えなくても仕方ないか。じゃあ俺の身体 に住むといい。右手をかそう。俺が右手を 差し出すとグリモワールは信じられないと いった顔になる。はい、いいんですかい? その方が目立たないだろ。グリモール 戸惑った様子だったが、俺から顔を背け、 口元をけさせる。くひ、こいつありえねえ ぜ。使い間をその身に宿すなんてのは よほどの信頼関係がなければ常に命を狙わ れる覚悟をせねばならない。そんなことも 知らねえのかよ。あまちゃん目。腕1本も 使わせてくれるんなら本体を殺すのは良い 。眠っている時にでもぶち殺して身体を 乗ってやるぜ。おい、何物つブツ言ってる んだよ。早く来い。えい。ただ今 グリモールは勢いよく返事すると黒いモヤ になり俺の右手に入っていくな。なんだ こりゃ。体内の魔力密度が半端じゃね。 こんなギチギチに詰まってやがったら俺が入るスペースがねえ牛では無理だならせめて手首からぐだめだ。指先 1本すら入れねえ。 うおお。 方向の後手のひに 1 本の線が入り、ぐパッと口が開いた。グリモワールはぜと息を吐いている。はあ。はあ。 て、テのヒアの川1枚が限界だった。何つ 魔力密度だ。何かブツブツ言ってるが無事 入れたようである。お、その手もしかして 20影してた時のか。え、ええ、そうです 。ロイド様が20章に興味を持っていたの は分かって癒したからね。もちろんこの 身体はロイド様のものですから自分の意思 で動かせます。本当か?それは面白そうだ 。20重症か。使い方によっては色々な ことができそうだ。うん。ワクワクしてき た。後で早速試してみよう。身体を乗っる のは無理だったが、こうして取り入って おけば奴もそのうち油断するだろう。何 焦ることはねえ。じわじわ行くぜ。くひひ 。ん、何か言ったか?グリモール。い、 いえ、何も。そ、そうだ。ロイド様、自分 のことはグリモでいいっすよ。そっか。 これからもよろしくな。グリモ。え、 イエイ。ふ骨最新ロイド様のために働かせ ていただきますぜ。そうこうしているうち に部屋の片付けが終わり、俺は諸庫から外 へ出て部屋へ戻り、そのまま眠りに着いた 。翌日、俺は城の屋上へ来ていた。 ロイド様、こんなところに来て一体何を なさるんで?早速20重賞を試してみよう と思ってね。今は昼休みなので見張の兵士 たちも休憩に行っており誰もいない。当然 結界は展開済み。時間は短いが今なら心 なく魔術の実験ができるのだ。それじゃ力 を貸してくれるか。グリモ。まずは影 合わせをしてみよう。 演の影はできるかい?もちろんでさ、水形 等魔術水融合と土系統魔術土融合 の液体と個体を融合させ、新たな物質を 作り出す魔術である。それを20重症で 発動させればあらゆる物体の調合が可能。 小瓶に入れた油と溶けた銀が混ざり合って いく。黄色かった油は銀がかかりキラキラ とした液体になった。ロイド様こりゃ月銀 役じゃねえですかい?うん。よく似ている な。月銀薬とは魔術師ギルドで売っている 薬品だ。魔法陣を描いたり、使い間を 呼び出す媒介としたり用途は様々。非常に 効果だが、それ以上に数が少なく普通の 魔術師が購入するのはほぼ不可能。どう やって作っているのかと思ったが、 なるほどこうして作っていたのか。20 A賞は理論上さえ合えば2人の魔術師で 行使。ただ水融合も土融合もかなり高 レベルの魔術だし非戦頭系である合成系 等魔術の持ち主は少ないだろうからな。 それほどの使い手が2人も揃わなければ 作れない時点でそりゃ数も出回らない だろう。こんなところでレシピを発見する とは運がいいな。何かに使えるかもしれ ないし、ある程度はストックしておこう。 さて、あとはこいつに赤を加えれば完成だ な。月銀薬に赤をサラサラと入れていく。 銀がかかった油に落ちた粉が染み渡り、 赤い煙が水中を彩る。ぐるぐると かき混ぜるとほとんどまずい液と変わら ないものができた。おお。すげえですよ、 ロイド様。見事です。見た目はな、実際に 使ってみないと効果のほどは不明だよ。か と言って俺の探検はもう付与済みだし、 武器として使う機会もほとんどないんだよ な。不要失敗の可能性もあるので、その辺 に飾ってある武器で試すわけにはいかない 。どこかに大量に武器が余ってないものか 使ってくれる人がいればなおよし。あ、 そうだ。考え込んでいるといい考えを 思いつく。そのためにはアルベルトの ところに行ってみるか。上中を探すと アルベルトは馬術の訓練中だった。俺を 見つけると馬を止め降りてきてくれた。 おはようございます。アルベルト兄さん。 やあ、おはよう。ロイドから会いに来て くれるなんて嬉しいよ。パワーもしかして 何かお願い事でもあるのかい?視界が ぼやけるみたいが思うように動かない。 一体何が起きているのだろう?自分が自分 ではないみたいだ。誰かの声が聞こえる。 女性の声だ。目を凝らすと顔が見える。 美人だ。そして胸をはけさせている。だが 妙に大きい気がする。女性は何か喋り ながら俺に近づいてくる。身の危険を感じ た俺は懸命に手を動かし火を念じた。勝査 な炎を生み出す俺が唯一使える攻撃魔術。 弱い魔物を追い払うことしかできないが 威嚇にはなるはず。そのはずだ。だが何か 妙だ。違和感を感じた俺はとっさに女性 から狙いを外した。その直後ドゴン と爆音が響いた。見れば壁に巨大な穴が 開いていた。女性は驚いているが、それは 俺も同じだ。俺の火球でこんな威力が出る のはありえない。一体何がそう思った時目 の前にある姿鏡に自分の姿が映る。小さな 身体短い手足。クリッとした大きな目。 赤子だ。俺は赤子になっているのだ。そう いえば何かで聞いたことがある。死した ものが記憶を許したまま生まれ変わること があると。いわゆる転生というやつだ。 そう考えれば今の火球にも納得がいく。 魔術師としての核は家柄と才能。つまり ほとんど生まれた時に決まる。優秀な魔術 師の家計では幼少期から魔術を使えるもの もそこそこいる。今の俺にそれほどの才能 があるなら、これだけの魔術を使えても 不思議ではない。だが待てよ。いくら何で も生まれた時からこんな魔術が使える なんて霊は聞いたことがないぞ。周りで 騒いでいる人たちも俺がやったとは認識し ていないようだしな。というかよく見れば 部屋がやたら広い気がする。部屋に置かれ ている長土品は美術館で見るような高級品 が並んでいるし、メイドらしき女性も数人 いる。こんな部屋そこらの貴族ではありえ ない。横向貴族や境泊、はたま股た工爵と かそんなことを考えていると太立派な装飾 が施された紋章が目に止まる。その紋章に は見覚えがあった。俺の住んでいた サルーム王国その王家の紋章である。俺 もしかしてとんでもないところに生まれて しまったんじゃないだろうか。燃える炎、 舞踊る炎、振り注ぐ炎、等しく全てを 滅ぼす炎よ。来たれ、来たれ、来たれ。 アルベルトが影唱を開始する。あれは 非系統も神魔術消熱の影だな。各か アルベルトは上位魔術まで使えなかった はずだが、いつの間に身につけたのだろう か。ただ呪文束を使っての高速影象までは できないのか。通常の影である。呪文が 紡がれる度アルベルトの周囲に魔法陣が 生まれていく。美しい模様が鮮やかに 浮かんでは消えていく。呪文だとそういう のも全て省略されるからちょっと味けない んだよな。とは言え振るだとかなり長かっ た記憶がある。 完了までのその間タオとシルファがパズを 抑え込むという手はずなのだろう。はあ。 いや、2人の攻撃はまともに通ってない。 いや、多少の傷は与えているのだが、すぐ に言えてしまっている。どうやら半分精神 体である魔人には物理的なダメージは通り にくいようだ。ロイド様、いくら最上今 魔術だろうが魔人であるやには聞きません ぜ。そういや以前にそんなこと言ってたな 。その割にすぐ参ってたけど。そりゃ あんなもん食らったらね、結局どっちなん だよと内心突っ込む。まあいいや。それ よりグリモは魔力の性質変化って得意な方 か。ってまだその話続いてタスカイまだと はなんだ。まだとは最優先事項だろうが。 まあ、そりゃ魔人は魔力の性質変化は得意 すからね。やり方くらいは分かりやすが、 さすがにあの人たちを放置して教えるのは まずいんじゃないっすかね。グリモが戦闘 中のアルベルトラに視線を送る。大丈夫だ よ。少し前から血魔術をかけているからな 。向こうが回復するならこっちもだ。 みんなには全国魔力国印を飛ばしてつけて おいたのだ。これは魔術を自動で当てる マーキングのようなもので1度つけておけ ばわざわざ狙い直す必要もなく魔術の対象 とできる。おお、何なんすかそりゃ。受刑 魔術ギ型台だよ。特定系統に存在する片は 魔力で木や石などを形づり様々なものを 生み出す魔術。特に樹系討による片しは 樹目を育てて形とするため弾力と硬さに 富み繊細な造形を可能とするのだ。あっと いう間に俺と全く同じ姿の人形が完成した 。こんな成功な片は見たことありませんぜ 。全くこりゃ頭げたもんだ。ロイド様 そっくりじゃねえすか。そういう風に作っ たからね。似ているのは外見だけではない 。時計灯も加えることで骨を石、肉を泥、 皮膚を受脂、全身に根をはわせ神経とし、 血流のように魔力を流し動力としているの で当然動かすこともできる。土と木で作っ ているためかなりも脆ろいが注ぎ込む魔力 次第では数日は活動可能である。確かに見 た目だけなら問題はないんだが、どうにも 動かすのに手がかかってね。作り出した 物体を人間のように動かすのはかなり気を 使う。とてもじゃないが身代わりを動かし ながら外出し、魔術の実験なんて不可能だ 。そりゃ自分の身体を2つ制御するような もんでしょう。人間技じゃねえですよ。 うん。だからこいつの制御をグリモに 頼もうと思うな。驚愕の表情を浮かべる グリモに言葉を続ける。クリモは実態と 精神体の間にいるような構造だろう。だっ たら身体の部分を俺の右手に残し、精神体 をこの人形に宿らせるなんてこともできる んじゃないのか。そりゃまあ増作もねえ ことですが会話の受けえから大丈夫だ。 グリモは状況に合わせて身体を動かして くれればいい。俺の問いにグリモはなぜか そワそわしている。そのですがいいんです かい?ロイド様の思う通りに振る舞るとは 限りませんぜ。俺が頼んでいるんだから 構わないだろう。早速その中に入ってみて くれ。え、じゃあ俺が忙すとブリモは いかしむように人形の身体に入っていく。 人形の目が開き動作を確認するように手足 を動かすグリモ。うん。問題はなさそうだ 。グリモは立ち上がってグリぐリと首を 動かした後、俺に背を向け元をけさせた。 ぐひ。信じられないぜ。もうこんな自由が もらえるとはよ。よほど信用されてるのか 。こいつが1人で外へ行ってる間に周りの 人間をうまく使えばグリモ。えい。声を かけるとグリモは驚いたのカビ君と肩を 振わせた。なぜか恐る恐る振り向くグリモ にっこり微笑みかける。頼んだよ。そう 言うとグリモは放けた顔で俺をじっと 見つめてくる。どうかしたかい?いえ、 なんでもないでさ。パタパタと手を振り ながら俺から視線を外す。あの顔何かんで やがるのかはそうか。俺様を試してやがる んだ。自由に泳がせていると見せかけ、 裏切りの気配を見せたら殺すつもりだな。 く、気づいてよかったぜ。奴の魔術は得体 が知れねえからな。そのくらいの術式は 余裕で組んでいてもおかしくはない。なら ば今下手に動くのは特策じゃねえよな。 まずは奴の信頼を得ることに集中すべきか 。そしてまた何やらブツブツ言い始めた。 一体どうしたのだろうか。どうしたグりも 大丈夫か?い、いえいえ、なんでもないで さ。ともかくこのグリもロイド様のために 噴骨やらせていただきますぜ。ええ。 ぎこちなくグリモを見て俺は首をかしげる 。なんだか独り言の多いやである。慣れ ない人間世界での生活で精神的に疲れて いるのかもしれないな。よし、なかなか筋 が良いよ。俺が気を巡らせ、手元に集める のを見てタオが嬉しそうに手を叩く。タオ は俺が日に興味を持ったのがよほど 嬉しかったのか親切にも色々と教えてくれ ている。教え方もうまく俺自身に下地が あったこともありおかげである程度木の 操作はできるようになっていた。大した ものね。こんな短期間で木を物にするとは びっくりよ。 タオの教え方がいいんだよ。実際に気を 使っているのを見ながらだと分かりやすい しね。ま、そんなこと言って褒めても何も 出ないあるよ。タオは嬉しそうに腰をくね ながら俺の背中をツンツンしてくる。教え てくれるのはありがたいがちょっと気持ち 悪いのが玉に傷だ。しかしロベルト木の 呼吸辛くないか。慣れないうちは肺に すごく負担かかるはずよ。そうでもないよ 。なはずないね。木の呼吸は肺が焼けつく ような痛みあるよ。あしでもピリピリする から長期は無理なのに。うん。確かに痛い けどでも楽しいしね。全然苦じゃない。 前世でやってた瞑想で慣れてたからかな。 全然平気だ。そ、そうあるか。俺の言葉に あげれ顔になる。なんか変なこと言ったか な?それにしてもお宝が全く落ちてないな 。かなり深くまで潜っているはずなのに 全くお宝に出くわさない。ダンジョンには お宝が眠っていると聞いていたが不良品な のだろうか。この程度の魔物しか出てこ ないダンジョンじゃ1番奥にしお宝は眠っ てないよ。多分このダンジョンで来たてね 。ああ、そうなのか。ダンジョンはまるで 生き物のように成長する。生まれて間も ないダンジョンにいるのは弱い魔物ばかり で回層も浅く、ボスも弱いが見入りも 少ないらしい。高レベルダンジョンはその 逆でどんどん敵が強く深くなっていく。 何百年も攻略されてないダンジョンはその 上には町が立てられ人々の制業にすらなっ ているとか。そしてどうやらここが最を見 たいよ。階段を降りた先にてタオが 立ち止まると目の前にはぽっかりと大穴が 開いていた。中には今まで感じたことの ないような強い気配が感じられる。 感じ取ったようね、ロベルト。そう、 ダンジョンの作用にはボスがいる。それを 倒せばお宝ゲットね。おお、ついにか。 生まれてすぐのダンジョンみたいだし。 大したお宝は期待できそうにないけどね。 タオはそう言って笑っているが、なんと なく妙に大きな魔力を感じる。弱い割には 魔力が大きくないか。魔術タイプの魔物 だろうかともあれ。ここでグズグズしても 仕方ないね。中に入るよ。そう言って ズンズンと中へ入っていくを。俺はやや 警戒しながらついていく。中は薄暗らく 広い空間だった。 妙な結界が貼られているようだ。感じた 魔力の正体はこれか。俺が中に入った瞬間 、入り口が結界で閉ざされた。なんだ こりゃ。外に出られなくなっているぞ。 触ってみると引かれる。この手触り魔術で はないのか?感覚的にだが三石と同じ ダンジョンが持つ魔力によるもののようだ 。魔術には全て影が存在する。 ただほとんどどの魔術師は各々自分にあっ た形で術式で無営象化あるいは観略化して いるのだ。貝の魔術なんかは影も魔力も ほぼ必要ないが上位魔術になってくると さすがに術式だけでは補えないため呪文の 影が必要となってくる。それを20で同時 発動させる。果たしてどんな効果が 生まれるのかワクワクするな。行くぞ。 グリモ。えい。俺の言葉と共に右手に グリモの口が開いた。改めて呪文の影を 開始する。やあ。突如グリモが悲鳴をあげ た。なナ、今のは一体何なんですさ。え、 呪文を影承しただけだが、今のがなんか とんでもない量の呪文が一気に聞こえたん ですが、ああ、呪文束だよ。一呼吸に 100 の呪文を束にして突っ込んでいる。宣告いだがその束である。魔人ともなればこのくらいできると思ったのだが。 いや、無理っすよ。 呪文束くらいは知ってますが、束ねられるのは生ぜ 2つか3 つくらいっす。その影象速度についていくには開魔術の例えば火球とかでないと無理っすよ。火球に少は不要だろう。 いえ、自分は普通に必要すよ。驚いた。 火球みたいな買魔術にも影が必要なのか。 古代魔術は影少重視の文化なのかもしれ ないな。こっちは逆に影縮に特化した術式 を編んでいるから買魔術に影はできないん だよな。まあ、そういうことなら仕方ない 。じゃあ俺1人でやるしかないか。人って ことは2人分の影を1人でやるってことっ すか?ああ、とりあえずこっちの口で普通 に喋れるかだな。ああ。うん。普通に 行けるな。手の口から声を出してみる。妙 な感覚だが難しくはない。これなら1人 20もできそうだ。念のため結回を貼って おくか。では改めて 円列火球と滝列水求2つの上位魔術を20 影する。やや上空に座標を指定したそれは 正確に発動している。いるのだがなんだ こりゃ。とんでもない魔力の氷を感じる。 これ以上やると結界が持たない。そう判断 した俺は魔力供給を立ち強制的に発動さ せる。極後混じり合った2つの魔術が破裂 する。ドーン と大爆発を引き起こし結界は消滅。周囲の 雲が消し飛んでいたな。南通威力。ああ、 こりゃすごいな。これが20章か。かなり 威力を抑えたつもりだったが、それでも俺 の結界を破るとは全力で打ったらどうなる ことやら。なんだ?城の上空ですごい音が 聞こえたぞ。まさか龍でも現れたか?走れ 走れ。開花から見張の兵士たちの声が 聞こえてきた。やべ、見つかったら怒られ ちまう。俺は屋上から飛び降り自分の部屋 へと駆け戻るのだった。うん。さすがに そろそろこの本も読み飽きてきたかな。俺 は開いていた魔術書を読みながら呟いた。 この本を読み直すのももう何十回目だろう か。魔術書は魔力の込められた文字で書か れており、それを理解することによって 魔術の発言が可能となる。それだけなら 1度か2度読めば十分だが、何度も 読み込み理解を深めることで魔術の習得度 は飛躍的に上昇していくのだ。ゆえに魔術 師は魔術書を完全に理解できるまで何度で も読む。だが俺はもう図書館の魔術書は 完全に理解したので現状はずっと復讐をし ているような状態だ。もちろん復讐も大事 である。せっかく覚えた魔術も使わなけれ ば忘れるし、そうなると習得度はガクンと 落ちる。まあ、そんな日々を送っている わけだが、さすがにその繰り返しは退屈だ 。そろそろ新しい刺激が欲しいところで ある。母はロイドは魔術書ばかり読んで いるからな。 たまには別の本を読んだらどうだい?目の 前で本を読んでいたアルベルトが言った。 俺は首を振って答える。図書館にある魔術 書は全て読みましたから。え、ではテスト してもいいかい?アルベルトはいたずら っぽい微笑みを浮かべると俺に問いかけて きた。土水花風。これは魔術の基礎4系統 魔術と言われているわけだが、この図書館 にはれに関する魔術書は何冊ある?メイン として取り扱っているのは145冊ですね 。サブテーマとして取り扱っているのも 含めると232冊。あ、でもゴーレムとか に関する本はどっちに含めればいいのか 迷うな。俺の中では制御系統なんですが、 ボディの整形には基礎4系等魔術が大きく 関わってくるわけですし、どう思います? アルベルト兄さん。俺が視線をあげると、 アルベルトは目を丸くしていた。まさか 本当に全部読んだというのかい?あ、いや と言ってもまだあまりよく理解してないと いうか。あわ、やはり魔術は奥が深いです ね。あ、危なかった。図書館の本を全部 読んでいるくらい普通だと思ったけど、 この驚きからするとそうでもないようだ。 アルベルトのいかしむような視線が痛い。 ていうか強くなりたかったのなら身体を 鍛えるならなんなりやり用はあったんじゃ ないか。面倒な思いをしてまで部下を 集めるよりよほど効率的だろう。楽しい から雲なく続けられるのである。数ずは 戦闘スタイルからして肉段が得意なタイプ 。部下を集めて命令を出すより身体を 鍛える方が賞にあってそうだしな。俺が寝 ても冷めても魔術をやってられるのも純粋 に楽しいからだ。魔術の修行は俺様もやっ てきたがそう楽なもんじゃねえ。シドを 吐き地味な反復をし努力を重ねて少しずつ ものにしていくもんだ。それをロイドは そりゃもう楽しそうにやりやがる。毎日常 今までもこれからもだろう。そんなやに 努力だなんだと言ってるやが勝てるわけが ねえ。グリモがブツブツ言っているが 吹きさぶ風の音でよく聞こえない。俺の 言葉にパズは苦笑いを浮かべる。くふ我の 配は楽しめなかったことか全く無茶を言っ てくれる。そう言い残しパズの身体は砂の ようにサラサラと消滅していく。夫と なって冷えゆくパズへグリモが大きく口を 開け吸い込み始める。どうやらその魔力を 食べているようだ。え、魔人の魔力っての はやっぱうまいぜ。力がかなり戻ってき やがった。こいつのそばにいれば上質な 魔力の補充にはこかねえ。この調子で魔力 を増やし、そのうちこいつの身体を乗って やるぜ。ブツブツ言いながら北グリもその 力はほんの少し増しているように見える。 どうやら魔力を食べて強くなるようだな。 どうでもいいけど腹壊すなよ。そ、そりゃ もうええへ。俺の言葉にグリモは慌てて 返事をするのだった。そう言って木箱を 漁り、中から取り出してきたのは赤茶色の 土だ。赤泥ですね。性鉄の際に使われる 原料の1つ。確か隣獄では良い赤泥が 取れると聞きますな。知っているのか? ええ、本で得た知識だけで恐縮なのですが 、不術を知るには家事の技術も当然必要だ 。おかげでそれなりの本を読み知識を得て いる。 見れば木箱の中には様々な素材が入ってい た。おお、鉄鉱石に石炭石、金銀道、 魔石粉すごいいろんな素材がたくさんあり ますね。 まるで宝の山だ。これだけの素材があれば 付与もやり放題、魔剣も作れるかもしれ ない。アルベルトがディアンを紹介して くれたのはあの時の約束不術の応援すると いうのを果たしてくれたのか。あれ赤石や 月銀役はないのですか?なんだそりゃ。 付与に使う原料の1つですが拠トと首を かしげるとリアンはごくりと息を飲んだ。 こいつ半端ねえ知識量だ。まずい液だけ ならともかくそれ以外の素材の知識も かなり豊富。ちょっとかじっただけじゃ ない。下手したら俺と同等の知識があり やがるだと。へ、あるも人が悪いぜ。 こんななりだがどうやら少しは使える らしい。こいつと一緒なら俺の夢、俺だけ のオリジナル魔剣を完成させられるかもな 。そして何かブツブツ言い始める。一体 どうしたんだろう。ロディーボー。え、 さっきまでと違う呼び方に聞き直す。おお 、お前のことだよ。ロディボ、お前少しは 不魔術っての分かってるじゃないか。いい だろう。認めるぜ。ちなみに俺のことは 親方と呼ぶといい。はあ。親指で自分を 指すディアン。なんだかわからないがいつ の間にか認められたようである。 魔ガは成功した。みんなのおかげだ。感謝 する。おお。アルベルトの言葉にこの絵 たちがもろテをあげて換気の声をあげる。 うん。せっかく城から外に出たのにもう 終わりか。結局魔獣とは戦えなかったし。 物足りないな。日はもう沈みかけている。 今日はここで止まっては明日にしよう。 日付けばもう夕暮れである。 夕日がコメに反射してとても綺麗だ。夜に なったら抜け出して魔術の練習でもでき ないかななんて考えていると。ロイド様、 私たちのテントが用意できましたよ。 テントの設営を終えたシルファが俺に 微笑耳かけてくる。かなり小さなテントだ 。こんなところで2人で寝るのか。 こっそり抜け出そうとしたら確実に目を 覚ますだろうな。シルファだし間違いない 。わあ、残念だけど今回の外出はこれで 終わりか。俺も魔獣を借りたかったな。さ 、私は夕食の準備をしてきます。ロイド様 はこちらでお待ちを。おおんとシルファの 声と重なるように低い音が聞こえる。犬の 吠え声。いや、これは狼でしょうか?いや 、それにしては少し声が太いような気が する。普通の狼はもっとか高い声で吠える 。遠すぎて聞き取りづらいな、ベアウルフ のそれによく似ていた。おおん。おおん。 遠覚えは徐々に近くなっていく。しかも1 つではない。周りの森中から聞こえてくる ようだ。ここまで来るとこの絵も違和感を 感じたのか騒ぎ始めるな。なんだこの方向 は?どんどん近づいてくるぞ。休んでいる 奴ら全員出てこい。テントで休んでいた者 たちもゾろぞろと出てきた。皆緊張した お持ちで武器を構えている。ロイドこっち へ来い。アルベルトの元へ小走で行くと この絵たちが俺たちを中心にしてエンジン を組む。辺りをピリピリした空気が漂。 うう。もうすぐそこで唸り声が聞こえる。 ガサりガサリと草むが揺れ、そこから巨大 な狼が顔を出した。やはりベアウルフだ。 わあ、すごいですな。時々一般人に解放し ているらしいよ。動物園として国内でも 珍しい同植物が見れるからと解放の日は 大勢の人が訪れる。ちなみにその時の案内 人はエリス。アリーゼがやりたがっていた がそれはさすがに止められていた。部屋の 中央にある白いテーブルにアリーゼと共に 座った。エリスお茶を用意してちょうだい 。かしこまりました。エリスは頭を下げる といつの間にか手にしていたTPで茶を 注ぐ。ハーブの良い香りが辺りに広がり、 アリーゼは心地よさげに目をつる。早速 ですな、アリーゼさんの魔獣を見せて もらいたいんですけど。あらせっかちさん ね。ふふ。分かったわ。ロイドの頼みです もの。リルアリーゼが呼ぶと建物の屋根 からふわっとした毛玉が起き上がる。 さらりとした長い足、全長ほどもある長い 尻尾、ぴょコンと立った耳が動き、主人で あるアリーゼの方を向いた。ビルと呼ばれ た巨大な狼は力強く跳ねるとアリーゼの元 へ降り立つ。金色の毛並と金色の瞳の 美しい魔獣。背の高さは3mはあるだろう か。すごい威圧感である。紹介するわ。 この子はリルよ。さ、ご挨拶なさい。 ウーン。か高かい声でリルが泣くと白が俺 の後ろに隠れた。でっかいから怖いの だろうか。それでも白は興味深ぶげにリル をじっと見上げている。こいつはレッサー フェンリルですな。ベアウルフの上位種の 割とやばめな魔獣ですぜ。上位種か。だ から白も興味深かげなのかもな。フェンリ ルってのは警戒心が強いため滅多に確認さ れないと聞いたことがある。戦闘力も高く 倍でドラゴンを買ったりもするらしい。 劣等シュレッサーとはいえそんな魔獣を 買い鳴らすなんてアリーゼは俺が思うより すごいのかもしれない。これは教えて もらえる内容にも期待できそうだ。お願い します。俺もアリーゼさんとリルのように 白と石疎通をしたい。図書館の静寂を破っ たのは女性の声。充実した毎日を送って いる俺だが面倒なこともいくつかある。 その1つが声の主。俺の教育を任さえて いるメイドのシルファだ。シルファは俺を 見つけると駆け寄ってきてしゃがみ込み 優しく微笑む。長い銀髪がりと落ち、それ を指で救った。やはりまた図書館に いらっしゃったのですね。もう本ばかり 読んでいるのは身体によくありません。私 と一緒に外で遊びませんか?その笑顔には うを言わせぬ迫力があった。シルファに とっては子供は元気に外をかけ回るのが 普通で図書館に小もりきりな俺を売れて いるのかしばしば連れ出そうとしてくるの だ。余計なお世話なのだが俺のことを思っ ていっているのはよく分かるのでなかなか そうも言えないんだよな。俺はためを吐く と諦めて本を閉じる。分かったよ。 シルファ、そんな悲しい顔をしないで くださいまし。本はいつでも読めますわ。 ほら、せっかくいい天気です。外へ参り ましょう。そんなわけでシルファに手を 引かれ、俺は庭に出るのだった。ロイド様 、今日は堅術ごっこで遊びましょう。え、 また男子る物術の1つも確むべしですよ。 さあ、牧刀をお持ちくださいませ。 シルファは僕を俺に渡し、自分も構える。 さあ、どこからでも打ち込んできて ください。満面の笑を浮かべるシルファ。 その構えはリラックスしているが堂々とし たものだ。それもそのはず。シルファの父 は騎士団長で代々合族の堅術師難をして いるのだ。娘であるシルファもかなりの 腕前で以前兵士にしつこく絡まれていた時 、あっという間に相手の剣を奪いその首元 に突きつけたのを見たことがある。ま面木 で美人だが融通が効かない。ちょっと 追っかない人。それがシルファだ。だから 俺が手を抜いていたらすぐ見抜いてくるの で本気でやる必要がある。俺は剣を 握り直し正願に構える。行きますよ。俺に 背を向け何かブツブツ言っている。なん だろう?やっぱり剣を折りすぎて怒って いるのかな?ロイドは 思わずピンと背筋を伸ばしてしまう。俺の 想像に反して振り返ったアルベルトは 微笑みを浮かべていた。ありがとう。これ だけ武器があればこの絵も喜ぶだろう。 ところで実は父上から魔獣の討伐を申しけ られているんだがよかったらロイドも来 ないか。魔獣狩りですか?魔獣とは魔力を 持つ巨大な獣のことだ。とても知能が高く 人の言葉を理解するものもいる。基本的に は人になつくことはなく、群れも作らず 単独で生活しており、水路や畑を荒らし たり時には小さな村を滅ぼすこともある 厄介な獣だ。前世で1度見たことがあるが 、その時は身の竹5mほどはある巨大な イノシシで町の壁を破壊して建物をいくつ も東壊させていた。その時は警備の兵士 10人係かりでなんとか追い払えたんだっ け?ちなみに王子になって知ったことだが 、庶民にとっては危険な魔獣も一部の貴族 たちにとっては狩の対象である。 シャールズやアルベルトラ兄王子たちから 魔獣狩りの話は何度か聞いていた。1度 行ってみたいと思ってたんだよな。ああ、 父上から大使っていてね。明後日この絵 たちを連れて大児に行くんだよ。どうだい ?行く。行きます。2つ返事で承諾する。 大っぴらに城の外へ出られるし、この絵 たちが戦うなら不与魔術の効果も実際に 見る機会だ。それに魔獣と戦うのであれば 試したい魔術もある。断る理由は1つも ない。お話中失礼します。アルベルト様、 私も同行してよろしいでしょうか? シルファが半保前に出てうやうやしく頭を 下げる。ああ、君はロイドの護衛権 世話係かりだからね。当然ついてくると いい。ありがとうございます。そしてまた 霊をして下がる。よし、決まりだ。それで は明後日の朝2人で僕の部屋に来るように 。分かったね。はい。俺は元気よく答え、 アルベルトの部屋を後にした。上期限で 廊下を歩く俺の後ろをシルファは音を立て ずついてくる。そういえばシルファは魔獣 って見たことある?ええ、何度か父の 魔獣狩りについていきました。騎士団の者 たちで追い立てるのですか?すごく楽しい ですよ。きっとロイド様も気にいると思い ますよ。うん。楽しみ。盤面のエミを返す 俺を見てシルファはやや顔を背ける。 初めての魔獣狩り、日々の堅術ごっこで ロイド様の腕はかなりのものになりました し、ここらで1度実践というのも悪くは ないかもしれませんね。やはり実際に剣を 使って戦ってみなければ現術というものは 分からないですから。ロイド様も剣士とし ての自覚を持たれるちょうどいい機会です ね。それにもしかしたらロイド様の全力を 見る機会もあるかもしれません。ふっ。 楽しみになってきましたね。何をブツブツ 言ってるのだろうか。えへ、皆様方ロイド 様に興味心身なんですよ。そうか。地味な 七尾にそこまで注目もするはずがない だろう。まあいいや。とにかく明後日が 楽しみだ。ごく普通の庶民だった俺は血闘 で命を落とし、何の因果王族として転生し た。サルーム王国第7王子 ロイドディサルーム。それが俺の新しい名 だ。今では10歳この生活にも随分慣れて きたと思う。ちなみに国の景色や文化、 雰囲気と照らし合わせてみると、俺は死ん だ直後にこの身体に転生したようだ。俺が 学園に通っていた頃、新しい王子がもう すぐ誕生するらしいとか言ってたしな。 少し申し訳ない気もするが、なってしまっ たものは仕方ない。兄たちはすでに成人し ており、年も離れていた俺は大い継承争い ともほとんど関係ない。おまけに身体も 小さく用姿も平凡、それに政治にも全く 興味を示さなかったので期待されてない ようだった。だが兄たちが王になるために 毎日毎日マナーや学問武術をみっちり学ん でいるのを見るとそれで良かったなと思う 。おかげで俺は大好きな魔術を思う存分 勉強させてもらっているからだ。朝起きて 図書館に引きこもり魔術書を読みふける 日々。その増料はとんでもなく魔術書だけ でも数百冊はある。基礎から始まり専門的 なものに至るまでその全てに目を通した。 前世で基礎をしっかりやっていたおかげか 難しい魔術書も理解はできた。もちろん 魔術の再現も今は色々と応用するための 術式を編み上げている。ちなみにあの時を 殺した魔術は高価な媒体を使用したご 利用子で今見ればそう魔術でもなかった だったようだ。ちょっと残念。なお、魔術 が好きなのは隠してないが、実力というか あれだけの威力が出せるのは隠している。 あんな魔術が使えると知られたら絶対面倒 なことになるだろうし、そうなったら魔術 の研究どころではないだろう。期待されて 多いがどうこう言われても困るしな。 ちょっと変わった魔術好きの王子。これが 俺に対する周りの評価であるべきだ。 ロイド様、どちらですか?ロイド様。 円 食大の炎を指先に集めグリモール目がけて 放つ。ぬわ。炎が命中し、グリモワールは 悲鳴をあげた。あれ?なんで魔力消壁で 防御しなかったのだろうか?おいグリモ ワール大丈夫か?慌てて声をかけると炎の 中で影が揺らめいた。見ればグリモワール の身体には火傷1つついていない。く、 驚かせやがってだが魔人である俺様を魔術 で倒すことはできねえよ。残念だったな。 え、そうなのか。あ、そうさ。神刊どもが 使う神聖魔術なら少々のダメージは受ける がよ。高が魔術ごきが俺様を倒す術はね。 残念だったな、ロイド。俺様を復活させた 時点では積んでたのサブ。今度は滝列水求 をぶつける。滝のような水撃を食らい ながらもグリモワールは確かにダメージを 受けているように見えないわ。話を聞き やがれ無駄だと言っているだろうが すごいな。本当に聞いてないのか?私列球 を放ちながらつく。岩石に押しつされ ながらもグリモワールは平気そうである。 これは驚きだ。魔人って本当に魔術が効か ないのか?一体どこまで聞かないんだろう ?知りたい、試したい。おいててめえ。 なんキラキラした目を向けて来やがる。 ちょ、やめろって。コラー。俺は思いつく 限りの魔術をグリモワールにぶつけるの だった。すみませんでした。俺の目の前で グリモワールが両手を地面についた。 おいおい、いきなりどうしたんだよ。 土下座なんかしてさ。許してくだせえ、 ロイド様。もう悪さはしねえ。だからな。 頼むよ。涙を流しながら訴えてくる グリモール。ちょっと攻撃魔術を数百回 ぶつけただけなのだがよくわからん。何で もいいが早く続きをやろう。俺はもっと 古代魔術が知りたいんだ。ひギーま、待っ てくれ。もう身体が持たねえよ。え、そう なのか。でもまだ全然物足りないんだが。 俺の言葉にグリモワールはなぜか青ざめる とざざっと後ろに下がり、地面に頭を 埋め込むほどの勢いで頭を下げた。この グリモールロイド様に精神誠意尽くすこと を誓います。使い間でも何でもなります。 だからお願いだ。もう勘弁してくだせ。 使いまかよくわからないがそこまで言う なら今日はこの辺でやめてもいいかな。 使い間になってくれるなら魔術の実験は いくらでもできるし。うん。悪くない。俺 はにっこり笑うとグリモールに手を 差し伸べた。分かったよ。じゃあ俺と契約 するか。えい。俺の差し出した手にグリモ ワールはすがりつく。暗い光が俺たちを 包み契約が完了した。クそ。この グリモワール様が人間の使い間になるとは なんたる屈辱だがこいつの実力は半端じゃ ねえ。十分な信頼を得た後にうまく そのかして利用してやれば俺が世界を影 からぎじることだって可能。くひ、その時 までの辛抱だぜ。ん?何物言ってるんだ? い、いいえ。なんでも何でもありませんぜ 。ロイド様皇帝 2グリモワール なんだか情緒不安定なやつだな。まあいい かともあれこうしてグリモワールは俺の 使い間になったのである。地子供だから 呼吸量が少なくそれで聞いていないのか ならば直接食らうがいい。パズは大きく息 を吸い込むと真っ黒な煙を勢いよく 吐き出してきた。黙々と黒園が俺を 包み込む。はケむ。目を閉じ、パタパタと 手を振って払う。くなもん吹きかけやがっ てびっくりするじゃないか。しかもなんか 変な匂いがするし歯を磨いてないんじゃ ないか。俺が咳込みながら煙を抜けると その先ではパズが驚愕の表情を浮かべてい た。なんだと?なんだとじゃないよ。 いきなり何するんだお前。 ため息を吐く俺を見てパズは息を飲んで いる。日貴様、我が魔力を食らって何とも ないのかん?別にどうもないけど。さっき から何を驚いているのだろう?もしかして 何か攻撃でもしてたのだろうか?そういえ ば何か甘い香りがするような。首をかしげ ているとグリモガグパッと口を開けた。 はあ。てめのく息なんて聞かないとよ。俺 の手のひグリモを見たパズは驚いたのか目 を丸くした。ぬ。お前は魔人か。なぜ人間 の手のひにいる?う、うるせえな。てめえ にゃ関係ねえだろ。こっちにゃこっちの 都合があるんだよ。ふむ。そうかなるほど 。お前はその人間の使い間となっているの か。大型復活の際に好きでも使えて強制的 に獣魔契約を強いられたのであろうが人間 ごときに使い間にされるなど魔人の風情に もおけん全くもって投げかわしい。同じ 魔人として恥ずかしいぞ。へえ、そうなの か。各かに閉じ込められていたのだから グリモも本調子じゃなかったんだろうな。 だが我はそのような油断はせぬ。万全をし て復活し、晩弱の備えで動いているのだ。 見たであろう我が軍勢を。町を出た俺たち はまっすぐに森へと向かう。魔獣の出た 場所は森の奥にある小さな村。その奥に ある巨大な湖だ。昔から村の水源として 重宝していたのだが、ある日突然魔獣が 現れるようになったらしい。困った村人 たちは冒険者ギルドに討伐を依頼したが、 報酬も安い上に変更まで行って魔獣を退治 するなんて依頼をやりたがるものもいる わけがない。そんなわけで結局ギルドも国 へ丸投げしたのだ。この手の公共事業は国 の仕事である。ちなみに魔獣狩りは兵の 実践訓練や貴族の娯楽などを兼ねている。 アルベルト様シルファが声を発する。その 張り詰めた気配にアルベルトとこのAたち も異変を感じ取ったのか馬を止め武器を 抜いた。もちろん俺はすでに気づいている 。独特の嫌な気が周囲から感じ取れる。 これは魔物だ。アルベルトと俺を守るよう にエンジンが組まれ、シルファがメイド服 のスカートから1本の投げナイフを 取り出した。ナイフは草むに吸い込まれて いき、ズンと何か柔らかいものに 突き刺さるような音がした。 あおおおおいで問の声が聞こえる。どうやら物に命中したらしい。むが揺れ犬のような顔をした人型の魔物が出てくる。あれは確かボルトだっけ? 森に生息し 群れで狩ルトは手先が器用で武器を扱うのが意な魔物。その量はゴブリンなどは比べ物にならない。 加えてその手に持っているのは鋼の剣で ある。それを見たこの絵たちの表情が 明らかに変わった。く、こいつらいい武器 を持ってやがるな。ああ、冒険者たちから 奪ったのだろう。これは手こずりそうだ。 身体能力が同程度ならば武器の性能差が そのまま戦力の差になることは多い。ふむ 。こちらと向こうの人数も同程度だし、 付与した武器の試し切りにちょうどいいな 。やあ、ロイド何をしているんだい。いつ ものように読書をんでいると爽やかな青年 の声が聞こえた。振り向くと金髪のすらり と背の高いイケメンが立っている。俺の ここの上の兄アルベルトだ。サルーム国の 第2王子で大い継承証権も第2位だが分部 ともに非常に優秀で時王との噂も立って いるほどである。アルベルトは俺が魔術書 を読んでいるのを見てニこりと微笑む。 魔術書を読んでいるんだね。僕も一緒して もいいかな?もちろん構いませんよ。 アルベルト兄さんありがとう。では失礼し て。アルベルトはテーブルを挟んで俺の 正面に腰かける。手にしていたのは政治 関係の本だった。俺がテーブルに積んで いる魔術書の山を一別し、自分も読書に 没頭し始める。他の兄たちは俺をあまり気 にしていないようだが、アルベルトはなぜ か俺をよく気にかけてくれる。多分普通に いい人なんだろうな。それにシルファと 違って俺にあ、足ろこうしろと言ってこ ないのもいい。俺はアルベルトから本に 視線を戻し、また読書に没頭し始めた。 どれくらい経っただろうかパタンという音 がしてアルベルトが本を置く。ふう。 ロイドの集中力はすごいね。こん負けだよ 。本当に魔術が好きなんだね。アルベルト が立ち上がり腕を持ち上げるとバキバキと 音が鳴った。首を傾けるとまたボキボキと 。それを見た俺は思わず苦傷する。お疲れ 様です。アルベルト兄さん。僕は気分転換 に少し身体を動かしてくるとしよう。 よかったらロイドも来るかい?射撃場です か?ああ、好きだろう。はい。俺は アルベルトの誘いに即頭する。俺は身体を 動かすのは好きではないが、アルベルトの 誘いは別だと言っても好感度がどうとか いう話ではない。後継者として期待されて いるアルベルトには様々な施設の使用権が あり、今から気分転換に行く射撃場は魔術 の練習に持ってこいなのだ。翌日、大量の 件と共にアルベルトが俺の部屋を訪れた。 100本以上はあるだろうか。 を引く従車もとても重そうにしている。 アルベルトはいつも通り爽やかな笑を向け てきた。や、おはよう。約束通りこの絵の 剣を集めてきたよ。これはすごいですね。 昨日のことをみんなに話したら今朝こんな にたくさんの剣を持ってきてね。1人で 30本持ってきたものもいたくらいだよ。 よほど不魔術をかけて欲しいらしいね。 多分違うな。アルベルトが俺のことを話し たからその点数稼ぎとして剣を持ってきた のだろう。主人が剣を集めよと言えばそれ に使える騎士たちなら剣の10本や20本 集めてくるよな。そこまで考えてなかった が嬉しい誤参だ。ロイドが不魔術を使う ようを見てみたかったがこれから経済の 授業でね。とても残念だがこれで失礼する よ。ありがとうございます。アルベルト 兄さん。アルベルトは俺にウインクを1つ して扉を閉めた。良かったですね、ロイド 様。これだけありゃアイクラでも不魔術を 試せますぜ。そうだな。不魔術は武器に かなりの負担をかけるし、失敗の可能性も 高い。数はあるに越したことはない。不術 に使用するまずい液だが、あまり強力な 術式を編み込むと武器を汚染する。それは 金属の繋がりを蝕み、その結果簡単に へし折れてしまうかと言って術式を弱めれ ば貴重な液を使った効果が薄い。濃すぎて もダめ、薄すぎてもダめ。その見極めが とても難しいのだ。しかも同じ武器でも 金属疲労などにより同じ術式でも負荷に なる可能性もある。その辺りは身体で 覚える必要があるため不魔術は大量の練習 が不可欠なのだ。さて早速始めるか。安 そうな武器から扱っていこう。とはいえ どれも良いものばかりだな。神物の鉄を 焼いて強くした鋼の武器が主だが中には かなり高華そうな件もある。魔剣か?これ アルベルトに差し出す武器だし、安物と いうわけにもいかないか。まあいいや。 遠慮なく使わせてもらおう。まず手に取っ たのは1番数のある鋼の剣。この辺りから 試してみるか。鋼の剣用にまずい液を 小分けにして術式を編み込んでいく。 とりあえず強度増加を30+男性増加 くらいでやってみるか。あの鉄の探検と 同じくらいの容量はあるだろう。術式を 編み込んだまずい液を1本目の鋼の剣に 塗りかけて乾かす。高速で迫りくるパズ。 俺のそばにいたベアウルフたちが 立ちふがる。ガウぐるお。もしかして俺を 守ろうとしてくれてるのか。でも危ないぞ 。知りかせようとしたが間に合わない。 邪魔をするな。パズが両腕を振うと ベアウルフたちは引き飛ばされた。 キャイン。地面に叩きつけられた ベアウルフたちが悲鳴をあげた。こいつ 自分の眷属をなんてやつだ。パズは倒れす ベアウルフたちには目もくれず、俺目がけ て体当たりをぶちかましてきた。ドスンと 自動発動した魔力消壁ごと俺の身体は湖へ と吹き飛ばされる。だが風景魔術非秘障 発動。風をまとった俺はコ面の上を滑り 中央あたりで止まった。しゃあ。翼を広げ 地面を蹴り即座に追撃してくるパズ。 振り下ろされた右手から放たれる魔力派を 魔力消壁で受け止めた。 自分で育てた大事な眷属だろ。殴るなんて ひどいじゃないか。何を言っている?我に 逆らう愚かな犬なども早や眷属でも何でも ないわ。貴様を殺した後に全て首り殺して くれる。ひどいな。モフモフ帝国を作るん じゃなかったのかよ。魔獣帝国だ。顔を 真っ赤にして俺を殴りつけてくるパズ。 ダメージは全くないが、それでも魔力消壁 をきしませるほどの威力。ただ殴っただけ 邪高はならない。これも魔力の性質変化か 。両手に魔力を集めて皇室か攻撃力を 上げるようイメージしているんだな。面白 そうだ。俺もやってみるか。とはいえ素で はあれだし。そうだ。鞄の中に武器があっ たっけ。以前不魔術で使った鉄の探検。 あれを使えば剣で同じことができるよな。 普通に考えてこれだけの動物を買い鳴らす なんて常人には無理だろう。俺と同じ血を 引いてるし、魔術師としての才能が発言し ていてもおかしくはない。生まれつき知筋 や才能に優れたものの中には無意識に魔力 を扱うものも珍しくないのだ。塔に たどり着いた俺は正面にある大きな扉を ノックする。姉さん、アリーゼさんいます か?ロイドです。少し待っていると中から 黒髪メイドが出てきた。か名前はエリス だっけ?覚えていただけて光栄です。 ロイド様、お久しぶりでございます。うん 。久しぶり。アリーゼさんに会いたいんだ けどかしこまりました。少々お待ち くださいませ。ペコリと頭を下げ、塔へと 戻るメド。さらにしばらく待っていると扉 が開いた。ロイドガバといきなり抱きしめ られた。ワプふカふカの柔らかな感触を ぎゅっと押し付けられる。苦しい。 ロイドロイドロイド。もう久しぶりね。 あなたから会いに来てくれるなんて姉さん とっても嬉しいわ。さらにグリグリと頭も 撫でてくる。痛い。アリーゼ様、おやめ ください。ロイド様が苦しがっておられ ます。え?あら、本当ごめんなさいね。 アリーゼは謝ると俺を抱きしめる腕を緩め た。ふう。苦しかった。だからあまり来 たくなかったんだよな。アリーゼは昔から 俺を見つけては抱きついたりキスしたりと おもちゃにしていたのである。咳込み ながら顔をあげる俺の目の前にいたのは 薄べに色の長い髪をふわふわとさせた女性 。髪だけではなくドレスにもファーや ポンポンがついており全体的にふわふわだ 。ちなみに胸もふごめんねロイド姉さん 嬉しくなっちゃってそれで一体何のよう かしら。アリーゼはそう言ってにっこりと 微笑むのだった。シルファは牧刀を握り、 まっすぐに切りかかっていく。振り下ろす 件を軽くいなしながらシルファへと牧刀の 喫先を返した。シルファはそれを受け距離 を取った。うん。いいですよ、ロイド様。 口元に笑を浮かべながら俺と剣を交える シルファ。よし。いい感じにごまかせて いるな。初めてシルファから剣術ごっこを 持ちかけられた時、俺は泣かれた。あまり に弱すぎてである。当時7歳くらいだった 俺を捕まえてそれはないと思うのだが、 シルファ曰くふざけているとしか思えない 弱さだったらしい。俺は本気でやっていた つもりだったが、その恥ずかしながら前世 の頃から運動は苦手なのだ。それから シルファのスパルタが始まった。毎日刀を 握らされ、非妊相手に何度も何度も 打ち込みをさせられた。運動議嫌の俺に とってはまさに地獄。完全に堅術ごっこの 息を超えており、その後の読書に支障が 出るレベルだった。なので俺は少しずルを させてもらうことにした。魔術の中には 物体を操作制御する類いのものがある。 それが制御系と魔術。これを使えば自身の 身体をプログラムした通りに自動操作する ことが可能。現在はシルファの動きを トレースし、俺の身体で再現しているのだ 。カキ 牧刀がぶつかり合う音が辺りに響く。あは 、素晴らしいです。ロイド様。シルファの 動きをトレースしているので当然互角で 打ち合えている。棒よりの様子みにして おけば比較的肉体への負担も少ない。ふう 。では今日はこの辺にしておきましょうか 。しばらくすると満足したのかシルファは 額体の汗を巡った。ふう。やっと終わった か。自動で動かしていただけとはいえ、 それでも結構耐えるな。みたいが少し重い 。座り込んで休んでいるとシルファが キラキラした目を向けてきた。ロイド様の 権技メキメキ上がっていますね。これなら 私と互格にやり合う日もそう遠くないかも しれません。あはそそうそうかな。 シルファの権技をトレースしているからな とは口が避けても言えない。向こうも当然 手加減をしているのだろうが最初に比べて も少しずつ早く強くなっているにも関わら ず俺が対応しているからメキめキ強くなっ ているように感じているのだろう。これが 制御系統魔術でやっているのはあくまでも 相手の動きに合わせているだけだからな。 まあ本気で切りかかってくることはない だろうし、しばらく魔術でずるしているの はバレないだろう。バレたらその時考える 。とりあえず本が読みかけだし早く図書館 に戻りたい。じゃあ俺は図書室に帰るから 。はい。お疲れ様でした。うんうん。 素晴らしい神立てぶりですね。ゆくゆくは 騎士団長か牽制か。ふふ。将来が楽しみ です。シルファは何やら恐ろしげなことを ブツブツ言っているが多分気のせいだろう 。図書室へと帰る俺をシルファは笑顔で 送り出すのだった。方向を上げながら 突っ込んでくるベアウルフ。この絵たちは 剣を構え迎え打つかだめ。ベアウルフは 斬撃をもともせずこの絵たちを吹き飛ばし た。その勢いのままこちらへと向かって くる。お2人ともお下がりください。 シルファがスカートをひ返し、俺たちの前 に立つ。しらりと見えたスカートの裏側 からは無数の投げナイフが見えた。それを 目にも止まらぬ速さで抜き放ちベアウルフ に到的する。1本は額、2本は固め、もう 1本は大きく開けた口の中へと命中した。 うご 演球 苦しみ暴れるベアウルフにアルベルトが 巨大な炎の塊を放つ。ズんと炎がベア ウルフに命中し、体毛を焼き尽くしていく 。しばらく暴れ回っていたが、魔術の炎は 消えず、そのうち力尽きてしまった。だが あ。 ベアウルフは埋めき声をあげ倒れふした。動かくなったベアウルフを見てこの絵が完成をあげる。うおお。すはアルベルト様だ。素晴らしい魔術でございました。あっという間にベルトはこの絵に取り囲まれてしまう。胴あげでもしそうな勢いだけ。あれはドの魔剣のおかげですぜ。 奴自身の力じゃねえ。ドイツもこいつも 見る目がねえっすな。グリモがそれを見て 毒づいている。なんだか苛立っている様子 だ。何を起こってるんだ?そりゃ怒りやす ぜ。評価されるべきはロイド用なのになん であいつが言いかけてグリモは口をつむな 。何を言ってんだ俺様は。こいつがみんな に評価されたら後で利用しにくくなるじゃ ねえか。むしろ高都合のはずなのに。クそ わけが分からねえだが。なんだこの苛立ち は。そしてまたいつものようにブツブツ 言い始めた。相変わらずよくわからんやだ 。ロイド、この絵たちの中からアルベルト が声を張り上げた。お前が付与してくれた 魔剣のおかげだぞ。そう言ってブンブンと 手を振ってくる。俺は愛そ笑いをしながら 同じようにして返した。とりあえず付与し た魔剣はうまく作用しているようだな。 うん。うん。ぬー。パズの放った魔力派が 雨荒られと振り注ぐがその全てをかわし パズの足元にたどり着いた。それまでに 貯めていた力を解放し切り上げる。 アングリス竜タ県術登り交流3と戦が湖を 新2つに割った。その勢いのまま点を貫き 雲もついでにパズの身体も切り裂いていた 。探検1本なので劣化コピーだが威力は 十分。ちゃんと性質変化はできたようだな 。グぐ。バカな。我が肉体を切り裂くとは 貴様も我と同じ技が使えるというのか。 いや、今初めて使ったんだけどな。どう やらダメージを受けて驚いているようだ。 そういえば魔人は魔術は効かないって言っ てたっけ?普通の魔術は術式で魔力を形 ある力に変化させているので、半分精神体 である魔人には効果が薄いのだろう。その 点、魔力の性質変化は単純に魔力の質を 上げて直接殴るようなものである。だから 精神体である魔族にも効果があるんだろう な。いいですぜ、ロイド様。ボコボコに やっちまってくだせ。そうだな。もう少し 試してみるか。今のは出力が大きすぎた。 もっと小さく鋭い方が威力を効率的に与え られるはずだ。イメージにより探検を覆う 魔力は小さくより鋭くなっていく。 ラングリス流タ剣術下り 高速でパズの背後へ飛消した俺は探検を 逆手に持って落下しながらの連撃を 叩き込む。無数の斬撃が切り裂いたパズの 左半神を消し飛ばした。うん。いい感じに 力が調節できているな。だがもっともっと 鋭くできるはずだ。己れ。 かトラ顎残った方の反撃を避けながら2 連撃にてパズを3つに分断する。パズは 頭部のみを残し消滅してしまったが、その 代償として俺の手にしていた探検が 粉ご々なに砕け散る。おっと。魔力で覆っ ているとはいえ獲物に全く負担がかから ないわけではないか。砕けた剣を見てパズ はにやりと笑う。笑いながら身体を復言し ていく。くふ。なかなか驚きましたが、 そのような魔力量に何の変哲もない探検が 耐えられるはずがありません。もちろん あなたの身体もね。パズの言葉で俺は自身 の自覚する。手足が震える。力が入らない 。力を使いすぎたのだろう。もう動けない ようだな。どうしたんですかい?ロイド様 すまっ た。凍るグリモに俺はくぐった声で返す。 まったな筋肉痛になっちまった。水形等 魔術準度上昇。これは液体に作用する魔術 で文字通り不純物を排除するものだ。皮の 水を飲料水としたり、燃料などに混じった ゴミを取ったりと使える幅は広い。ただ あまり準度を上げすぎると金剛合物は完全 に分解されてしまうのだ。以前茶の準度を 上げすぎて水にしてしまったことがある。 そんな繊細なことを魔術でわあ、改めて 思いやすがロイド様の魔術は大したもん ですな。俺が開発したわけじゃないよ。 魔術は常に進歩している。グリモがいた頃 よりいろんなことができるようになって いるのさ。よし、ゴミを救ってと。うん。 綺麗になった。まずい駅は宣告と違い、 かなり透明度が増しているように見える。 そういえばこのまずい駅には何の術式が 込められているのだろう。ちょっと見て みるか。液体に込められた術式へと意識を 集中させていく。ふむ。これは強度増加の 術式かな。物体に込める術式の中でも最も ポピュラーな術式だ。 効果な剣などはこれで強化しておけば簡単 には折れない。だがこの術式相当昔から 使い回してるな。めちゃくちゃ古臭いし 非効率な術式だ。ちょっと書き換えよう。 こんな術式はもう吐棄してもいいか?大分 容量が開いたな。これなら強度増加も3 くらい編み込める。ついでに男性増加もし ておこう。これがあると金属に粘りが出て とても丈夫になるからな。よし、こんな もんか。あとは探検にもう一度してとでき た。手にした探検のは全国と違いピカピカ だ。試しに宝箱には当ててみると面白い ようにスパッと切れた。おお、見事なもん ですな。うん。いいね。さて、お宝を もらって帰るとするか。ボスのいた部屋の さらに奥に小部屋がある。そこには豪華な 宝箱が置かれていた。あれね、宝箱? ロベルトが開けるといいよ。いいのか? このダンジョンはほとんどタオが1人で 攻略したようなもんだろう。でもロベルト がいなかったら私死んでたよ。だから ロベルトに開ける資格あるね。分かった。 そういうことなら俺は宝箱の前に進みおむ に開けた。中には探検が1本入っていた。 お探検か。どれどれちょっと見せるね。俺 の後ろでそれを見ていたタオが探検を じっと見つめる。そしてペチンとおでこを 叩いた。あ、ちゃ残念。はれあるな。そう なのか。何かの魔力が込められている感じ がするがうん、言う通りこれは魔術の付与 された探検だけど大したものじゃないよ。 まず元となっているこの探検が何の変哲も ない鉄ナフだし何の装飾もさえてない。 そんな探検には強い魔術が付与できないよ 。多分付与の練習あるな。何者かが練習用 に魔術付与した探検ね。見た感じ少し 箱ぼれもしているし、使い込んだ後もある 。まるで誰かが所持していたようなものだ 。それがダンジョンのお宝になっているの は変だな。そんなことを考えていると宝箱 が地面にゆっくり埋まっていく。まさか俺 はとさに風景トマ術風説で風の刃を 生み出すと宝箱の一部を切断した。 知り取った宝箱の一部からはとても強い 魔力を感じる。そうか。これがダンジョン の核とも言える存在。こいつは普段は地中 に生息し、誰かの落とした魔道具などを 取り込んでダンジョンとして成長するのだ 。そして攻略されそうになったら宝箱の ふりをして中身を差し出しその隙に逃げる と。なるほど。面白い。よくできている。 おお、ここがダンジョンか。 目の前にぽっかりと開いた穴を見て俺の 口元が思わず緩む。様々な種類の魔物、 さらに魔道具などのお宝、ダンジョン自体 なぜ生まれるのかよく分かっておらず、 内部は危険なのでろな調査がされてないの だ。だから1度入ってみたかったんだよな 。ワクワクしているとタオが追いついてき た。わあわロベルトお前めっちゃ足早い あるな。息きらしながら呼吸を整えるタオ 。あ、すまん。忘れてた。ふう。2あっと いう間に呼吸を整えるタオ。魔法も使わず 俺の失走についてくるなんて。これが木の 力か。もちろんタオの持つ木も興味がある 。いや、しょっぱなからこんなにいろんな ものが見れて外に出て本当に良かったな。 ってこれダンジョンあるか?うん。さっき ゴブリンたちがここへ逃げていくのが ちらっと見えたんだ。俺は中に入るけど タオはどうする?俺の問いにタオは 考え込んでいる。ダンジョン正直危険ある でも危険度が高い分ロベルトの好感度を 上げやすいはずね。見たところロベルトは かなりの2部。100回は助けないと私を 好きにさせるには難しそうね。しばらく ブツブツ行った後、タオは頷いた。分かっ たよ。ロベルトが行くなら私も行くね。 よし、決まりだ。というわけで俺たちは ダンジョンへと足を踏み入れる。中は岩石 に囲まれた洞窟。明りはないが全く見え ないというわけでもない。光る石が各所に 埋まっており、それが光原になっている ようだ。これは確か三石だったか。術式も なしでこれだけの光を放つとは素晴らしい な。魔術の実験に利用できそうだし、いく つか持って帰ろう。その様子をタオは 呆きれた様子で見ている。そんなもの持っ て帰ってどうするよ。三師はダンジョン から外に出すとただの石頃になるね。いい んだよ。理屈を知りたいだけだから。ふん 。変わってるな。教会が地面を貫き、稲妻 が空をかけ、竜巻きが巻き起こる。 すごまじい破壊音と衝撃波が吹きやれるの を見ながら俺はふむと頷く。なるほど。 やはり二重魔術は元となった魔術を 掛け合わせた形になるのか。魔術というの はイメージが強く影響する。火球なら火の 玉を強くイメージしなければ発動しない。 水は水の玉、土球は土の玉も同様だ。上位 魔術となるとイメージだけでは足りないの で、呪文の影や術式、媒体の使用などで それを補強するのだ。なので二重は元と なる2つの魔術を掛け合わせたイメージの 通りに発動する。霊ば火と土で溶岩、水と 土で氷、火と風で雷、風と土で砂とそんな 具合だ。まあ、これは想定ないというか、 実はこれらの組み合わせは本で読んでて 知っていた。滅たに見られるものではない が、二重自体は昔から存在している。 グリモのような技を持つものや息のあった 魔術師2人であれば行使可能だからな。 実際試すとどうなるかという確認だったの である。それよりも他に試したい 組み合わせはあるんだよな。まずはこれ 幻想系トマ術模者姿。これは魔力の膜で 自分の身体を覆い別人の姿に変えるという ものだ。特にイメージが重要な魔術でよく 知った姿でないと返信できないというもの だがこれを二重で発動させればどうなるか 。俺の想像通り事が運べばもは試しと ばかりに模者姿を二重 発動と共に俺の身体が光に包まれていく。 えっと鏡鏡とおいい感じだな。鏡の前に 映るのは少しだけ背を高くし、少しだけ髪 の色素を薄くし、結構イケメン化した俺の 姿。と模者姿を二重し、片方を自分、もう 片方をアルベルトにて発動させたのだ。俺 とアルベルトの姿のイメージが混じり、 ちょうど中間ぐらいの用姿になったので ある。この姿漫画違いで俺の姿を見られて も正体を知られることはない。ついでに アルベルトにも迷惑をかけないしな。て いうか、さっき上位魔術を打ちまくったし 、誰か近寄ってくるかもしれないか。 一旦場所を映した方がいいだろう。何せ目 の前は凄まじい破壊の嵐が吹きや荒れた後 である。こんなものの近くにいては知らぬ 存も無理がある。そうと決まれば秘少にて 俺はその場を後にする。岩山と岩山の間を 文字通り秘障し国の場所から大分離れた 辺りだろうか。うん。あれは眼下を見れば 何者たちかが争っているのが見える。どう やら人間と魔物の群れが戦っているようだ 。おお、魔物って見たことがなかったんだ よな。よし、隠するとしよう。俺は岩山の 影に降りるとそこから戦いの様子を覗く。 魔物と戦っているのは年若い少女だった。 艶のある黒髪を両サイドで括くり、お団子 にしてそこから垂らすようにして伸ばして いる。憲法服とでも言うのだろうか。動き やすそうな服の胸源は涼し毛に開き、背に はぶっという文字が刻まれていた。少女は 軽やかな足取りで魔物を翻弄しつつ拳1つ で戦っている。あれは多分冒険者だな。 冒険者というのは便利屋のようなもので金 を稼ぐために魔物を買ったり素材なんかを 集めたりする連中だ。強さによって階級 分けがさえており、EからAまでランクが あるんだっけか。正直あまり興味がなかっ たしよくわからないんだよな。ロベルト 何をニヤニヤしてるね。ああ、うん。なん でもないよ。それよりこの探検大して価値 がないならもらっても構わないか。元より そのつもりね。お好きにどうぞ。 ありがとう。魔術付与された探検は ちょっと欲しかったんだよな。もちろん上 にもそういった武器などはあるが高価な ものばかりだし気軽に分解したりはでき ないのだ。だから不与系統魔術については まだ試していなかったのだがこれで不与 魔術の実験ができるぞ。宝箱の破片と共に カへと放り込んだ。すると午後ごと辞りが し始める。夫ダンジョンは宝箱を取ると 消滅するんだっけか。うん。早く外に出る よ。俺はタオと共にダンジョンの外へと かけるのだった。外へ出ると空は薄暗く なっていた。げしまった。グリモのことを 完全に忘れていた。こんな遅くまで放置し て大丈夫だろうか。どうしたね、ロベルト ?そワそわして。悪いがちょっと用事を 思い出してね。すまん。俺はタオに謝罪 すると即座に秘傷を念じ、空中へと 飛び上がった。あ、どこへ行くね?悪い。 急いでるんだ。待つよ。せめて連絡先を 交換するあるう。顔のよく響く声を聞き ながら俺は城へと飛んでいく。少し残念だ がもう2度と会うこともないだろう。それ にしても気についても知れたし、魔物も いっぱい見れたし、ダンジョンでも色々 拾えたな。大満足の1日だった。入ってき た時と同じように姿を隠して城内へと戻る 。ホクホク顔で実質に戻るとベッドでは俺 の姿をしたグリモが倒れふしていた。 ただいま。ああ、そのグリも大丈夫か?声 をかけるとギ

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